猛スピード移動なんですね?っか、町へ着くの早過ぎね?
平パンサンドを頂いたのじゃが、不満としては葉野菜とトマトにピクルスが無いことかのぅ。
ソースも、マスタードとオーロラソースを、少量加えるだけで、劇的に美味くなるだろうに。
『マスター。
それは、流石に』
いや、オーロラソースやマスタードは、流石に無理なのは分かる。
だが、葉野菜くらいはのぅ。
『この辺りでも葉野菜は採れますが、市場でなく屋台では扱わないみたいですね。
農業の片手間に出している様な店ですから、傷み易い葉野菜は敬遠しているのでしょう。
なにせ屋台ですから、陽当たりの良い場所を選んで屋台を出しています。
保存手段が限られるため、食事としての提供を避けたものと』
ふむ。
まぁ、日陰だと目立たず、他の店に客が取られような。
ならば、目立つ場所となるが、葉野菜などは萎びるか。
仕方あるまいのぅ。
じゃが、幻想機にて擬似的に食すならば、これへ葉野菜とトマト、マスタードにオーロラソースを足せよう?
『まぁ、可能ですね。
映像を加工するだけですので』
だよな。
で、そうして貰ったのだが・・・美味い。
ダリルさんの味付けは、即興であるにも関わらず最高だった。
だったのだが、ちと濃い。
肉も刺した根菜類似も、火晶石にと放った炎にて炙られ、味が凝縮した感じか?
アレ、雷晶石を合わせて持ち、炎を制御しておったのだが、針みたいな炎が食材を貫き、周囲を網状の炎が覆っておった。
周囲と内部から同時に焼かれた食材から、程よく水分が飛び味が凝縮。
香ばしさも付与され旨みがの。
短時間での調理には最適じゃが、コチラの世界技術をもってしても再現不可能であろう。
そんな味が凝縮し、香辛料や香草に塩で味付けたら、平パン程度では味を支えられん。
いや、肉体労働者ならば、濃い味付けを身体が求めるゆえ最適であろう。
じゃが、俺には、ちとな。
そこで、葉野菜とトマトじゃ。
まぁ、味の引き算じゃな。
そして、さらに味を締めるのに、マスタードとオーロラソースなのだよ。
まさに、俺用にカスタマイズした感じである。
『味のカスタマイズですか?』
さよう。
幻想機で食す映像は、実際に食べる訳ではない。
そして、映像を掛け合わせ、様々な味を知ることも出来ような。
これ、調理人にとって垂涎となる機能じゃね?
もし、顧客に調理人が居れば、この機能をサービス提供することを薦めるね。
絶対に飛び付くからさ。
『確かに。
ですが、そのような事が可能なのを、初めて知りました。
映像の加工が可能な方は・・・現在居ませんね。
マスターが初みたいです。
もしかしたら、マスター固有能力かもしれません』
マジかぁ。
良い案だと思ったんだがなぁ。
っと、ダリルさん達が村を出たか。
えらい強行軍だよなぁ。
ん?
人の胸くらいには高さが有る塀が見えて来たな。
『アレは町の外壁ですね。
獣ていどならば、乗り越える事はできません。
まぁ、野盗などならば、楽々乗り越えますが』
村の木柵よりは上等じゃろて。
石造りで堅牢そうじゃし、崩れた所も無さそうじゃしな。
しかし、夕方近いとは言え、もう町へ着いたのかえ?
早過ぎぬか?
『そうですね。
森奥の狩人達だからこそでしょう。
普通なら宿泊しながらの移動となりますから。
兵と騎士は疲労困憊ですし。
途中で馬を数回ほど替えていますが、それでも馬の疲労が酷いですね。
無茶をさせ過ぎです』
いや、馬が疲労困憊となる移動をしながら、全く疲れていないとはのぅ。
狩人一行は化け物か?
『いえ、人造種。
言い方を変えてるならば、強化人間ですね。
まぁ、そうで無ければ、森奥では狩人など出来ませんから』
人とは違うのだなぁ。
で、スンナリ町へ入ったのじゃが、行方不明になっておった女性達に町人達が気付いて、大騒ぎになっておる。
まぁ、死んだと思っておった者が帰ればのぅ。
町と言っても、都会ではない。
それなりの広さはあるが、狭い町だ。
ゆえに、皆が顔見知りと言える。
身内の者が呼ばれ駆け付けておるな。
狩人達は感謝され戸惑っておるのぅ。
まぁ、人慣れしとらんようじゃし、仕方あるまいて。




