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嵐 11

短めです:(´◦ω◦`):


すこしお酒の描写があります。

レミニアリスが姿を見せると、大広間に集まった貴族たちは拍手で迎えた。大半の者が言祝ぎながらである。勿論、大広間の隅には不機嫌そうな者もいる。


レミニアリスとルベルトはそんな大広間をゆっくりと歩いた。一段高くなった上座には、皇帝《ちち》と皇后《はは》がグラスを片手に泰然と座っている。その姿は絵画のように美しい。


「フラヴィス侯爵、本日は招いて頂いてありがとうございます」


レミニアリスが侯爵の前で挨拶をすると、フラヴィス侯爵は眩しいものを見るように目を細めた。


「皇女殿下にお越しいただいて老骨めは嬉しゅうございますよ。殿下のお美しさはやはりご両親譲りですなぁ」


祖父の代から帝国に仕えるフラヴィス侯爵は父の信頼篤い人物で、レミニアリスのことも可愛がってくれている。無論、孫娘のロゼラインには甘い。


「お上手ですわ、侯爵」


ルベルトは見てきたレミニアリスと違うことに表情が固まっている。…レミニアリスだって一応は帝国の第一皇女だ。相応の教育も受けてきたし、このような夜会での自分の立場をわからぬ子供ではない。


「ゆるりとお楽しみくだされ、殿下。……今度はなんだ?おお、ラスカリア伯爵」


別の参加者に挨拶をされて、侯爵はそちらの方へ向かってしまった。ルベルトを見ると、何やら険しい表情でミュリリアンヌらを見つめている。


「王太子殿下…?どうかなさいましたか?」


そこにはアズヴェルト伯爵一派がグラスに入ったワインを酌み交わしていた。ルベルトは視線をレミニアリスに戻すと、給仕の小姓を呼び止めて二人分のグラスを受けとる。


「……なんでもない。ほら、飲もう」


さっとノエルがレミニアリスの好きな葡萄酒《もの》をグラスに注いだ。夜会で振る舞われる飲み物にはあまりアルコールが含まれていないのが普通だ。未成年の参加者も多く、酔って騒ぎを起こされれば後々面倒になるのだ。レミニアリスはグラスの氷をカラン、と鳴らす。


「……お姉様やアズヴェルト伯爵が何かするとすれば今、ですね」


グラスを煽ると、半分ほどがレミニアリスの喉を通る。ひんやりとした葡萄酒は頭をも冷やした。


「手は打ってある。……皇太子殿下と何時《いつ》でも連絡《コンタクト》が取れるように手配した」


「兄様と…?いつそんなことを」


「ここに来る前だ。俺が来ることをほとんど予測されてたみたいだけどな…。無防備でわざわざ夜会は開かない、出る杭は打たれる…だそうだ」


「……私は出る杭ですか」


出る杭は打たれる、と警告したのはロゼラインだったか。あのインケン兄様はきっとロゼラインの言葉を聞いて夜会《コレ》を思いついたに違いない。兄ならば父に直接奏上することも可能だ。


「……という訳で俺達はとにかく楽しめ、言われているんだ。……踊っていただけるか、我が婚約者殿?」


「喜んで、王太子殿下」


目立つように、2人は手を取り合って広間の中心へ進んだ。


読んでくださってありがとうございます!


また3月に試験があるので、それまで更新はストップします。ご了承下さい。




『バッドエンドのその先で』という連載を始めたので、そちらも読んでいただければ幸いです…!こちらとはまったく趣が異なりますが…汗))) 2月10日までに4話まで投稿する予定です。


※誤字を訂正しました(2月8日、2月9日)


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