知ってるか?異世界では米が地下に生るんだよっ!!
ダリルさんが何やら焼いておるのに、サーマさんが気付いたようじゃな。
「それは、なんだい?」っと。
したらダリルさんがな。
「村の農家から人が来ておっただろ?」
そう返され、サーマさんが不思議そうにな。
「確かに来てたねぇ。
ダリルからの助言で、村の運営に関わらなかった農家などが残れるようになったんだけか?
その礼に野菜を貰ったよね」
そう返すと、ダリルさんが頷き。
「ああ、そうだな。
その際に、マル芋も渡されたんだがな」
「ああ、アレねぇ。
アレ、家畜のエサだろ?
今、渡されてもねぇ。
ゴミのアジトで得た馬や牛は里へ送ったから、使わないさね」
まぁ、そうだろうな。
そう思っているとな。
「実は、ある調理法で調理すると、美味しく頂けるらしい」
「はぁ?
マル芋だよ!?
騙されてないかい?」
サーマさんが驚いて告げる。
したらダリルさんがな。
「いやいや、俺を騙して、何の得がある?
逆に、俺達の不興を買ったら、特に今の時期は不味かろ?
そんなリスクを犯してまで、俺を騙すかね?
俺はしないと思うが?」
そう告げられ、サーマさんが納得。
そんな彼女へな。
「調理方法などは秘匿して欲しいと頼まれておる。
お上に知られると、マル芋へ税を掛けられる恐れがあるゆえな。
まぁ、納得できる理由ではある。
しかも、この遣り方だと、マル芋が美味しく頂けるそうな。
ゆえに試しておるのだがな」
で、しばらく経つと、ダリルが葉で包んだマル芋を焚き火から取り出す。
葉を剥がし、マル芋を割ると。
あれ?
銀シャリ?
ご飯じゃね?
はぁ?
芋に米を詰めておったのかぇ?
『本当にマスターは忘れてしまってるんですね。
以前に、米みたいな球状の種が詰まった芋が有ると、お伝えしておりますが?』
そうじゃたかいのぅ?
『はい。
ソイ芋について、お知らせした時に、お知らせしております』
ん?
確か、実物は見てないが、その様な話しがあったか?
良く覚えておらぬが。
『米と酷似した代物で、米と同じように炊けば、ブランド米以上の味となるでしょう。
まぁ、稲と違い、籾殻や稾、糠などは手に入りませんが。
ただ脱穀の必要も無く、芋を水に漬けてから芋ごと焼くと、炊いたのと変わらぬ状態となります。
しかも、そこら辺を掘ると、ゴロゴロ出て来るほど繁殖力が高く、栽培しなくとも手軽に手に入れることが出来ます。
ただ、その侭では食すことは出来ず、安易に手に入ることから調理方法も調べられてなかったみたいです。
そのため、家畜の餌になっていた訳ですね』
ん?
パンは焼かれておったハズ。
パンにしようとは、思わなんだのかえ?
『それが、粉にすると固まり難く、焼いた後に硬く成り易いみたいなのです。
保存性も良くなく、グルテンが無いため膨らまないみたいですし。
だからパンにするには合わないみたいなんです』
あー、成る程なぁ。
パンにするのには合わなかったから、普及しなかった訳か。
この村でも麦は育てておるが、これだけ兵が来ておれば、ソチラへ回されるだろう。
そうなれば、農民達が割りを食う訳で。
ゆえにマル芋でも食べようと、そうなった訳だな。
で、炊き上がったマル芋を食べたダリルさんとサーマさんが、その美味さに仰天しておるな。
ただ、その侭で提供すると、兵達の巡回時に知られてしまう恐れが。
じゃから、汁へ入れたのじゃが、ありゃ、雑炊ぞ。
骨や肉、野菜から灰汁を抜きさり、十分に旨みを炊き出した汁へマル芋種を。
いや、最早、銀シャリで良かろう。
香草に香辛料、ソイ芋にて味を整え、味を確かめたダリルさんがの。
「こ、これは美味い!
汁にトロミが付き、そのトロミが味を逃がさんのだな。
しかも、入れたヤツの食感が良い。
さらに腹持ちも良さそうだ」
うん、なんか大絶賛です。
くぅぅっ!
食いたいよーぉっ!
クソぅ!!!




