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記述主義者がペンを捨てるまで。  作者: ほんの未来
第7章:記述主義者と努力嫌いのための努力論。
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97 「才能がない」を笑い飛ばす

 まずは、才能のなさだ。


 君には才能がない。

 なるほど、確かにそうかもしれないね。

 どうしても上手くいかないことがある。だから、才能がない。

 確かにそのとおりだ!


 君に「できる」ことは、「努力」だから、なんとかなる。

 君に「できない」ことは、「才能」だから、なんともならない。


 おや? でもこれって、なんかおかしくないか?

 この理屈で話を進めると、私も当然、才能がないことになる。

 それどころか、才能がある人間なんて、この世にいないことになるぞ?

 だって、全知全能の人間はいない。誰だってできないことはある。

 人間はだれもが努力家で、才能のある人間なんてそもそもどこにも存在しない。


 つまり、「できる」ことを「努力」、「できない」ことを「才能」と言い換えただけだ。

 しかし、これがなかなかにタチが悪い。

「できない」というのは現時点ではそうだ、というだけの話だ。

 しかし、「才能」は、まるでそれを一生背負っていかなきゃいけないニュアンスが付け加わっている。


 これは悪い使い方の例だけれど、このような手口を「言い換えの魔法」と呼ぶことにしよう。

 自分が納得していることを、似たような言葉に言い換える。すると、ほんのすこしだけ意味が変わる。けど、似たような言葉だからこそ、納得したままでいられるんだ。

 手頃な使用法として、なにげない否定的(ネガティブ)な口癖を、ちょっとだけ中立的(ニュートラル)よりなものに換えてしまうのはどうだろう? いきなり肯定的(ポジティブ)に振り切ってしまえば、心も身体も納得しない。それで上手くいっても、躁鬱(そううつ)(こじ)らせてしまうかも? あわてず、ゆっくりだ。かすかな納得のゆらぎが、ほどほど落ち着くのを気楽に待てばいい。肯定的(ポジティブ)も行きすぎればただの楽観、危険性(リスク)をみつけることができなくなるのも困りものだ。ちょうどいいところを、気長に探っていこう。

 もし、言い換えられる言葉が分からなかったら、「もとの言葉」+「言い換え」で検索すれば、だいたいなんとかなる。ついでに知ってる言葉も増やせる、便利な時代だね。

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