81 人間関係をふわっと語ってみる5
さて、よく分からない人間関係について考えてみた。
心、それは関係性の集積地。
それは最も複雑で、強固に守られていて、その精緻さゆえに、ひどく脆い。
だというのに、世界は手加減してくれない。
怒鳴り声は既に過剰にあふれている。だというのに、もっと強く怒鳴りつければマシになるとでも思ってるのだろうか?
ひとり静かに静寂のなかで、君を想っていたい。それだけのことがかくも難しい。
さんざめく表通りは、騒がしすぎて適わない。思索の旅はいつも裏道を探してる。
筆者には、こんな小説が必要なんだ。君はどうかな?
大通りを1本外れた、浪漫あふれる隠れ家的喫茶店みたいな場所。たまたま居合わせた君と、なにげない会話を楽しみたい。
安心感と、ちょっとした非日常。雑踏と喧噪も聞こえない、内緒話にはぴったりさ。
本音で向き合うことさえ、自称警官に追われる世の中なんだから。緊急避難ならしゃーなしだよね。
踏みつけられた胸の痛み、「イキるな餓鬼が」の残響だって遠い昔。
生きてやったぜ、ざまぁみろ――そんな徒然な日々を書きつらねる。
抱え込んで、うつむいて。そんな日常にさよならを。
今ぐらいは荷を下ろそう。しゃんと背筋は伸びているかな? 顰めっ面はゆるんだかな? うわずった声はいつかの饒舌を取り戻したかな?
私は、こんな小説が必要なんだって、ちゃんと胸を張れているのかな?
君は私を、どう見ているんだろうな。情けなくて、頼りないロクでなしだろうか?
それでも、少しはマシになれただろうか。前に進めたかなんて贅沢は言わないが、前を向くぐらいはできているだろうか?
そぞろな気持ちに、とりとめない日々に、意味を見つけて。星をつないで星座を描くように、物語を添えていく。私と君の人生がすれ違う、そんなひとときが欲しい。
関係性なんて恐ろしいね。でも、原理的に無視もできない。
向き合う時間を、大切にしていきたい。
向き合える空間を作り出したい。
そんな「あそび」を見失わないようにしたいものだ。
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