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記述主義者がペンを捨てるまで。  作者: ほんの未来
第7章:記述主義者と努力嫌いのための努力論。
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144 「幸運がない」を笑い飛ばす4

 評価(カネ)について。

 ほとんどの人にとって、これは不足しがちだ。過剰であることはそうそうない。

 SNSの発達により、集約点(ハブ)となるインフルエンサーと、一般大多数、「いいね」をもらえる数は相当に違うはずだ。

 もし君が1日に10回「いいね」ボタンを押したとしよう。皆も平均で同じぐらいだとして、毎日SNS総人口の10倍の「いいね」が生まれるわけだ。

 では、君はどれだけ「いいね」をもらえるだろう? 期待値は「いいね」を1日10回のはずなんだけれど、実際どうか。

 もし君が著名人やインフルエンサーではないとして。もし「いいね」を10回もらえるのなら、おそらくSNS中毒者が身近に10人いるということだ。それはそれで怖い。そうでないなら、10回も「いいね」がつかないし、たとえ0回であってもそれは普通のことだ。たぶん中央値(まんなか順位の人)は0~2回ぐらいじゃないだろうか?

 また、少子高齢化や晩婚化の影響もある。恋人や夫婦、家族関係。円満なものであればという条件はつくが、お互いに尊重しあい、評価しあう関係性だ。

 そういうものが最近とみに減っているというのは、なかなかに恐ろしいね。

 また、評価(カネ)を求める例として、転職やスキマバイトも考えられる。転職者の人数はながらく横ばいだが、転職希望者は明らかに増加している。転職サイトやアプリなどが普及し、転職を(あお)る。政府もリスキリングを後押しする。この様子なら、実際に転職する人も増えていくんでしょう。まぁたぶん? 知らんけど。

 人間関係に家庭に仕事、どれもハードルは高く、ついつい現状維持を選びたくなるものばかりだ。興味深いのは、どれも渡り鳥のように遠くとつながろうとしている傾向があることだ。現状を拡大するのではなく、現状を切り替えることで解決をはかっているように見える。

 幸運の不足に対して、手軽さと試行回数でそれをおぎなうのは、じつに合理的な判断だ。ただし、妥協ラインを決めない、あるいは高すぎる理想を求める引き直しガチャはたいがい苦行になる。人生がかかっているなら、なおさらだ。

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