ダリルさん動画の始まりは、朝鍛錬と決まっておるでな!儂も鍛錬じゃ!
日が昇る気配すらない漆黒の中で、ダリルさんの鍛錬が始まったわい。
ストレッチや体を解すちゅうのは、近代の考えでの。
昔には、そがぁな考えなんぞ無かった。
まぁ、筋を伸ばして整えれば怪我を防げるでな。
間違えでは無いんじゃが。
じゃが、そがな概念を知らんかったら、するハズもないでな。
じゃから、この世界では、本来はせんらしいのじゃ。
なのにダリルさんは、鍛錬前にストレッチを。
どう言うコトかいな?
『身体を解して動くコトで、動き易くなり、怪我し難くなる。
コレは深層狩人の間では、常識になっているみたいですね。
むろん、科学的根拠からではなく、経験からのようですが』
はぁ、何でもありかや?
ちゅうか、儂が知らんストレッチも混ぜておるな。
『地球で行われているストレッチでは、解せない箇所を解していますね。
そう言う意味では、アチラの方が優れているのかと』
ふーむぅ。
科学よりも野生が勝るかや?
『野生って。
マスター?
失礼ですよ?』
いやいや、つい、の。
しかし、儂の身体も柔らかくなったモンじゃて。
沙織さんと一緒に、ダリルさんのストレッチを真似ておるんじゃがな。
スンナリと行えておるでな。
幻想機と同調する前じゃったら、出来ちょらんかったじゃろうて。
なにせ、前屈ブラスにて膝上じゃったでな。
ストレッチが終わり、今度は型稽古じゃな。
ダリルさんは、鍛錬用の模擬刀を使用して行っておる。
アレ重金属製でな、滅茶苦茶な重さなんじゃわ。
こん屋敷にて、ダリルさんが鍛錬用に打った代物じゃて。
同じモンを、儂も使用しちょるんじゃが、流石に沙織さんはむりじゃったわい。
しかしのぅ。
以前は、ゆっくり、ゆったり、っとした型から始め、型を行う速度を上げとおった。
今回は逆に、普通の速度にて型を行っておるな。
ふむ?
コレ、新たに導入した鍛錬用の模擬刀に慣れるためじゃな。
っか、カナリの重量でのぅ。
ダリルさんもじゃが、儂も型通りに剣を操るのが、なかなかに厳しかったんじゃが。
コレ、ゆっくりと型を、なぞったら、こん重量にて型通りには出来んかったであろうよ。
何度か型をなどり、普通に型通りに操れるようになったでな。
今度は剣を操る速度を落とす。
上げるのではない、下げるのじゃ。
これが、なかなかに、難しい。
速度を上げると、勢いに乗せつつ剣を操れるでな。
速度を落とすと、ダイレクトに重量が!
こりゃあ、キツい!
さらに速度を。
ううーむぅ。
腕がプルプルしよる、プルプルじゃ!
沙織さんは木刀なんじゃがの、途中脱落しちょる。
なんか悔しそうじゃて。
で、剣が終わったら槍の型稽古じゃな。
コチラも、なかなかのモンじゃったわい。
こん槍の型稽古が終わる頃、辺りが白み始めたぞい。
夜明けが近い感じかのぅ。
で、最後に弓で的を射る訳じゃが、そん頃に、やっとハゲルさん達がの。
以前に行っていなかったストレッチを始めておるな。
初めはダリルさんを真似て行ったのじゃが、行うと調子が良いようでな。
今では鍛錬前の定番じゃてな。
ハゲルさん、ロゼッタ嬢、ファマル嬢の三人が、型稽古を始める頃、ダリルさんの鍛錬が終わる。
で、一息入れようと、ダリルさんが地面に胡座を掻いて座ると、何処からか現れたポックルが、胡座の上へと。
スッポリと収まると、丸くなってしもうたわい。
「こらこら。
困ったヤツだな」
ダリルさんが、呆れたように告げながら、ポックルを優しく撫でる。
で、さりげなくダリルさんの肩へ野鼠のジェムが。
「お前まで来たのか?
っと言うか、俺のベッドへまで入り込みよってからに。
なんで俺に懐くかね?」
ほうなんじゃ?
野鼠と同衾とは、珍しいのぅ。
で、ギーゼットも現れ、ダリルさんの横へ香箱座りしちょる。
なんかダリルさんの周りだけ、獣率が高くなっちょらんかえ?




