152 「幸運がない」を笑い飛ばす12
どうしてこうなるのか?
現代人は多忙である。
そして、スマホへの依存もひどく、気をとられている。時間的・精神的『余裕』が足りていないわけだ。
表情が硬い。
気もそぞろだから、なんと言えばいいのか迷う。「おはよう」が、ぱっと出てこない。
仲間が突然現れたように見えて、内心びくつく。すぐ反応できない。
一人暮らし世帯も増えているし、家族がいても生活リズムがあわず、仲間とのあいさつが本日の第一声、なんてこともザラにある。つまり、声がとっさに出ない。
すれ違うまでの3秒では、とてもあいさつなんてできやしない。
果たして、この悪条件が重なるなか、本当にあいさつは簡単と言えるだろうか?
理想的な朝のあいさつを考えてみよう。
朝、いい時間に目が覚める。ちょっとやりたいこともあったけど、夕べは早々に寝てしまった。湯を沸かしつつ、お手洗いへ。小用を済ませ、鏡の前で手を洗う。
うーん、ちょっと表情が硬いかな? かるく表情筋を動かしておく。よし、OK。
朝食を食べて、家を出る。
「いってきます」これが本日の第一声。
そして、学校なり会社なりに出てくる。顔をあげて歩く。
これぐらいの時間に、いつも仲間も出てきてるんだよな。
あの曲がり角から出てくるかもしれない。もし出てきたら、こちらから「おはよう」って声をかけよう。
そして、予想どおりに仲間が出てくる。3秒もあればやわらかな笑顔を浮かべるなんて簡単だ。
「おはよう!」
気持ちのいいあいさつができる。
さあ、今日も一日を始めようか。
――という日々を10日も繰り返せば、あいさつ得意人間の完成です。