賊駆除の報告をしよう。あ、ついでに獣駆除についてもね。
「おや?
アンタ、ターニャちゃんの身内かい?」
話しを聞いていたサーマさんがな。
「はい。
従兄ですね。
キャラバンが行方不明と聞き、賊の討伐隊へ参加したんです。
一応は小隊を率いる身でして。
今は入り口の警備を隊にて行っている所です」
なるほどのぅ。
ゆえに、村へ現れた一行に対し、聞き取りをしておるのじゃな。
「しかし、賊が討伐されたなら撤収かなぁ」
「隊長、最近、ココら辺に狼の群れが現れるから、その駆除依頼の対処もありますが?」
そう隊員に突っ込まれているな。
それを聞いた隊長が。
「かぁ、それが有ったかぁ。
ターニャが心配だから、連れ帰りたいのだがなぁ」
そう困ったように。
「ふむ。
他に群れが居るかは分からんが、我らが狼の群れと虎と熊の群れを狩っておるな。
もし狩った群れならば、討伐不用となるが」
ダリルさんが、そのようにな。
「確信は無い、かぁ」
「あいにくな」
「まぁ、仕方ないかぁ。
あ、お前達、ココ任せるぞ」
「ちょ!
隊長!
ドコ行くんっすかぁ!」
慌てる隊員に、他の隊員が。
「バカか、お前」っと。
「んだよぉ」
「中隊長へ、今得た情報を報告に行くに決まってんだろ。
その位、察しろよ」
そう告げる部下に頷き、隊長が告げる。
「そう言うことだ。
特に賊が討伐されたことは、速やかに報告せねばならん。
また、近隣のにて、狼、虎、熊の群れが駆逐されたこともだ」
そう告げた隊長へ、サーマさんがな。
「あ、ついでなんだけどね」
「はい。
なんでしょう?」
ニコヤカに。
「いや、大した事じゃないんだけどね。
深層組のダリルは、里立ちで里を離れるんだけどさぁ」
サーマさんが告げると、隊長が訝しげに。
「はぁ、里立ちでありますか?
確か、16で里から出て、外の世界を周る修行でしたよね。
えーっと、ダリル殿が?」
「何か変かね?
里のゴタゴタにて二年ほど遅れたが、別に18で里立ちする者も珍しくあるまい?
中には二十代で里立ちする者も居ると聞くが?」
そうダリルさんが、尋ねると。
「はい?
えっ!
ダリル殿って、18なのでありますかぁ!」
盛大に驚いておるな。
まぁ、その鍛え上げられた肉体に、経験を積んだ男の風貌。
さらに貫禄溢れる風格が、中年以上に思わせる。
そんな彼が18だとは、誰も思わないだろう。
いや、よく見ると、顔は若いんだがなぁ。
見えん!
「まぁ、ガウランドに鍛え上げられたからねぇ。
ヤツの直弟子さね。
ヤツ曰く、儂を超える傑作らしいよ」
そのようにサーマさんが。
「は、はいぃっ!?
ガ、ガウランド様のぉ、直弟子ぃぃっ!
マジですかぁぁぁっ!?」
隊長が狼狽える。
「なぁ、なんで隊長、あんなに慌てるんだ?」
そう尋ねる隊員へ、別の隊員が呆れたようにな。
「お前さぁ、ガウランド様を知らんの?」っと。
したら首を傾げるのでな。
「ラーガラの悪夢は?」
さらに尋ねておるな。
したらな。
「あ、深層組の狩人へ国が喧嘩を売って狩られたヤツだろ?
有名なお伽話だよな?」
「バカ、ちげぇよっ!」
「はぁ?
何がだよ?」
「実話だ、実話っ!
ラーガラの王侯貴族を狩って、国を半壊させた狩人。
それが、ガウランド様なんだよっ!
アレが元で、深層組の狩人に国が滅ぼされた、っう昔話が信憑性を帯びたんだよ。
だから、深層組の狩人への非礼は禁じられてんの。
わかる?」
そう教えられ、ガウランドを知らなんだ隊員が真っ青に。
サーマさんは知ってたみたいだが、ダリルさんは知らなかったみたいだ。
眉を寄せ、額を手の平で覆い溜息を。
「師匠、何をしとるんだ、まったく」っと。
したらサーマさんがね。
「いやいや。
狩った獲物を横取りしようとし、失敗したら兵を派兵して殺そうとしたらしいね。
だから、返り討ちにしたら、国の貴族を害したと、国王勅命で兵を送り込んで来たらしいからさ」
「いや、無茶苦茶だな、その国。
うーむぅ。
確かに、俺なら王侯貴族を皆殺しにするか」
そうダリルさんが告げると、サーマさんが溜息を吐いてな。
「やはり弟子は師に似るんだねぇ」っと、呆れておった。
まぁ、それが出来るから、タチが悪いとも言えるがな!




