おらぁ、クマ狩りじゃぁ!ダリルさんが参るっ!
そんな劣化鎧クマを狩人が囲んでおり、ヒットアンドウェイったか?、そんな感じで突いたり斬ったりな。
だが、クマさんは的確に斬撃や刺突を甲殻にて弾いている。
攻撃が通らず、クマからは鋭い攻撃が。
複数人で囲み、注意を各々が的確なタイミングで引き付けているから、今の所、被害は出てないみたいだな。
だが、クマは余裕だが、狩人達には疲労が蓄積し始めているみたいだ。
そんな彼らの様子を眺めながら、ダリルさんが弓へ矢を。
戦いを観察していたダリルさんが、おもむろに矢を放つ!
【グゥオォオォォォッ!】
クマさんが叫ぶ。
そらぁ、痛かろう。
ダリルさんが放った矢は、的確にクマさんの目を貫いていたのだから。
「なっ!
何処から!?
っと、危ねぇ!
無闇に腕、振り回すなやぁ!」
狩人が怒鳴ってんなぁ。
目を潰されて、痛みと怒りに混乱からだろうか。
狂ったように腕を振り回すクマさん。
あの剛腕から放たれた一撃を喰らえば、一溜りもあるまいて。
俺なら消し飛ぶ自信があるぞ!
『嫌な自信ですね。
ですが、コチラ側の人ならば、掠っただけで千切れ飛ぶでしょう』
だよね。
っか、あんなんと相対して近距離戦を仕掛けるなんざぁ、正気の沙汰とはなぁ。
それよりもダリルさんだ。
クマと狩人が入り乱れている戦場へ、味方へ当てずに貫いた技量もだが、あの兜みたいな甲殻で当て難くなっている目を、一撃で貫くとはなぁ。
ダリルさんの居る場所からだと、クマさんの目なんざぁ点だぞ、点。
っか、俺からしたらダリルさん視点だとクマさんが点レベルなんだが?
目なんざぁ判別できんのだが?
っと、また矢を放った?
何処を狙ったんだ?
アドバイザーさんがズームしてくれているクマ映像へ何かが。
瞬時に過ぎったんだが、これ、矢が通った感じ?
えーっとぉ、クマさんの肩に矢が刺さっている?
そんなに容易く刺さるのか?
『アレは肩ではなく、肩と腕の関節部ですね。
骨と骨の間を縫うように刺さったようです。
凄い偶然ですねぇ。
あの矢が刺さったため、上手く腕が振り回せなくなった模様。
狩人達が動き易くなったみたいです』
んーっとぉ、本当に偶然か?
目を射抜くほどの精密射出が行なえるんだが?
『目を射抜くのも難易度が高いですが、毛皮や肉に覆われ見えない箇所である関節部ですよ?
狙って射抜けるハズが無いですよ』
そかなぁ?
でもダリルさんだしなぁ。
っと、また矢を放った?
はい?
『はい?』
いや、アドバイザーさん?
『い、いや、まさか・・・
本当に狙って射抜いた?
え?
本当にぃ!?』
あら?
アドバイザーさんが動揺してる。
珍しいなぁ。
『こ、こほん。
失礼いたしました。
しかし、人間技ではありませんねぇ』
っと、ダリルさんが動いたな。
木から木へと移動しつつ、クマさんの頭上へと。
背から槍を外し、構えた後で木からクマへと。
いや、アドバイザーさんのお陰で、ダリルさんを追えてたが、狩人もクマさんも、ダリルさんに気付いてない。
全体重を乗せた槍の穂先が、クマの延髄へと。
見事に貫いたのだが、延髄へ埋まった穂先が槍から外れてしまったみたいだ。
「ふむ。
不要な穂先だと思っていたが、槍が刺さって抜けぬよりは遥かにマシか。
っと、やはり、マダ動くか。
この手合いは生命力が強くて油断ならんな」
そう告げつつ飛び退る。
で、ダリルさんが居た場所へとクマさんの顔が。
噛み付き攻撃が為されたようだ。
いや、延髄へ槍刃が刺さってんですが?
まだ動けるのかよっ!
うぉ!
飛び退ったダリルさんが、瞬時にクマさんの懐へと。
首筋を槍刃にて撫で斬りに。
うわぁ、スゲェ斬れ味だなぁ。
見事に左首筋を切り裂いてんぞ。
即座に移動するダリルさん。
クマさんの斬り裂かれた首筋から、血がブシュっとばかりに。
血が噴出しているんですが?
あーあ。
血が吹き出す方向へ居た狩人さんが、頭から血を被っていますね。
ご愁傷様です!




