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記述主義者がペンを捨てるまで。  作者: ほんの未来
第7章:記述主義者と努力嫌いのための努力論。
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96 変わりたい、その前に2

 さて、真なる絶望について考えてみよう。

 たとえば。愛しい人の死なんてどうだろう?

 深い哀しみに包まれ、世界が終わってしまったかのような絶望感。

 でも、そうは言ってもだ。毎日毎日、お腹は空くし?

 慌ただしい日常が、背景(やみ)()けていく。

 気がつけば、大切な人がいない日々にも慣れてしまう。

 愛別離苦は、本物の絶望たりえない。

 だって君は、きっとまた前をむいて生きていけるだろ?

 それでは他になにがある? 前をむけなくなってしまう絶望ってなんだ?


 最たる絶望とは、次のようなものだ。


 ――変わりたい。

 そう心底願った瞬間に、どうしようもなく変われない、そんな自分がいることだ。


 そんな絶望に(とら)われてしまったら、もう君は一生うつむいて生きていくしかない。

 そうなれば、自力で立ち直ることはできない。

 そこから抜け出すためには、他者(ダレカ)にぶん殴ってもらうほかない。

 拳骨(ゲンコツ)によるものか、感動によるものかは分からない。

 それが嫌なら、予防しよう。変わる余地、『余裕(スラック)』をたえず残しておく。


 だから、「うごき」や「(かた)」を身につけるまえに、まずはストレッチだ。

 私たちを諦めさせる、カルトな教義(ドグマ)をケラケラ笑い飛ばすことにしよう。


   †

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