結局は、社宅へ引っ越すことになりました、とさ。
どうやら幻想機が稼働する動力。
このエネルギーは幻想機用と言うよりは、ある異世界にて活用されておる物じゃったらしいわえ。
で、幻想機は異世界を覗き見る機械ではなく、本質は次元からエネルギーを汲み上げる機械じゃったと。
まぁ、油田から油を汲み上げる施設みたいな物かのう。
ただ、幻想機を稼働させるには、幻想機へ適合する者が必要であり、適合率が高い者は、その異世界にしか居なかったらしいの。
ゆえに、俺らの世界へ来て幻想機を使用しておったらしい。
ん?
ならば、自分の世界で幻想機を使えば良いのでは?
そう思い、聞いてみたのじゃがの。
「幻想機が稼働するのに適した場所があるそうです。
その一つが、この世界の日本でございます。
この世界でも日本以外では稼働し難いらしく、他国へは進出しておりませんな。
それと同様に、異世界にも相応しい世界があるらしく、全ての世界が適合する訳ではございません。
秀李様の世界も、ある程度は適合しておりますが、日本ほどでは無いのだとか。
まぁ、石油が何処でも得られないように、次元から汲み上げれる場所も限られるそうですぞ」
ま、まぁ、そんな訳で、この世界で幻想機が稼働することにの。
で、わざに幻想機を動かすために出向して来ていたシュウさんが、自分以上に適合する可能性がある俺を見付けたと。
これが、ことの顛末な訳なのだが、つまり俺は、異世界にて使用されるエネルギーを汲み上げる人員として雇われた訳だ。
まぁ、俺的に損はない。
っか、給料は上がるし、拘束時間もない。
オマケに病が癒え、若返っとるしな。
ボディーガードが着くゆえ、少々鬱陶しいやも知れんが、己の安全を確保して貰えると考えるならば、良いと言えるじゃろな。
っか。
「多羅様の安全を鑑み、今日から此処へ住んで頂きます。
今、住まわれている御自宅の荷物は、此方の離れへ全て運び入れましたゆえ、後でご確認くだされ」
いや、いつの間にっ!?
「移転届けなども代理申請致しますので、此方の委任状へサイン願えますかな。
車ですが、もし宜しければ廃車されては?
ご自分で運転される趣味が無ければ、使用人が運転いたしますので」
運転も嫌いではないが、好きでも無いかのぅ。
楽ができるならば、それでも良かろうわえ。
で、案内されて離れへと。
流石にゴミは捨てられておる。
不要か判断できぬ者と分けられており、不要な物を避けて行く。
修理したら使える物は、修理してくれるそうなのじゃが、よりグレードが高い物が屋敷へあるでのぅ。
むろん、異世界産じゃよ?
なので、修理して売れる物は売って貰うことに。
っても、俺の年収から考えと、微々たる物じゃがな。
で、必要な物を屋敷へと。
っか、写真などは区分けされてアルバムへとのぅ。
いつの間にっ!
なんか、在るべき場所へ全てが格納されておる。
俺ならば、何日経っても終わらん自信があるのじゃがっ!
メイドさんスキル、ヤバ過ぎんかえ!?
で、昼食なのじゃがな。
鰻丼と肝吸いじゃった。
異様に美味いのじゃが?
「まさか、国産かえ?」
「養殖ウナギを屋敷の池に放っておりましてな。
それを、屋敷の料理人が調理した品となります。
まぁ、アチラの技術にて、屋敷の池で完全養殖もしておりますゆえ、気楽に食べてくだされ」
はい?
いや、完全養殖?
まだ、市販規模では無かったハズでは?
っか、メチャクチャ肉厚で美味いんですがっ!
しかし、俺の身体、どうなっておる?
いくら美味いとは言え、鰻丼五杯は食べ過ぎじゃろ?
っか、胃に治る量ではないのじゃが?
呆れられるほど食べたのじゃが、急に眠気が。
ううぅっ、た、耐えられん。
頭がガクガクと。
寝室へ案内され、ベッドへと。
多分、自分で入ったハズじゃが、記憶が曖昧じでな。
知らぬ内に寝入っていたみたいじゃ。
おやすみ。
ぐー




