86 デッドエンド回避~事故を防ぐ4
不足パターンであれば、根深いものがありそうだね。根っこはおそらく、時間的『余裕』がないことだ。だからあせって、無意識で車間距離を詰めてしまう。精神的『余裕』も欠けてしまうわけだ。
これは星空のバイアスの典型だ。運転に気を取られて、運転以前に気付かない。運転が上手くならない原因が、運転自体にはないということ。これは、場合によっては運転が下手だとか、才能がないとかレッテル貼られてさらに落ち込んで、やる気を失う。でも仕事もろもろで車に乗らないわけにもいかないし、みたいに言い訳じみて運転する。上手くなろうという動機もなければ、上手くなれるという確信もない。だから、上手くならない。
宣伝と広告・前借り後払い・射幸心の煽動・中毒と依存症。いったい何が原因で『余裕』を失ったのかは分からない。しかし、無責任カードを突きつけ、きちんと『余裕』を確保したなら話は変わる。才能や適性がなかったのではなく、ただ『余裕』がなかっただけだ。
ボタンの掛け違いのように、『余裕』のなさが原因で運転的『余裕』を失い、それでトラブルが起きれば金銭的・人間関係的『余裕』も失っていく。このような負の連鎖になる前に、さっさと無責任カードを切って主導権を取り戻す。
『余裕』があれば、上達もするし、上達すれば負担は減り、『余裕』が生まれる。さらに上手くなってもいいし、他に手を出してみてもいい。そうすることで、空理空論は上手く機能する。
さて、交通事故を例にとってきたが、事故であればおおよそ、『余裕』を持つことで大きく減らすことはできそうだ。特に空間的・時間的・心理的『余裕』を持つことは大事だし、金銭的『余裕』があれば具体的な予防策がとりやすくなる。