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プロヴィデンス  作者: 藍
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EP14 死を克服する肉体

「一度の人生を守るのは己自身だ、皆既に経験済みだろう閻魔冥行により、皆は死を克服している」


即身の者、閻魔エンマ冥行みょうぎょう一日にまで圧縮された万日無間地獄修行、それを筋肉の超回復+筋肉記憶マッスルメモリーすることで完成する完全体に至るトレーニングだ。


「死んだって死なない、動かない筈なのに動く、死後深いき執念、未練、闘争本能、様々な強く深い意志、思想で死にながらも動く状態、仁王往生、その状態で活法を自身に放ち、停止した心の臓を動かせば蘇生すら出来る」


完全無識(無我)の状態に身体を動作させると言うことを更に発展して行う絶技・魔技・神業などさまざまな呼びようがあろう技術の境地の域だ。


「当たり前にこれが出来なきゃならない」


評議委員会層(Professional killer)暗殺組織シャラカル上層部の屋外屋、否、天外天が如しアートレベルの世界、この領域では、偶々揃っちまった、進化論の血統至上主義を崩壊させちまう様な次元を超越した奇跡の産物、ありとあらゆる他の追随を許さぬ真なる怪物達が当たり前に成る。


完全を超えた先、もはや言い表すに偉大としか形容がない肉体を持ってて初めて評議委員会層、略してPKに辿り着ける、ちなみにだがPKは殺陣連盟本部所属の超一流に対等に渡り合える位に強い完成された素性の持ち主だけしか居ない。


偉大な肉体とは、どんな劣等・下等な欠点を持たず、障害、試練を跳ね除けてしまう、正しく神格に等しい肉身のことだ。


凪之仁陣リードザルーム真名八門遁甲はちもんとんこう、また奇門遁甲きもんとんこうという古代中国の占術における最も重要な構成要素たる体系は、今当たり前に成りつつある」


占術の八門遁甲、占術としての八門遁甲は、方位の吉凶を判断するために用いられます。元々は奇門遁甲と同義で使われることもあります。


八門の種類と吉凶、遁甲盤上には、以下の8つの門があり、それぞれに異なる気、吉凶の象意が備わっています。


吉門(大吉・中吉)、休門きゅうもん生門せいもん開門かいもん景門けいもん


凶門:傷門しょうもん杜門ともん驚門きょうもん死門しもん


これらの門が、引っ越しや旅行、交渉事などの目的に対して、どの方角に位置しているかを占います、例えば、生門」を見つけ出して窮地を乗り切る、といった使われ方をします。


「あらゆる方角、角度つまりゃ方角へと、更に些細に小さな3軸、縦横高さの対応・制圧領域、射程レンジ、そして空間の掌握を経て我々は”完全なCQCの間合い”を得た」


「まだ角を埋めただけで武は洗練に値しない、我々を極めてくだされ、お師匠様」


「あぁ、癖にしていく作業をして行かなければな、趣味やら性癖を目覚めてるならソレと同じく自覚の行動が必要に成る」


気性気だて、気性(きしょう)、心理学で、一般的な感情傾向から見た、個人の性質。


「表に人格、殻に篭るは性格、そのまた白身の中の黄身は気質だ」


気質ってのは、気性と気質と気風は殆どおんなじ意味であり、その身分・職業などに特有な、気風、気風ってのは特に、ある集団が共通に持っている気質、性格、気質は先天的にもっている刺激などに反応する行動特性、性格と同一視されやすいが、性格は気質から作られる各個体の行動や意欲の傾向である、なお、この気質はヒポクラテスの古代ギリシア医学における四体液説に由来する、性格特性。


「それには尊厳やプライド、意識しない部分が重要になる」


尊厳、人間として持つべき普遍的で犯しがたい価値や気高さ、プライドは、他人からの評価を気にする、あるいは高慢になりがちな、より個人的な誇りのことで、尊厳は内面的な人間らしさの尊重を、プライドは外面的な評価や他者との比較に基づく感情を重視する傾向がある。


「武はただ理性が利かない、制御から離れて暴走、頭の指令室オーダーたる理性が覚醒して暴走を止めるだけじゃない、現代の如く、秩序だ」


社会生活を保つ秩序、礼節を弁えて、また重んじる、払うべき人に敬意を送り、礼儀を尽くされた、御礼を返して貸を造らず、そして一般的に見出しを整えて清潔感、衛生面に気を使い嫌悪感を抱かせず、当たり前の行動、マナーを守り不快、不愉快にさせない、それこそが礼儀作法と流儀に則っとって郷に入っては郷に従えだ。


新しい土地や集団に入ったら、その場の習慣やルールに合わせて行動するべきを実直にこなして、馴染み、生きて、適切な行動を適切な状況、適切な場合、適切な行動をする、言わば最適解で答えるとはこのことだ。


相手を尊重する気持ちを持ち表面的な形だけでなく、相手への敬意や思いやりの心を持つことが基本、適切なマナーや作法に従い、あいさつ、言葉遣い(敬語)、態度、身だしなみなど、社会的なルールに基づいた行動を取り、時と場に応じた行動を選択して、自分の立場やその場の状況を考慮し、出過ぎた真似をせず、適切な言動を選ぶことがいわゆる空気を読むことにも繋がる、そして感情や欲望をコントロールすることだ、自分の感情に任せて行動せず、節度を持って振る舞まう、これが常識的な生活の秩序と成る。


「躊躇も自費も介在しない、ただ当たり前に、ぞれがごく普通の常識で有るかのように、錯覚させる、習慣ルーティンにすると言う意識を介在しない部分に刻み、いつでも当たり前を当たり前として行える様にする、記号シンボル、一般的なものだと手印、詠唱などがある」


シンボルにはキッカケを有する、関連する要素から特定の情報を想起させる、例えばイメージカラー、それと形だが具体的に言うと具象じゃなくてはならないことだ。


象徴の追随、無意識を意識が捉え、そして意識下に在りながら本質の無意識的なその非常識的、概念的に分類される様なその領域の境地を、拳に、足に付着させて、結果を出力する、機械的に経験を完全再現する。


「現在に向かい暗号化されたりして来たが何故だと思う」


「簡単な話だ、他者の術式の行使を停止するためだ」


「その通りだ、故に暗号化だけじゃく解析学も盛んだ、それは後で、その本質を言おう」


「これは無意識に動作を行う癖(結果の出力)、に持ち込むまでのものだ、礼節、感謝を重んじる理性的な癖のもの、音楽まぁより芸能寄りの伝統的なものと経験が蓄積されたものに現れるものだ」


「音楽ですか、確かJLにはそのような学習があるんだとか」


「無意識下に行ってしまう、癖化はそう言うノリのような抽象化が必要なんだろうね、意識のない状態でも何か行えるリビドー(本能)、生まれついての衝動性に任せる無意識と他に効率的に作業するタイプ、もう一つは感情任せのがある、分類するなら覚醒型と暴走型」


「音楽学習がその両立なのでは、静的運動ってのはまぁ連続的なものを分割して考えてるだけだがまぁ、芸能、舞なんかがソレ、見せる情報、印象を与える、歌もそうだ」


「特訓してコントロール可能なんですか?」


「結論としてはYESと回答させて貰おうか、覚えている事を癖として行う、空手家が無意識に正拳突きを放つが如く、意識が朦朧としたまま総合の格闘家が審判に技をかけるが如く、寝言を呟くが如く、兎に角意識しないで行うくらい繰り返す作業が居るな」


「だが繰り返しして魂に刻まれるほどに内的印象を高めるにはソレはもうトラウマに成るほどの強い記憶とか、殺法と活法で効率的に死にながら生きるとかソレくらいですよ」


「偉大な指針はそれこそ我らで魂にこびり付く程の綺麗な刻印をするには天外天の更に天外に行き、機能美デザインを追求、効率化する他無しだな」


シュイーン、自動開閉式の暗証番号が必要な、従来の鋼鉄の約5倍、1.470MPaの強度を持つ超高張力鋼板スーパーハイテン製のドアが開く。


「おいオメェら、まだそのレベルなのか?」


「評議会の間に自由に出入りできてこの場に来ていなかった者、宇木だな」


宇木はその実力だけで評議会入りしている。


「まさか、そのレベルに停滞してるのか?落ちたものだな」


「舐めおってからに、ふぉっふぉっふぉ」


「貴様、まさか更に上にいるのか」


瞬間宇木が語る。


「お前たちが全身全霊を出そうが倒せない漢が、こうして現在進行形いま、お前たちの目の前に立ってやっているじゃないか」


皆がそいつを前に憤る、嫉妬する、無視するでなく、その純然たる事実をひしひしと伝える威圧感オーラがそれを非物理的ながらその理論上いや空論とも断罪し難いその線上を証明していた。


瞬間部屋全体に振動迸る、外にいた護衛者達は耳にした。


「ぬぉ!?確かこの部屋は情報の漏洩を防ぐためにほぼ完全防音の材質を使ってある筈!米国で開発された消音防壁サイレンターを!」


その声に籠るは、魂の叫びであった、心の奥底から湧き出る抑えきれない強い感情を音に乗せて声量には顕著に表れていた。


「ふう、知っていますか?鬨声ウォークライを」


「オリンピックで見たぞ、ハカってやつか」


「えぇ、確かにソレもあります、スポーツ・民族舞踊としてのウォークライは、意味として鬨の声、叫び、それに伴う踊り。英語のwar cry、戦いの叫びが原義だ、これは相手を威嚇したり、自らの士気を高めたりする目的で行われます」


「そうしてコレ筈戦士の雄叫びとしても意味を持つ」


士気を向上させたり一定時間だがアドレナリンの分泌促進と身体能力の一時的向上させる目的でもあってと言う、大きな声を出すことや、戦いの興奮状態は、体内でアドレナリンやノルアドレナリンといったホルモンの分泌を促進させます、これらのホルモンは、心拍数や血圧を上昇させ、痛覚を一時的に麻痺させることで、筋力や反応速度など身体能力を一時的に向上させる効果があります。これは現代で言うところの火事場の馬鹿力のように、脳が通常時にかけているリミッターを一時的に緩和または解除する効果に近いと言えます。


「皆さん、気合いを入れてください、今から巻き起こるのは大災害と変わりませんから、この壁の性質、ドアの材質を加味してとことん加減して発しましょう」


すー、部屋の酸素濃度が著しく低下する、だがしかし皆ヨガの呼吸を無意識的にしている、当然気絶などする訳もなく。


瞬間、音が爆ぜる。


「ハァァァ⤵︎!!!」


大咆哮により発生する大轟音波、風圧による吹き飛ばしと低周音波(振動)により不快感、圧迫感、頭痛、イライラ、不眠、動悸などの心身の不調を引き起こさせる。


「ハァァァ⤴︎!!!」


次は超音波を発生させて脳を活性化させたり、心身のリラックス効果やストレス軽減、自律神経を整えるといった健康効果をもたらすハイパーソニック・エフェクトという現象を引き出す。


「鼓膜が破れてないのに脳が揺れたぞい、もはや災害だな、お前さんなら殆どの周波数に対応して振動を出せる、それ故に共振させて対象の物体を破壊するなど容易く出来るだろうに加減しおって」


壁が壊れかけ音圧であの壁は歪んだ、至近距離に居て肉体の原型を保っているだけで彼ら評議会入りしている者達の必然的な実力が伺える。


姿勢制御していた奴らは耐えれていたが、音の波、圧力により、急激な減速による甚大な、正しく致命的な200G以上の(重力加速度的)衝撃を受けていた、入りたてのやつは全適性があったとて慣れは持たず、ホワイトアウトしていた、そこを耐えた奴も一時的な話、脳震盪により更には光を受けれない、真っ暗にブラックアウトすらする。


「あ、か」


「ジジィ、いや評議長田村、あんただけかい」


「ふぉっふぉっふぉっ、だってワシこいつらより強いし」


「赤子ってのは、無垢で無力なもので、誰かに支えられて、発達して親の背中を見て育つものだ、お前は脆弱雑魚こいつらを育ててやらないのか?」


「将来に向けての話じゃよ、未来を見据えればこ奴らを自律的に発達させたいんじゃ」


「はぁ、だがしかしもう分かってるだろ、魂の振動、こいつらの脳みそのシナプスは増えるだろう、今の絶望的な経験、戦いでも食事ですらもない、傲慢と形容するでも無きままにある蹂躙、砂利粒とチャリンコに乗った砂利道の通行人程に離れた差をただの声量だけが成立させている」


「情けないな」


「ジジィ、貴様に問おう」


ソレは手加減した強者のゴリラのパンチが人間の全力パンチより遥かに強いように、弱者が積み上げた歴史が必然的にアポトーシスしてしまうが如く。


「魂の揺籠から赤子は堕ちちまったようだぞジジィ、びびって泣いて逃げちまった、持ってして生まれたのに、だ、崇高な精神性を持たず、我儘を突き通すでもなく、あくまで宝の持ち腐れ、卵から変えるでなく黄身のまろみ出た卵液だな」


「ならば君は卵から帰った雛、否、鶏、更に否、闘鶏だと?」


「ふん、貴様に推し測れる訳もなく」


瞬間途轍もない威圧感が部屋を包む、部屋の外の警備員は皆。


「、、、」


気絶していた、ハムスターが猛獣に遭ったら防御本能により仮死状態に成るが如し、死に痛みを感じたくないと言わぬも分かる生理反応を、引き起こしていた。


「なぁジジィよ、気付くわけもなくしっておるだろう、私が洗練せし闘争の意志力、闘気を、予想だにしなかっただろう、まだまだ引き算、クールダウンしてるってことを」


「戦国時代にも居なかったぞ、これほどの恐怖いや絶望感は」


宇木は自らを鎖を貸し、弱体化(デバフ)をしていた、自身が相手をとことん甘やかして、まるで飴玉を舐めてるに等しいほどに甘やかしていた。


チャンスを与えて続けていた、肉体のすべての位置をバラバラに無作為にズラしての筋出力を極度に抑制していた。


関節の可動域も殆ど制限されていた、すべての技を禁止した、ホルモンバランスを最低として調子を狂いに狂わせ、神経伝達速度を最低レベルまで低下、脳神経回路の殆どを休止していた。


これらを自らの意思で実行して己の肉体性能を任意のレベルまで弱体化させていた、まごうこと無き舐めたプレイ、セルフスーパーハードモードだ、だがしかしソレでも尚。


「いく時期振り返り生まれて今や300と2年ちょっと生きた、今までに類を見ぬ超人が」


たったチョコっと漏れ出した威圧感ですら。


「くそったれ、が」


あのジジィが、化け物ジジィが意識を失い闘争本能すら歪曲してしまうほど捻られ、刻まれ、恐怖を覚え込ませ、経験値を染み込ませたのだ。


「嗜好品、完成したものだからその円環は留まり過去で有りながら好まれて、愛着を持たれて、完成して、形骸化しない不朽の事物と化して居る、だがその綺麗な装飾に形どられたツボにタンスが人に与える歴史的な情報の教授はもはや擬似的な具象化された原型からの投影に相似するほどだ」


「おきろ」


途轍もない気迫から発せられた言霊に皆揺るがされ起き上がる。


「流されない、俺は俺だ、何者にも変え難い存在なのだ、ジジィ及び赤子達よ、その魂に狂気と恐怖により指針を揃えろ、狂気とは理性の外にすら働く強い精神的な刺激を受けて動作するもの、崩壊でなく適応に移るための努力だ」


「我ノ眼前背後頭上へ至ルマデ、全位凶方ナリ」


「うぉぉぉ!」


どれだけヒートアップしたとて。


「組まずして、ヨリは掴まずして、もはや触れる、接触と言う行為、摩擦が生じるその時点で、摩擦で投げると言う人間の柔道の神業、当て投げが」


「投げられない!?」


それだけではない、武器術では。


「うん?指や指先などではなく、爪を使った有効射程距離の更なる拡張か、良い握力してる」


剣域の増長など、小さな工夫、だがしかし致命的なものまで。


「粛々と、大袈裟に言うまでもなく行う、運でも環境でもなく必然の道理にあった、形式フォーマットや比喩の意図による結びつけ、正しく科学的に証明された学術的な根拠を持った人間の神業を当たり前にする」


それだけでなく。


「はい」


バゴーン!理を掴み極めたとて、支点・力点・作用点を利用する小を大に昇格させる梃子、相手の力と気の利用、環境利用の次元に居ない。


「勁道の終極に辿り着きし者、悪魔の契約書を渡される程に完成して余剰な力を必要としない最大効率の連動だってこうはならないだろ!?」


「なってるやろがい!」


どのように行動するかと言うプロセスの効率化、次に、選んだタスクをこなす際の手順を最適化するもの、もはやパソコンのような機械的な再現の話しになっている。


習慣化と自動化、意志の力や体力を使わなくてもできるように、ルーチンワークを習慣化したり、テクノロジー(アプリ、AI、機械)を使って自動化する。


適切なツールを使う、手作業でできることも、効率の良いツールやソフトウェアを使えば労力は劇的に減る。


動作経済の原則、物理的な動きにおいても、無駄な動き(遠回り、不必要な姿勢の変更など)をなくし、最短距離で目的を達成する動作を追求する(これは勁道の身体操作に通じます)。


もはやこれだ。


「君の力の流れに僕の体重を完全に乗せる、完成された梃子のものだけではない、環境の利用、肉体の最大の弱点の一番鋭く通る相性の一撃を的確に判断して放つ、時間的要素タイミングの調整などもの、心理的要素つまり感情の利用」


それは人間には出来ない力の増幅。


「今はしてないし寧ろ手加減してるが、万全なコンディション、道具・装備の最適化して自身に合った道具や装備の選択と手入れ、使用、適切な装備は、発揮できるポテンシャルを底上げする、更には事前の準備そなえ、知識・情報の利用、相手の戦術の利用」


そんなもの人に出来てはならない。


終局の発勁、最大の力と気の増幅要因は、これらすべての要素をまとめると、究極的な力の増幅要因は、状況全体を俯瞰し、利用可能なあらゆるリソース(物理的、時間的、心理的、人的、制度的)を最適に組み合わせる戦略的な知性であると言えよう。


これは、単なるパワーゲームではなく、いかに賢く立ち回り、無駄なエネルギー消費をなくすかという、勁道の精神にも通じる、極めて高度な運用思想です。


「究極の化勁」


バゴーン!攻撃した筈のもの達に、その技が返っていく、単にパワーが返還されるではない、投げ技を撃てば自分が投げられる、殴りならそりゃ殴りのパワーが、関節を決めたなら自身の完全に拘束を決めた筈の関節は、締められた筋肉として自身が金縛にあったが如く動けなくなるだろう、逃げ道を無くした寝技を掛けようものなら自身の逃走経路を無くすに等しい無防と化すだろう。


「蹴りも無駄、投げも、締めも、極めも、果てはすべての細分な、肉体が触れて行える格闘では、俺に辿り着くなど到底叶う筈無し、本物はこうやる」


瞬間気を乗せる、音速を遥かに超え、肉体全身の連動、手加減してるからわざわざ動作が居るソレをこなし、鞭の先端より速く加速し、そして。


「しゅ」


パン!空気をぶっ飛ばすパンチを。


「せい」


「うを!?」


回転を加えた回旋する超音速は、自身を投げる竜巻と化し、人など軽く地に叩き付ける、摩擦投げですら地に叩きつけれどれだけ衝撃をクッションする畳すら無意味に亡くす無慈悲な投げを遠隔に行う。


「踏ん張れ!う、うわぁ!」


ノックバック、宙を舞いざる負えない、踏張フミハリ、衝撃波動を受けてから自身をその波に呑まれず、後退しないようにする筋肉の弛緩と収縮、足底の配置、重心や体軸の制御など組み合わさり完成するものだ。


得意の延長でも特技、固有技でもない、通常攻撃ですらそれは如何なる生き物をも凌駕するほどに、強烈。


タダじゃあ置かないなんてほざくことも、膠着状態に持ち込むことも、放置することも出来ない。


「手心を加えられた、まだまだ手加減する余裕がありやがる」


戦う、それだけで術中に嵌まりに言ってるに等しい、奴(宇木)からしたら評議会の連中を相手取っても肩慣らしにすらならないようだった。


「あぁ〜つまんない、こいつらは何故素性に縛られていないと言っても差し支えない、すべてに適性を持ちその成長力に肉体的な制約が無く技量を高めれば良いだけなのにこの体たらくなんだ?」


「さぁ分からないわ」


「お前何遅れて来てんだよ」


「五月蝿いわね、用事よ馬鹿!」


「馬鹿だと水戸香織!」


破滅の彗星である。


「なんでフルネーム、それより最近どうなんだ貴様、聞くところによると役不足な場所で戦ってるんだろ」


「あぁ、新人の育成と言う名目でな、実際は自分の技量をしっかり固めてると言う感じでもある、とにかく遠謀深慮なのだよ」


「自分で遠謀深慮ってナルシストかよ、んでそんな天才さんはこの状況どう説明してくれんだ」


「雑魚が悪い以上証明終了」


「納得」

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