町医者さんや?そがぁに興奮して、どがぁしたぁ?
エスメラルダさんとリコ嬢は分かる。
夫を父を、助けて貰うたんじゃけぇな。
じゃが、町医者は、別じゃろて。
「お見事です!
師匠!」
いきなり、じゃなっ!
「師匠?
なんだ、それは?
俺は弟子など、とった覚えはないが?
しかも貴殿は医者であろ?
なぜ、狩人になろうと?」
ダリルさんが、首を傾げながらの。
したらな。
「狩人では、ございません!
医術ので、ございます!」っとな。
それへ困った顔でな。
「俺は狩人だ。
医術の心得などはない。
まぁ、狩人独自の手当は行えるがな。
それを習いたい訳ではあるまい?」
「い、いや。
そのですな。
今、ココの店主を、華麗に治したではありませんか。
その御業を、ですな」
まぁ、医者であれば、奇跡みとうな治療方は知りたかろうて。
じゃがな。
「ふむ?
カドモス殿へ施したヤツかね?」
「さよう、さようにございます!」
ダリルさんが、腕を組みつつ、顎へ手を。
「ふぅ〜むぅ?
もしや、医術にて治したと、思っているのかね?」
そう告げるとの、町医者さんが、キョトンちゅう顔でな。
「違うので?」っと。
ほんで、その問いに。
「俺は狩人だが?
医者が扱う術や知識はない」
「またまた、ご冗談を」
町医者さんが、困り顔で。
ほじゃけぇの。
「これは医術ではない。
晶術なのだよ」
「はて?
晶術、です、かな??」
首を傾げちょるな。
「うむ、晶術だ。
とは言え、最近、我らが使い始めた言葉なのだがな。
放術と付与は、分かるかね?
晶石へ込めた力を放つ力と、晶石へ力を付与する技だ」
「晶術は分かりませぬが、そちらの二つなれば」
「まぁ、一般にも知れておるでな。
その放術と付与を扱え、宿る力を制御できる技。
それを、晶術と呼んでおるのだ。
つまり、晶石が扱えるコトが前提なのだがね。
アナタは、晶石を扱えるのかね?」
正直な話しじゃが、かなり厳しいじゃろうのぅ。
こん世界では、放術師は稀じゃ。
隣国では、放術師を優遇しちょるし、探して育ててもおる。
じゃが、こん国では、そがぁなコトせんでな。
ほんでの。
放術師を見付け育てちょる隣国でも、付与師ちゅうんは稀じゃてな。
しかも、普通なれば放術は放術のみ、付与は付与のみ。
そがぁに思われちょるし、両方できるモンは、知られちょらんのじゃよ。
かく言うダリルさんも、最初は放術のみじゃったでな。
そう言う意味では、独自に付与と放術を扱えるようになった、カリンちゃんは天才じゃな。
しかも、放出した微電流を宙に拡散させつつ止め、それを操っちょるでな。
これ、規格外ちゅうか、異常事態なんじゃぞ。
本来なれば、そがぁなコトなんぞ、できんけぇな。
コレ、流行り病にて壊滅した村にて、餓死寸前まで耐え抜いた副産物なんが、悲しいのぅ。
晶石へスープを付与。
それから放術にて摂生しつつスープを。
口に含んだ晶石から、無意識レベルにて。
身体を維持できる、最低ラインを。
ほじゃけぇ、ロゼッタ嬢の父が、兄弟弟子んトコを訪ねた時にゃあ、死に掛けじゃった訳じゃな。
そがぁな栄養失調な身体で育ったけぇ、カリンちゃんは小柄じゃ。
十六ちゅうに、小学生三年なったばかしで、それも小柄な部類ちゅうたら、分かるかのぅ。
今では、ダリル飯の効能にて、中学二年くらいに。
ほんに、ダリル飯は偉大じゃて。
ビバ、ダリル飯ぃ!ちゅうてな。
そがな天才カリンちゃんが、死地にて生み出した御業。
それが、晶術と言えような。
まぁ、それを感じ取り、なんなく習得しおったダリルさんも、大概なんじゃがな。
つまりは、じゃ。
晶術なんぞ、特別な才能に恵まれたモンにしか、習得できんけぇなっ!
町医者レベルでは、のぅ。
『マスター?』
ん?
なんじゃな?
『それって、自画自賛ですか?』
ほっ!?
なんで、そうなるんなら?
『いやいや。
マスターも晶術使えますよね?』
ほぁあっ?
へっ?
あ゛。
い、いや、そのな。
別に、そがぁなんじゃ、無いじゃからのっ!




