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第27話 熱いバトルシーンが書けるようになりたい。

 キブカ村の夜。

 その夜の暗闇の中にて信長はただ1人歩いていた。


「なんだよ、フライ売ってないではないか。」


 信長は未だにキブカ村で暇を潰すための週刊少年フライを探していた。

 しかし、今のキブカ村にて夜の闇の中で活動しようとする者などいない。というか、そもそもこの村にフライは売っていない。


「ここにあるのではないか。」


 信長はそう言って、とある民家の外にある樽の中を覗いた。


「......、」


 しかし、信長はそこである物を目撃する。


「お、お主、そこで何をしているのだ?」


 樽の中にいたのは、男。


「テメェの方こそ何してんだよ。」

「いや、我は週刊少年フライを探していてな。」

「そうかよ、じゃあ俺の事は見なかったことにしてさっさと消えることだな。」

「あ、あと、我の仲間たちは畑を荒らし、村の人を拐っている犯人を探しているって言ってたな。」

「......!?」


 男は信長の言葉を聞くと、腰からナイフを抜き樽の中から飛び出した。


「テメェ、その事を知ってるなら、このまま帰す訳にはいかないな。」

「え、なぜだ? お主は隠れんぼでもしてただけなのではないか?」

「うるせぇ、俺がその犯人なんだよ。」

「え、」


 男は、ナイフを信長へ向けて振り下ろす。

 信長は、そのナイフを避ける。


「あ、危ないでは無いか! 何をするのだ!!」


 男は、その後も繰り返し振り下ろす。


「や、やめろ!」


 信長は男との距離をとる。そして、ある程度の距離が空いたととき、一気に走り出し男から逃げ出した。


「逃がすかよ!」


 男はそう言うと、ナイフを夜空へと向けた。すると、突然ナイフから光が現れ信長へ襲いかかる。

 信長は振り返りつつ、その光が自分へと迫っているのを確認する。

 本能がこの光はヤバい、という事を知らせる。


「どぅわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁヌグハアナァサタァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!

 頼む! 頼む! 頼むから助けてくれよォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオォォ!!」


 その瞬間、凄まじい電撃と共に光が真っ二つに折れる。


「......!?」

「遅くなってゴメンねェ。」


 そこにいたのは、イリスだった。


「イリスか! 助かったぞ!」

「ミラン先輩に村の人を避難させるように言ってェ。」

「分かっぞ!」


 信長は、村の中央に向けて走り出す。


「イリス、」

「なァに?」

「死ぬんじゃないぞ。」

「はァい。」


 走り出した信長の後を追いかけようとする男をイリスが止める。


「どけ、女。」

「ダメだよォ、君が犯人なんでしょォ? だったらァ、このまま放っておく訳にはいかないでしょォ?」

「テメェもその事知ってるのか。」

「当たり前じゃん、私たちは君を捕まえためにやってきたんだからァ。」

「そぉかよ。それなら、死ね!」


 男がそう叫ぶと、先程信長を襲った光がイリスを襲う。

 イリスは横へ転がりその光を避ける。


「なァるほどねェ。君の魔法はァ、ナイフで月の光を反射してェ、その反射した月の光を光線に変えるっていう魔法でしょォ?」

「流石、天下のターボン学園の生徒様といったところか、たった2回で俺の魔法について見抜く事が出来るとはね。」

「君のその魔法を見る感じィ、君ィ、近接戦闘弱いでしょォ? つまりィ、この戦いは私に分があるって事なんだよねェ。」


 イリスは男にそう伝えると、魔力を放出し電撃を纏う。

 そして、地面を力強く蹴り出す。


「【雷剣(サンダーソード)】!」


 イリスの握る剣が男の持つナイフへと向かう。

 だが、イリスの剣があと少しでナイフへとぶつかるその直前、イリスの頬を光線がかすめた。

 イリスはとっさに後ろへと下がる。


「何が......起きたのォ。」


 イリスにはあの男が放つ光がしっかりと目に見えていた。だからこそ、男が光を放ったとしても避けることが出来た。

 なのに、何故今の攻撃は何も見えなかったのか。

 イリスが、男の放つ光を見破れていたのは発射と着弾のタイムラグがあったからだ。

 だが、先程の攻撃はそのタイムラグがない。発射から着弾が一瞬で行われた。


 目で見てから避けたのでは遅い。

 目に見えた瞬間には、自分を光が貫いていることになる。

 それではダメだ。


「なかなかやるわねェ。」

「だから言ったろ、ここで殺すと。」


 男は、もう一度ナイフを月へ向ける。

 その瞬間、イリスは闇雲(やみくも)に左へと回転。すると、イリスのいた場所に光が通過する。


 イリスは回転した勢いで助走をつけ、男へと向かって地面を力強く蹴り出した。


「【雷剣(サンダーソード)】! 」


 イリスは魔力を放出させ、一気に勝負をつけようとした。

 だが、イリスの体から魔力が放出されることがなかった。


「う......そ。」


 男へと近づいてしまったイリス。

 そんなイリスは持っていた剣をただ真っ直ぐ、己の剣さばきだけを頼りに男のナイフを狙う。

 だがその前に、男の放つ光がイリスの腹部を貫いた。


「グワァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」


 イリスの痛みを訴える叫び声が辺りに響いた。


「残念だったね。俺の魔法は1度でも攻撃が当たってしまうと魔力の放出を抑制する事が出来る細工がされているのさ。

 まぁ、次の攻撃で楽にしてあげるから、楽しみにしててよ。」


 男がナイフを月の光へ向けようとする。

 イリスは腹部を抑えながら、ゆっくりと立ち上がり剣を構えた。

 だが、魔力の放出ができない。放出が出来なければ、電撃を使うことが出来ない。


「それでも、私は負けないわよォ。」


 イリスは誰にも聞こえないほどの小さな声で叫ぶ。

 その瞬間、男のナイフが完全に月の光を捉えた。

 なのだが、


「【発射(ショット)】!」


 イリスと男の間に土の壁が作られる。いや、正確には土でできた大きな球だ。


「はい、コレ、回復薬よ。これ飲んでイリスは休んでてよ。」

「ゆ......い。」

「信長に言われて急いで駆けつけてきたってわけ。あとは任せて。」


 イリスの目の前に結衣が現れた。そして、次の瞬間、男の光が結衣の作った土の壁のような球を破壊した。


「テメェも同業者かよ。全員まとめて殺してやる。」

「その前に、私がアンタを説得させる。」

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