いやいや、ガウランドさん?何したん?
っか、国を半壊って、何したんだ、アノ人?
『半壊っと言いましたが、正確には国の政治機構を瓦解させた、が、正解ですね』
はい?
もっと、訳が分からんくなったんだが?
『アル貴族が、ガウランドさんが狩った獲物を取り上げようとしたんです。
だから、当然拒否したんですが、武力行使に出まして』
はぁ?
権力を使った盗賊か?
そらぁ、ガウランドさん、災難だったなぁ。
『いえ、災難は貴族の方でしょう。
兵は無力化で済まされましたが、当主と嫡男は狩られましたから』
つまり、処された訳かぁ。
いや、それって、大事にならね?
『なりますね。
その時の国王を含む、王侯貴族から討伐隊が出されまして。
実は王の耳に事態が知らされた時には、既に獲物は他国へ売り払されており、貴族が行った暴挙も他国へ知らされています。
それを知った王は、面子を潰されたと激怒。
勅命にてガウランドさんの討伐を言い渡します。
で、軍を派遣しますが、個人へ軍を派兵する愚を犯す訳です。
ガウランドさんは森に潜みつつ移動し、関わった各地の貴族を狩り始めます。
当時、圧政にて国民は喘いでいた時期でもあり、貴族達の悪行を知るに事欠きません。
そんな嫌われ貴族達を駆除しつつ、王都へと。
流石に王も、自分が狙われていると分かったみたいですが、厳重な警護にも関わらず、狩られます。
しかも、贅沢三昧していた王妃を含み、ガウランドさんが不用と断じた王族全てと、貴族全てを。
政を行っていた大半の者が狩られる異常事態となります。
そうなると、国を運営する者が居なくなる訳です。
一部、残った王族や貴族が奔走しますが、国が混乱するのは当然であり、行政が滞ったことで、様々な問題が。
国の機能が麻痺してしまい、多大なる被害が出たみたいです。
まぁ、ガウランドさんは、狙われたから狩ったに過ぎません。
それは、人としての理ではなく、深層にて生きる者としての理らしいですね。
狩るなら狩られる覚悟を、生きるために狩り、狩られぬために狩る、狙われたら狙ったモノを狩れ。
これが、深層の真理です。
つまり、深層組へ手を出したがために、狩られた訳ですね。
このことは、後にガウランドさんが尋ねられた際に明言しております。
ゆえに、深層組へ手を出すな、が、この辺りの国々では常識になっている訳です』
うわぁ。
有る意味では災難やな。
普通の者なら泣き寝入りなのに、王侯貴族の大半が狩られる事態になったのか。
歩く厄災やな、ほんと。
まぁ、そんな背景は分かったからさ、止めた映像を開始して良いよ。
アドバイザーさんの解説が長くなりそうな時は、映像を一時停止してくれるんだわ。
現実では無理だが、これは映像だからな。
だから可能なのさ。
で、動き出した映像なんだがな。
「ふむ、賊について、かね?
なにを知りたいのかは知らぬが、所詮は浅層組。
容易く屠って放置したのだが?
何を知りたいのかね?」っと。
したらな、そんなダリルさんへ。
「賊の残存兵力とか、分かりますかね?」
などと尋ねておるのだが?
「知らん。
見掛けた賊は全て殲滅したが、出掛けておった者が居るかは分からんのでな。
まぁ、頭目らしき輩は駆除したゆえ、残りが居っても何もできまい」
そう告げられ、軽く頷いて告げる。
「なら、賊は討伐されたとみてよろしいですな。
後、行商キャラバンを見掛けませんでしたか?」
そう尋ねられ、ダリルさんは顎で女性達が乗る荷車を示す。
「アソコへ生き残りが居る。
おそらくだが、他の面々は生きてはおらんのだろう。
行商キャラバンの主は、賊の暴行を受け身罷っておるな。
その現場に居合わせたが、行き着いた時には手遅れだったよ。
獣が跋扈する可能性があり、彼女達の救出を優先したため、弔いもできなんだがな」
それを聞き鎮痛そうな顔に。
「そうですか。
叔父は逝きましたか。
叔父の娘が同行しておりましたが、知りませんか」っと。
なんとのぅ。
ターニャちゃん、で、あったか?
彼女の従兄かえ?
ビックリじゃわぇ。




