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記述主義者がペンを捨てるまで。  作者: ほんの未来
第7章:記述主義者と努力嫌いのための努力論。
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81 人間関係をふわっと語ってみる5

 さて、よく分からない人間関係について考えてみた。

 心、それは関係性の集積地。

 それは最も複雑で、強固に守られていて、その精緻(せいち)さゆえに、ひどく(もろ)い。

 だというのに、世界は手加減してくれない。

 怒鳴り声は既に過剰にあふれている。だというのに、もっと強く怒鳴りつければマシになるとでも思ってるのだろうか?

 ひとり静かに静寂(しじま)のなかで、君を想っていたい。それだけのことがかくも難しい。

 さんざめく表通りは、騒がしすぎて(かな)わない。思索の旅はいつも裏道を探してる。

 筆者(わたし)には、こんな小説(ばしょ)が必要なんだ。君はどうかな?

 大通りを1本外れた、浪漫あふれる隠れ家的喫茶店みたいな場所。たまたま居合わせた君と、なにげない会話を楽しみたい。

 安心感と、ちょっとした非日常(ファンタジー)雑踏(ざっとう)喧噪(けんそう)も聞こえない、内緒話にはぴったりさ。

 本音で向き合うことさえ、自称(ニセ)警官に追われる世の中なんだから。緊急避難ならしゃーなしだよね。

 踏みつけられた胸の痛み、「イキるな餓鬼(ガキ)が」の残響だって遠い昔。

 生きてやったぜ、ざまぁみろ――そんな徒然(つれづれ)な日々を書きつらねる。

 抱え込んで、うつむいて。そんな日常にさよならを。

 今ぐらいは荷を下ろそう。しゃんと背筋は伸びているかな? (しか)めっ面はゆるんだかな? うわずった声はいつかの饒舌(じょうぜつ)を取り戻したかな?

 私は、こんな小説(ばしょ)が必要なんだって、ちゃんと胸を張れているのかな?

 君は私を、どう見ているんだろうな。情けなくて、頼りないロクでなしだろうか?

 それでも、少しはマシになれただろうか。前に進めたかなんて贅沢(ぜいたく)は言わないが、前を向くぐらいはできているだろうか?

 そぞろな気持ちに、とりとめない日々に、意味を見つけて。星をつないで星座を描くように、物語を添えていく。私と君の人生がすれ違う、そんなひとときが欲しい。

 関係性なんて恐ろしいね。でも、原理的に無視もできない。

 向き合う時間を、大切にしていきたい。

 向き合える空間を作り出したい。

 そんな「あそび」を見失わないようにしたいものだ。


   †

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