ふむ、飯は食い終えたでな。ん?朝飯?美味かったぞぃっ!
何時もの朝練を終え朝食を食べ終えたトコじゃてな。
何時ものルーチン、何時もの惚けを経ての茶じゃよ。
「さて、今日は茶店へ行くのだったか?」
ダリルさんが、皆へ尋ねちょるのぅ。
「アタイはパスさね。
急ぎの仕事がねぇ」
そうロゼッタ嬢が。
それにハゲルさんがの。
「ま、ぬぇい。
昨日、タンマリとシムエルが、仕事を受けちまってっかんよぅい」
ふむ。
昨夜は納品と販売へ行ったと、思うておったんじゃがのぅ。
シッカリと仕事も受けて、来ちょった訳かえ。
「侯爵領の仕事は、何時ものコトでは?
それに革をハケさせるタメ、相談されましたので、それを踏まえて、話しをして来たのですが?」
シムエル嬢からの反論じゃが、もっともじゃろうて。
じゃがの。
「それは良いわさ、それは。
だがねぇ。
誰が、何時もの三倍の量を受注して来いと?
過労死させるつもりかねぇ、この子は」っと、ため息を。
それにじゃな。
「ダリル様が暇を見付けては、鍛治をなさっておりますわよね?
しかも、晶石の実験と申されて、有り得ないスピードで。
造られるのは良いですが、その品々は、どうなさるので?
倉庫に死蔵でしょうか?」
チラッとダリルさんを見ての。
「ふむ。
ソレラの扱いは、考えておらなんだな。
まぁ、俺は許可を得て、鍛冶場を使わせて貰っておる立場だ。
ソチラの判断は、ハゲルに任せよう」
そがぁなコトをの。
「ひょっ!?
俺、けぇ!
う、うぅむぅ。
アリャあダリルん作だかんよぅい。
しかも、場所貸したてぇが、最近は炉すら使いもしぬぇい。
風繭てぇんで包んで、火晶石の炎を使うかんぬぇい。
まぁ、金床と槌は貸したがよぅい。
そんも、最近はダリルが造ったモンだかんぬぇい。
っかよぅい。
炉の火も、ダリルが火晶石から出して制御してっからなぁ。
燃料費が減ってるくらいだぜぇい。
考えたらよぅい。
ダリルへ幾ら払ったら良いんでぇい」
ぞがぁなん言い出したんじゃが?
したらの。
「要らん。
俺は好きで遣っておるだけだ。
そもそも鍛治師ではないのでな。
俺一人なれば、金など不用どころか、邪魔ですらある。
使い道に困るのでな」
ん?
どがぁ!?
ああっ!
ダリルさんは、瞬眠使いよるで、寝る必要がないでな。
宿代なんぞは、不用なんじゃわ。
食材は、自力で森から得られるし、香辛料や塩なんぞも。
しかも、自分でダリル飯ちゅうんを、じゃな。
武具どころか衣服さえ、自分で仕立てよる。
持ち物は最低限で良いし、必要なれば造るでな。
不用なれば放置して行くじゃろて。
つまりじゃ。
物を保持する必要がの。
どうしても保管しとうなったら、森の自宅へ運ぶじゃろう。
空を走れるでなぁ。
瞬時に帰って仕舞うじゃろうよ。
つまりじゃ。
ダリルさんは衣食住を考えんでも良い訳じゃ。
そがぁなんじゃけぇ、金銭は不用まである。
ほじゃけぇ、本気で金銭は、のぅ。
こん世界の金銭は硬貨じゃて。
紙幣なんぞは、のぅ。
しかも、高額硬貨は、一般には普及しちょらん。
それらは、貴族や中級以上の商人が使うでなぁ。
ちゅうコトは、最大では、五千円や千円に相当する硬貨が、一般流通じゃて。
それも、店を構えとる店舗間での支払いが主じゃ。
庶民は、じゃな。
日本円で言う、五百円や百円に相当する硬貨を。
それも、日本の物価に相当させるとな。
五万円や一万円じゃろか?
つまり物価的には、日本の百分の一じゃて。
庶民が日常で使う硬貨はの、一分、一銭、一円に相当するヤツじゃてなぁ。
まぁ、それぞれに、五の硬貨は、有るがの。
で、ダリルさんが造る武具じゃが、アチラの価値で軽く数百万の価値がな。
これを普通に使う、銭前後の硬貨で持ち歩くんじゃぞ?
そりゃあ、邪魔にしか、のぅ。
「いやいや。
高額硬貨にして、持ち歩けば良いわさ」
そうロゼッタ嬢が。
したらの。
「その侭では、高額過ぎて使えぬのだが?
両替した途端に、硬貨が増え過ぎるぞ。
しかも、両替する場所が限られておる。
面倒だ」
う〜むぅ。
なんちゅう、面倒な仕組みなんじゃっ!




