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第七章第十節
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「人狼はおとぎ話の世界の存在でしたー。なんて、そんなわけないでしょう。
人狼はただの人間が精神疾患になっただけでしたー。……なんて、そんなわけないでしょう。
人狼は本当に存在する。……見たことがない者は、ホラ吹きだと笑うだろうね。きっと何かの見間違いだったのだと、臆病さを嘲笑うだろう。
でも、ね。だったら、本物を探してみると良い。あれの何が人間だって言えるんだい? おとぎ話だと笑えるんだい。
俺の妹の首を食いちぎったあいつのこと、俺はいまでも忘れないよ。……妹の悲鳴を聞いて、泣いて何もできない俺を見て嗤ったあいつの顔……絶対に忘れるものか。
さあ、人狼を探しに行こう。ねえ、君も聞こえるでしょう。狼の遠吠えがさ。――人狼狩りのはじまりさ」




