瞬時に!?あ、狩の時間なんですね?
「なっ!
この距離から5人同時だとぉっ!
なんてぇ腕だっ!」
「そらぁ、ダリルは深層組だぞ。
俺らとは、格が違わぁな」
狩人達が、そのようなことを。
そんな彼らのことを意に解さぬように。
「明らかに街道を狙えるように、矢を弓へ添えていた。
アレは害意があると断言して良いだろう。
だから射殺したが、他にも潜んでいよう。
賊は殲滅とのことだったハズ。
駆逐して構わんかね?」
そう、ダリルさんが。
そう尋ねられたリーダーが戸惑いつつ。
「そうだな。
里長から殲滅せよ、っと受けている。
だ」
「うむ。
ならば、ちと殲滅して来よう」
リーダーが、何か言い掛けてたんだが?
意に解さぬダリルさんは、素早く移動を。
言い掛けていたリーダーは、口をパクパクさせて唖然っと。
何が言いたかったんだ?
『おそらくは、全員を殺さなくても良いのでは?っと、言いたかったのでは?
この方は少々甘いようですので』
いや、無為に殺す必要はないのでは?
『生かしていたら、犠牲者が増えます。
この賊は、里人を娯楽で射殺すようなゲスですので。
犯罪を犯し続ける内に、罪に対する罪悪感が無くなったものと思われます。
元々、狩人は生き物を狩る者達です。
そして、この世界には人型の害獣もおり、その駆除は狩人の仕事となっております。
そのため、一線を超えた狩人には、人を狩ることに罪悪感を抱かぬ者が現れます。
中には、人を狩ることに快楽感を覚える者も。
あの中にも居ますね』
ゲッ、そんなヤバい集団だったのかっ!
そんなんが往来がある道中を占拠って、かなりヤバくね?
『不味いですね。
ゆえに駆除が必要でしょう』
いや、討伐ですらなく、駆除なんだね。
既に人扱いでも無くなってね?
そんなんアドバイザーさんと話している間に、ダリルさんは賊の近くへと。
いやぁ、スルスルと滑るように見える移動だ。
それも、アドバイザーさんが、ダリルさんの輪郭を光線で縁取ってくれるから目で追えたが、普通ならば視認不可能だろう。
賊達は、仲間5人が瞬時に射殺され混乱中。
ダリルさん達が居た場所は遠く、まだ視認できて無かったからなぁ。
っか、あの距離から射殺したとは、思いもしないだろう。
混乱している賊の姿が伺えるかどうかの距離に移動したダリルさんが、矢筒から矢を。
無造作に矢を番え、素早く引き絞り射る。
はい?
3人の賊が倒れた?
いや、アレさぁ、狙ってた?
照準を定めたようには見えなかったんだが?
矢が飛んで来た方向が分かったみたいで、賊達がダリルさんが射った場所へと。
いや、そこには居ないって。
矢を放つと同時に、ダリルさんは移動していた。
しかも薮に身を潜めつつ移動をな。
いやいや、どうなってんの?
薮が全く乱れないんだが?
俺なら薮が揺れ動き、盛大に音が鳴ることだろう。
それなのに、全く音が鳴らない。
しかも移動速度は速い。
あ、また2人倒れた。
「ガトさん。
こりゃぁ、ヤバい。
撤退した方が良くねぇか?」
「そうだな。
頭へ状況を告げねばなるまい。
兎に角、一旦引くぞ!」
そう告げて、賊が引き始める。
だが、途中で1人、また1人と。
しかも、狩られたことに、周りは気付かない。
洞窟前に辿り着いた時には、ガドと呼ばれていた者1人になっていたよ。
そんなガトへ。
「ふむ。
道案内、ご苦労」
そう告げ、ダリルさんが喉を掻っ切る。
目を見開き、信じられない者を見るようにして、ガトがコト切れた。
「ココが、コヤツらの拠点かね。
しかし、良く獣に襲われずに住まえるものだ。
む?
ああ、あの植物は、獣が嫌う香りを発したか。
自然に生えたか、植えたか知らぬが、アレにて獣が寄り付かぬのだな。
しかし、この洞窟に、まだ賊が潜んどるのか?
全て殲滅か。
面倒なことだ」
そう呟いたダリルさんは、面倒臭そうに洞窟へと。
いや、見失ったとか、全て倒したって切り上げれば良いのにな。
真面目なもんだ。




