109 「適性がない」を笑い飛ばす5
しかしまぁ、いつも豊作とはいかないだろう。
いくら努力したところで、不作のときってのはある。
あるいは、いつも通りに収穫できたけど、もっと良くできないかな? なんて。
要するに、人はしょっちゅう行き詰まるんだ。
「適性がない」なんて呪いめいた言葉なんかで、まだ育てたことのない他の種子を無視しちゃっていいのかな?
ちょっとだけ、『余裕』をもつ。なに、どうせやれることはやり尽くした後だ、ちょっとぐらいサボったって構わないだろ?
今まで育てたことのない種子だって、たまには上手く育つかもしれない。
これまでになかった、別の育て方に気付くかもしれない。
そして、これまで育てていた品種と掛け合わさって、まだ見ぬ新しい収穫ができるかもしれない。
そう、「かもしれない」ばっかりだ。これはガチャだ。
そして、ガチャの攻略法を知ってるかな?
ガチャの胴元が自分であることと、当たるまで引くこと、そのふたつだ。
そのふたつの条件を、「きっかけ」ガチャは満たしている。
生きづらさを抱えたこの重苦しい時間を対価として、気晴らしに「きっかけ」ガチャを引けばいい。