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第36話 きっとくる、きっとくる、きっとくる、きっとくる、きっとくる。

「ところで、ミランよ。ここはどこなのだ?」


 ある日の風紀委員。時は真夜中。

 この日、信長たちはとある古い民家の家の前に集合させられていた。


「今回の仕事さ。」

「仕事だと。」


 信長が不信感を抱くのも無理はない。

 古い民家なだけあって、見た目は心霊スポットのような雰囲気がある。


「そうさ。『この家の掃除をして欲しい。』って言われてしまったからね。」

「それでも、夜にやる必要があるのかぁ!?」

「えー、せっかくの夏だよ? 夏らしいこともしたいでしょ?」

「つまり、肝試しってことね! 分かりましたよ! 我を怖がらせたいだけね!!」

「そゆことー。」


 しかし、震えているのは信長だけではなかった。


「ね、ねねねねねね、ねね、ねねねねねねねねねね。い、イイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイリス? 絶対に、ぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッたいに私から離れないでね。」

「うるさいよォ。結衣ィ、もしかして怖がってるゥ?」

「そ、そそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそんな訳ないでしょ!!」


 結衣もこの状況に怖がっていた。


「まったく、みんなビビりなんだナ!」


 ちなみに、カメノスケはミラン先輩の頭の上にいる。カメノスケは怖いのは平気らしい。


「さぁ、早速中へ入るよ!」


 信長たちは、ミラン先輩とイリスを先頭に、その民家の中へと入って行った。


「失礼しまーす!」

「せ、先輩、元気すぎない!?」


 重たい扉を開け、中に入った先輩は大きな声で挨拶をした。


「そもそも、誰もいないのだろう? 挨拶をする必要はないのではなか?」


 と、信長。


「確かに、そうだね。これで挨拶が返ってきたら怖いもんね。」


 と、ミラン先輩。

 その時だった。


「ニャガ!?」


 突然、信長が変な声をあげた。


「どうしたの、のぶニャガ。」


 と、結衣が聞く。


「うるさいぞ、結衣。その言い方では、我が猫になるではないか。」

「ごめんごめん。」

「今、我の後ろを誰かが通った気がしてな。」

「え?」


 結衣が凍りつく。


「そんな訳ないでしょォ?」

「そ、そそそそそそそそそそそうだよね! ははははははは、早く中に入ろー!」


 結衣が1歩、足を踏み入れた。

 その時だった。


「ごゆっくりどうぞ〜。」

「だァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

「「わァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!??」」


 結衣の叫び声に、その場にいる風紀委員全員が叫んだ。


「なんだ!?」

「い、今、こ、声が。」


 流石のミラン先輩たちもだんだんと怖がってきた。


「へ、へー。」


 と、ミラン先輩。


「ふ、ふゥん。」


 と、イリス。


「お、オレは全然コワカッテナイ。」


 と、カメノスケ。

 信長は、ゆっくりと中へと進もうとした。


「わ、我は、全然、怖がったなんか、いないんだから、な。」

「お掃除、よろしくお願いしま〜す。」

「にゃがァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!?」


 この声は、確実に風紀委員全ての部員に聞こえた。


「「わァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」」


 風紀委員たちは、叫びながら民家の外へと出た。


「え、今、声したよね!?」


 と、ミラン先輩。


「ま、さか。お、化け?」


 と、結衣。


「お、お化けなんかいる訳ないでしょォ?」


 と、イリス。


 風紀委員たちがいるのは、古びた民家の外。

 この民家の周りにほかの民家はない。山奥にある民家だ。

 つまり、逃げるにも逃げられなくなってしまった。


「み、ミラン先輩。行こう。」

「そ、そうだな。」


 結衣とミラン先輩は顔を見合せ、もう一度、民家へ向かう。

 その時だった。


「なんか、あの井戸に誰かがいる気がするんだけど。」

「へ?」


 ミラン先輩が何かを見つけたようだ。結衣は、よくその井戸を見つめた。


「なんだろう、なんか、髪の長い、白い服を着た、女の、人? 髪が長いせいで前が見えてなくて。」


 と、結衣。


「それで、井戸からその女が近づいてきて......」


 と、ミラン先輩。


「うわァァァァァァ! 絶対にヤバいやつだよね!? 絶対にお化けだよね!?

 ね、ねぇ、イリス。お化けなんていないんでしょ!? ちょっと、あの女が誰か見てきなさいよ!!」

「お化けなんていないわァ。でも、あれは、お化けなんだよねェ。」

「ちょっと、待ってェェェェェ!? 認めちゃったよ!!」


 その時、ミラン先輩が結衣の袖を引っ張った。


「ね、ねぇ。近づいてきてないかい?」

「近づいてきてますね。これ、きっと来るよ!! 絶対に、きっと来るよ!!」


 結衣がそう叫んだ時、髪の長い女が全力のダッシュを始めた。


「「うわァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」」


 信長は近づいてくる女に対して刀を抜かずに、刀の鞘を向ける。


 ただ、黙りながら。


 しかし、髪の長い女はそんな信長の横をとおりすぎて行った。




〜10分後〜




「な、なんなのアイツ。」


 結衣は怖がりながらそう言う。


「途中で消えたねェ。って、信長何してるの。」


 結衣たちは、髪の長い女から逃げきり、民家へと戻ってきた。

 そこで結衣たちが見つけたのは、固まったままの信長。


「もしかして、信長。気絶してる?」

「......。」


 結衣はミラン先輩に敬礼をした。


「ミラン先輩! 信長、気絶してるであります!」

「了解したであります!」

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