表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
プロヴィデンス  作者: 藍
77/96

EP77 金とはなんで有るのか

錬成術とは作用、反作用だ、例えば火を起こしたい時、燃焼作用を可燃性のものに引火させる、可燃性のものはあくまで代償、その反作用は周辺の冷却作用に変わる、周りから熱を奪い去り、一点に集めることで成り立っている。


「二元性、数学的に言うなれば二項対立を学びましょう」


帳尻合わせ、予定調和なんだ、物質と反物質が対消滅し合うのと同じ理屈なんだ。


可燃性のものは導火線、エネルギーを転移のための器だ、現実に現象を繋ぎ止めるための再利用可能で世界に循環する財源で有る。


「だが錬金のように、核物理学的な知識があれば卑金属を純金に変換するような元素の操作など出来なくもありませんが非効率極まりない」


錬金みたいに、難しいものもある、あくまで現実のルールに従うものであり知識のない、あるいは認識外のものは扱えない。


そして錬成術において物理学、物理法則の細かく定められたルール下、計算式上に展開された現象を利用する、それが錬成術。


だが一変、デジタル物理学の発展、ホログラフィック原理の普及から錬成術を利用する人々の必須必需品はコンピュータ言語と記号論理学を知識であった。


コンピュータ言語体系だけだと計算ツール単体でしかないからだ、記号論理学と言う数学的に正しさを証明でき、複雑な推論が可能な知的な体系が有る事で本領を発揮する。


「固有結界だぁ?余りにも弱いねぇ、軽過ぎる、喰らいな」


チュインチュインチュイン!バァーン!その技の名は《素粒子分解パーティクルアンタングル》。


超弦理論に基づいた弦術・糸繰技術、もはや次元階層が違う領域の操作、元素を弦を振動させて、奏でることであらゆる元素と、理論上は可能だが自然生成は本来不可能な元素を化学式を組み上げてその式を用いて扱ったり出来る。


かつて弦理論と呼ばれたその仮説は、超対称性という翼を得て超弦理論へと進化を遂げた、さらに5つの超弦理論を11次元の地平で統合したM理論へと至っている、これら、多次元宇宙の真理を解き明かす一連の系譜は、総称してひも理論グループと呼ばれているんだが、そのヒモ理論グループ全体を弦術の至高に達したことでお婆ちゃんはこの世を旅だったのだ。


パリィン!


「ウギャア!?」


、、、。


以前アンナが話しかけていた事。


「お婆ちゃん、実は固有結界を極める前に、錬成術士の始まりに立ったんです」


「はぁ?固有結界とかも分からないし、名前だけで推測するがあの雪国が今まで余り知られたり、見えたりしてなかったのはそれが理由?」


コクリ、アンナは頷く。


「まず固有結界とは、公理と論理学の知識が必要なものです、次にお婆ちゃんは公理ルールつまりは理から一段外れたんです」


「はぁ、なるほど、、、いやなるほどってのもあれだけど、それで?」


「たった一つ、弦術、ただそれだけを鍛え続けた末、正しくそれは至りました、気功、霊気操法、呪術、物情操法、無自覚にその指は最適解を取り、扱い、肉体を超えました」


「、、、この世を去ったって死とか生とかじゃなくて、超越したってこと?」


「はい」


「、、、はぁ、それで?」


「今呼べば多分来てくれます」


「、、、ふ、ははは!冗談だろ流石に、もう分か」

「お婆ちゃ〜ん」


ブィン!輪を描くように線がグルグルとした穴が開く。


「呼んだかい?今あんたに頼まれてた事をやっとったよ」


「あ、あぁぁぁ」


バタン、宏樹先輩、情報過多でそのまま倒れてしまう。


「どうだった!大丈夫?」


「基礎の基礎とは言え錬成術師の端くれ、固有結界の領域はとっくに過ぎ去ったわい、なんかありとあらゆる有り得た可能性に伸し掛かる数学的に記述可能な、矛盾のないあらゆる構造の総体を保有してるとでも呼ぶべき大規模な固有結界を展開してわしを追い詰めようとしとったが無理じゃわい、わしからしたらあの程度のものは形而下の下衆、何人集まろうが錬成術師には勝てないわい」


、、、。


大規模結界、所謂世界同士を保護する膜のような、世界の壁、所謂ワールドボーダー的な隠蔽する為の不可視の境界線が存在している。


秘匿の秘境までは行けない、ボーダラインまで辿り着けなくて気づいたら霧に惑わされてしまうからだ、それに認識も難しい。


このような場所以外にも地球上には限定された人物のみキーを持つことを許されるゲート、ポータル的な門が有る。


量子力学の多世界解釈とでも呼ぶべきもの、type3マルチバースと呼ばれている構造がこの地球上にて折り重なり続け合い、無限に存在しててそれらを融合しないで分化・区別しているのだ。


ばあちゃんはキーを入手している。


「同一の法則性に従った固有結界と論理学的な無矛盾として異なる無限の法則性の固有結界、ワシからしちまえば皆んなおんなじだよ、じゃがなぁアンナ、これは覚えておきなさい」


「?」


「人によっちゃあ独自の手法から発展させた固有結界があるんじゃ、2、3個と別世界の地球を渡り歩いて分かったことがあるんじゃ、世界線を跨いで他の地球の側面を観測すると不可能な世界、理論上は可能とかって話ではなくて論理的に不可能な様相を持つ地平線があるでのぉ、錬成術師が構築したんじゃろうてものをのぉ」


「どんなものなの?」


「燃えながら凍っている炎みたいな本来なら矛盾する筈の状態や不可能なものが常識的に持続存在可能な場所とでも言うべきじゃろうか、その内部には一般的には最高位の固有結界、絶対にゲーム内の手段だけでは到達できない次元の巨大さを持ち、ゲームのプログラム(ZFCの公理)を書き換えない限り、画面上には現れない、そんな特徴を持つ固有結界すら軽々と内包、到達し」


「内部には冷熱を操る厨二病が居ったぞ」


「、、、厨二病!?」


物理的に不可能な絶対零度以下の非熱力学的な特殊量子力学系の負の絶対零度、エネルギーに上限がある特殊な系(例:磁場中のスピンなど)では、無限にエネルギーを注入し続けると、温度の定義が正の無限大を突き抜けてマイナスの領域にジャンプするがそいつじゃない、論理的に存在しない無限の冷、物理学的には不可能でも数学では可能なのだ。


そう、数学的領域の無限の冷凍を操る、特異点化するレベル、無限の熱という大規模なビックバンを引き起こす、数学的領域に干渉できれば物理法則の崩壊を意図して扱える、温度操作を極めて冷凍と灼熱の二元性を制御せしもの。


右半身に炎(熱エネルギー)、左半身に氷(冷気エネルギー)を宿し、本来、これら相反する力は互いを打ち消し合い、肉体を崩壊させますが、ギルはこれを完全に制御・調和させている。


「奴は錬成術師の被造物じゃったから、楽勝じゃったわい」


錬成術を基礎として誓約と成る秩序(理)を形成、次に制約、ある条件や枠組みを設けて、自由な活動や物事の成立を抑え付けること、またはその制限や条件そのものを指す、この制限そしてルールでより具象化する。


そこには物事を成すために必要な代償を払う必要が有る、木のような火を燃やすには可燃性のもの(代償)ライターのような火を起こすもの(秩序)それが揃って火が起こせるように。


だが抽象的なら辺り一体を大量の資源を無駄にしながら放火するだけになる、そこをさらに細かく設定するのが誓約、制約、ルールで有る。


指向性、方向性を持たせる、より細かい条件を付け重ねる、放つ場所、放つ量、放つ温度、放つサイズ、兎に角繰り返し試行錯誤して効率化・最適化をする、錬成術式とは簡単に言えばこれらだ、複雑と思うかもしれないけど非常に単純で有る。


“現象を出力する媒体”心理から発生する抽象的なものを具体的な物理に成して肉付けしていく、ただこれだけ、数学から物理に流用するだけ、やろうと思えばあらゆる数学的構造を流出する一即多、多即一を造作も無く被造物として産み出すことができる、それが錬成術。


「お婆ちゃん、やっぱりすごいね」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ