神話の記録
この世に放浪の神がやってきたとき、神は一日目に世界を創った。
二日目に宇宙を創り、三日目に生命の大地を創り、四日目に大地に種を植え、五日目に種を育て、六日目に自分の分身を大地に放った。
そして七日目に自らを「神王」と名乗り、「欲」という玉座に座った。
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やがて長い、神の寿命が尽きようとする程長い時間が経った頃、欲に溺れた神王は、死の間際に、欲に曇った目が覚めた。
そして自らが創った世界を「視た」。
「なんと世界は美しい。だが、この世界は私の命と一心同体、私が消えればまたこの世も消え去ってしまう。」
神は世界を維持するために方法を探し、見つけた。
そして過去に世に放った分身達を呼び寄せると、自らの力を集約させた大部分の塊を渡し、分身達に世界を維持させようとした、が。
力を渡す途中で神は倒れ、神の力の半分程は空に散った。
これでは世界を維持できないと考えた五体の分身は、自分達以外に、世界に散った神の力を吸収して誕生する者を作り出すシステムを考えた。
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これが神の時代の終わりであった。
後に、この世界に散ったこの力を人々は魔力と呼んだ。
人々は五体の分身を「人王」「獣王」「精霊王」「鉄王」「竜王」と呼び敬い、過去に神の力を受け継ぎ産まれた者をそれぞれ「勇者王」「英雄王」「奇王」「破壊王」「魔王」と呼んだ。
世界は王種の加護に包まれ、王種は子孫を見守りながらも未だに生きていると言われている。
__ 「愚王」が記す。