あ、いや、家令さんや?そがぁ睨まんで下さいな。怖いんですが?
で、暫くしたら家令さんがの。
そう言えば、名前を聞いておらなんだなぁ。
『ああ、彼ですか。
彼は紫柳 宏也ですね。
大若葉家へ代々仕える使用人です。
忠誠心が高く信を置ける者となります』
代々?
え?
先祖代々っうことかえ?
大若葉家って、どがぁなやねんなっ!
物語の世界にしか、存在せんと思っちょったわい!
「多羅様。
なにやら急に衣服が、ご入り用とか。
既製品となり恐縮の極みとなりまするが、届きましたので持参いたしました。
入って宜しゅうございますか?」
そう声をのぅ。
「ああ、済まなんだのぅ。
ちと、普通では考えられんことが起こりましてな。
その、なんじゃぁ、困っておったのですわい」
「さようでございか?
では、入らせて頂きます」
そう告げて、部屋へと入って来たのじゃがな。
「ぬっ!
なにやつ!
多羅様を何処へっ!」
うわぁー
凄い形相で睨んで来るんですが!?
「紫柳、落ち着きない。
その方が、多羅様ですよ。
粗相なきよう」
へ?
何処かにスピーカーでも仕込んであるのか?
いきなり声がの。
っか、これって。
「アドバイザーさん?かの?」
幻想機経由にて何時も聞いておる、アドバイザーさんの声が、イキナリきこえたんですが?
どがぁなっておる?
「こ、これは、導師様!?
失礼いたしました。
では、本当に彼が多羅様なので?」
「丸切り別人ですが、間違いなく多羅様ですね。
これは異世界の食材が与えた影響もですが、多羅様の同調率が、高い弊害でもあるのでしょう」
はて?
どう言う意味じゃろか?
「マスター
あのトチナの実ですが、効能が100%発揮するモノとは思われません。
まぁ、成分を抽出し、薬品などにすれば別ですが。
ですが、幻想機経由にて効能をダイレクトに受けたマスターは、その成分を全て感じてしまったのでしょう。
普通は、そこまでの同調などあり得ないのですが、マスターは同期してしまったみたいなのです。
初めての事例であり、本国でも騒ぎになっておりますね」
本国?
「異世界に存在する大若葉様が属しておられる国ですね」
アドバイザーさんと、そのような遣り取りをしておるとな。
「はぁー
導師様と、言葉を介さず遣り取りされておられる?
つまり、幻想機を?」
そう家令さん、いや、紫柳さん、じゃったか?
彼が、そのようにのぅ。
「あ、いやな。
何時も口に出さずに対話しておったでなぁ。
紫柳さんには、儂の語る内容が分からぬじゃろうて。
これは、失礼したわえ。
しかし、導師かえ?
儂も導師と呼んだ方が良いのじゃろうか?」
えらい古風な呼び方じゃのぅ。
「いえ、アドバイザーで良いですよ。
むしろ、そう呼んでくださいませ。
導師とは、古来より異世界政府に仕える者達が使う言葉です。
まぁ、昔にはアドバイザーなどと言う言葉はありませんでしたので」
何時から存在しとんねんなっ!
「確か、鎌倉時代より前だったかと。
この世界の住民と、アチラの世界の方々とでは寿命が違います。
まぁ、今の時代の方と五倍は違うでしょうね。
ゆえに、この地では現人神と崇められていた時代もあったみたいですよ。
まぁ、その時代には私達も、導師ではなく精霊と呼ばれておりましたが」
マジかぁ!
っか、進んだ科学文明は、魔法と称される、っと聞いたことがある。
そがぁな文明の者達が、昔に現れたら崇められもするわのぅ。
「ううむぅ。
幻想機を、これ程迄に自在と言える形で操られるとは。
まさに多羅様以外に居られませんな。
しかし人とは短時間に、ここまで変貌可能なのですなぁ」
そう感心したようにの。
「いえ。
コレは多羅様の固有能力でしょう。
普通は物理的に有り得ませんね。
ゆえに本国でも、多羅様のデータ解析に追われております。
しかも、多羅様経由にて幻想機が得るエネルギー量が異常なのです。
一部が多羅様へ吸収されており、それも相まっての、ご変貌かと」
!?
そがぁ、なっちょったんかいなぁっ!?




