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171 「若さがない」を笑い飛ばす7
語り継ぐことの難しさに想いを馳せたところで、話を戻そう。
巨人の肩に乗れ。
ここでの巨人とは、特定の個人、ソイツを指す言葉ではない。
たしかに偉業をなした偉人、代表者はいるのだろう。しかし、それを多くの人が語り継ぎ、不要を削ぎ落とし、現代の言葉に翻訳しつづけ、洗練に洗練を重ねた。そうやって、君のところまで届いたということ。時代を超えたつながり、歴史の潮流とでも呼ぶべき、その数多くの人の流れこそが巨人なんだ。その先端、巨人の肩の上に、いま君が立っている。
もらったものを、きちんと受け取ればそれでいい。
次の人たちに、ちょっとだけ利子をつけて渡してやろう。
あとはまぁ、できれば負債は遺したくない。なあんて、ね。
たったそれだけのことを、曲解して人々から『余裕』を失わせるために使うというのは、さすがに論外というものだ。真に受けて馬鹿をみるのもつまらないだろう?