114 「自信がない」を笑い飛ばす
それじゃ、自信について考えてみようか。
自信。自分を信じられるか? という問いかけ。
まず、隣の芝生は青く感じられるものだ。
そもそも、自信があるってそんなに素晴らしいことだろうか?
世の中には2種類の人間がいる。
それは、自信のある人間と、自信のない人間だ。
……なんて、考えてしまっていないかな?
これはとても勘違いしやすいから、注意が必要だ。
じつは4種類の人間がいる。
その1、自信過剰型。根拠はないけど、自信がある人間。
その2、挫折経験型。根拠は分からないけど、自信がない人間。
その3、立ち直り型。根拠は分かっている、自信がない人間。
その4、自信復活型。根拠が分かっていて、自信がある人間。
この4種類だ。
そして、人はその1、2、3、4。順番に成長していく。
もし君が自信がないことを不安に感じているのなら、その2だね。
だとすれば……おめでとう。やっぱり君は素晴らしい。
何故なら、その1からその2に移り変わるのが一番難しいからだ。君はそこを乗り越えている。それはすごいことだ。
まずは肩の力を抜いて、ゆっくりと思い返してみよう。そして、この先をどう進んだらいいか考えてみよう。
大切なのは、あせらないこと。
一番やっちゃいけないのは、その3をスキップして、他者のその4をマネしようとすること。
立ち直れる根拠をはっきりさせないままに、結果だけ手に入れようとすると、いろいろと不都合があるんだ。
「理由」とは本人の頭の中にだけあるものだ。外からぱっと見ただけでは、その1とその4を区別できないんだよ。そして、その1から抜け出せないでいる人の方が圧倒的に多い。
君がマネしようとする自信がある人間は、おそらく、確率的にその1の他者だ。
そして、その2の君が、その1の他者から自信について学べることなんてない。
その1の他者が知らないことを、その2の君は知っているからだ。
学ぶのではなく、すでに知っていることを忘れる必要がある。不可能とは言わないが、あえて認知症になろうとするとか、肉体的・精神的に傷を負って運ゲーよろしく忘れることを祈るみたいなロクでもない話になる。無理だ、としておくのが安全だろう。