人喰い獣はクマだけ?はい?他にも居る?狩らないと!
ダリルさん参戦にて、呆気なく終わった劣化鎧クマ戦だが、周りの狩人達は唖然としている。
そらぁ、自分達が苦戦していた獲物を、容易く屠られてはなぁ。
「何を惚けておる?
他に肉食獣は居らなんだか?
熊種だけとは、考えられんのだが?」
そう尋ねるとな。
「狼と虎が居ったな。
狩ろうとしておった時に、クマ共が乱入して来よったのだ。
その際に散るように去ってしまってな。
おそらくアレも人喰いであろう。
人を襲うに躊躇がなかったゆえにな」
それを聞いたダリルが呆れたように。
「なれば、さっさと探して狩らぬとダメであろうに。
それに、この程度の獲物は、たったと狩れんかったのか?
中層で鎧クマくらいは狩るであろうに」
そう告げた後、素早く樹上へと。
「いや、深層へ潜り込む・・・
もう行きよったか。
しかし、劣化種とは言え、鎧クマを容易く屠るか。
これだから、深層へ至る者達は」
「それより、コレからどうするね?」
「アジトを探索しているヤツらは放っておこう。
我らは隊を二つに分け、片方はクマの解体を、片方は散った獣を狩る。
これで良かろう。
まぁ、先行して散った獣を追わせた隊が、全て狩っておれば良いが、まぁ、無理だろう。
もしかしたら、ダリル一人で全て狩るやもな」
「洒落になっておらんぞ?
儂らの面目丸潰れではないか」
「いまさらかね?
既に潰れておるが?
賊はダリルが一人で殲滅し、要救助者も救い出しておる。
難敵は、ダリルの加勢にて倒せたが、実質ヤツが狩ったようなものだ。
これ以上の醜態は晒したくないのでな、急ぐぞ」
そのような話し合いの後、狩人達が動き始めた。
別ウインドウにて、その様子を伺いながら、メインはダリルさんを。
っか、マシラが追い付けぬ速さで樹上を走っているのだが?
樹上って、走れるんだなぁ。
『普通は無理でしょう。
枝から枝へと移動しておりますが、普通は届かず落ちますね。
それに届いたとしても、細い枝へ乗るのは困難でしょう。
折れない枝を瞬時に見極め、それを足場に進む。
既に人としての身体能力を超えていますね』
だよね?
ヤッパリ、ダリルさんて忍者じね?
っと、今、何か投げた?
『アレは、刃鹿の角から作ったナイフですね。
ふむ。
潜んでいた狼の首筋へ突き立っています。
即死ではありませんが、明らかに致命傷でしょう』
いや、あの一瞬で!?
『おそらくは、群れから逸れた個体だったのでしょう。
少々若い個体でした』
「ふむ。
別働隊が散った獣を狩っておるのか?
群れが集まり切る前に屠ったらしいな」
あぁ、狼の死体が点々と。
人喰い狼の群れだったのかね?
しかし、こんなに獣を狩って大丈夫なのか?
『あまり、よろしくは無いですが、人的には仕方がないことかと。
まぁ、環境的には人は関係ないため推奨できませんね。
人は、どうしても、人を中心に物事を考えますので』
まぁ、生態系的には、よろしく無いわな。
っか、なんか焦げ臭くね?
森林火災は、洒落にならんのだが?
「チッ。
炎虎か?
洒落にならんのだが?」
あーっとアドバイザーさん?
『炎虎ですか?』
そうそう、何、それ?
『この世界には魔法や魔術はありません。
ですが、超常の現象を発する術があります。
古代文明の置き土産ですね。
マスターの世界では再現不可能な代物で、晶石と言う代物があります。
実は、石では無く粒子であり、アチラの世界にて宙に漂っております。
動植物が晶粒子を取り込むと、体内にて結晶化する場合があるのです。
その結晶化した晶石は、次元の隙間へ空間を形成し、そこへ事象を組み込むみたいですね。
現象解析にて、そのようになっていることは分かりますが、原理は不明です。
ですが、その空間へ水、火、風、光、雷などを溜め込み、生き物の意識にて放出できるみたいです。
炎虎は、火晶石を体内へ宿す晶獣であり、爪を高熱化させて敵を屠るのだとか。
少々厄介な獣みたいです』
ファンタジー生物、キタァーーー!




