9. 幸せ
俺たちは国を出てすぐそばのところで、雪遊びをした。
雪を投げあったり、雪だるまを作ったり、とても楽しい一時だ。
「レン様、追っかけっこしましょうよ」
「お、いいぞ、俺がお前を追いかける!」
「それじゃあ逃げます!」
ココはテケテケと、可愛い走り方をして逃げ始める。
10秒かぞえ、ココを追いかけ始めるが、全然捕まえられない。
ココは足がとても早いのだ。
俺は、ふと。どうしても今、聞きたいと思ったことがあった。
「ココーー!」
ほんの少し遠くにいるココに向かって、叫ぶ。
ココは振り返り、相変わらずの可愛らしい声で叫ぶ。
「なんですかーー!」
「お前は今、幸せかーー?俺に着いてきて後悔をしていないかーー?」
ココはそれを聞いて微笑んだあと、俺の方へ走ってきて飛びついてきた。
俺たちは倒れる。
「後悔なんかしてません」
ココは顔をそっとあげ、
馬乗りお状態になる。
「ココの生きる意味はレン様です。レン様に出会えて……レン様と居られて、ココはすごく幸せです」
「ココ……」
そう言って貰えて、すごく安心した。
すると、聞いたことがない声が、どこからか聞こえた。
「見てみてイチャイチャしてるよー」
「ほんとだー可愛いっ」
俺たち2人は、顔が真っ赤になる。
「こんにちは、お邪魔して悪いわね」
「にひひー」
邪魔してきたのは、
金髪の俺と同じ背ぐらいの美女一人と、
紫髪のココより若干背の高いぐらいの美少女の2人だった。
「もしかして、二人も大魔法学園の入学試験を受けに来たのかー?」
「入学試験?」
「あれ、二人とも知らない?大魔法学園の入学試験は明日なの」
大魔法学園……世界一入学するのが困難と言われている、この国の学校。
卒業した人は、人生イージーモードになると言われているが、
今ならこの学校に入れるかもしれない。
「それって、明日試験会場に行けば、誰でも試験を受けられるんですか?」
「そりゃもちろん。もしかして、受けてみたくなっちゃったか?」
ココが質問すると、紫の髪の女は、ニヤニヤとそう言ってきた。
せっかくこの街に来たんだし旅のついでに、それもありかな、なんて俺は考えていた。
「気になるなら、試しに試験受けてみなよー、いい経験になると思うよ」
「わかった、行ってみることにするよ」
「じゃ、そゆことで!ばいばい」
と、見知らぬ人達が手を振ってくる。
それにココは手を振り返すが、俺は返さなかった。
「なんだったんだ?」
「面白い人達でしたね」
クスクスと、ココは笑う。
「なぁ、ココ。旅の一環として、大魔法学園の入学試験を受けてみないか?」
「え、本当ですか?!楽しそうです、受かったらそのまま入学って感じですか?」
「あぁ、そうだ」
ココは目を輝かせる。
この国の大魔法学園は、全世界の少年少女達が憧れる学校だ。
卒業することに大きなメリットがある。
入学金とかも、二人分ぐらいは余裕である。
旅の途中でかなり貯めたからな。
【所持金:約8000万ゴールド】
そして次の日。
「こ、ここが大魔法学園ですか」
こりゃあまたもや幻想的な建物だ。
あまりの壮大さに、ココは尻もちを着いた。
「いてっ」
「ハハハ、何やってんだよ」
俺は手を差し出す。
「えへへ、ありがとうございます」
「さぁ頑張るぞ、ココ」
「はい!」
俺たちは学校の中に入り、教室へ移動した。
部屋はすごく広く、受けに来た人数も多い。
簡単には受からなさそうだ。
すると、先生がやってきた。
「皆さん、こんにちは。本日は入学試験にお越しいただき、誠にありがとうございます」
先生の態度が"どっかの国"の学校と違って、めちゃくちゃいい。
流石、世界一の魔法学校だ。
「今から試験内容を発表します。
試験は3つあり、能力調査、筆記試験、実技試験となっています」
第一試験〔能力検査〕
1つ目の試験の能力調査。
レベルと能力の数値を測る。
平均以上だと合格となる。
第二試験〔筆記試験〕
魔法の基礎知識、歴史についての問題が出題される。
多少できていれば合格となる。
第三試験〔実技試験〕
実際に魔法を見てもらい、
評価をしてもらう。
「優秀な皆さんの実力を期待しています」
俺とココは顔を見合わせて、微笑んだ。
「それでは、二人で一つペアになり、隣の教室に並んでください。そこで能力検査をします」
俺の前の男の人が後ろを向いきた。
どうやら、表情を見ると緊張しているようだ。
「良かったら、一緒にペアになりませんか?」
「あ、えぇと」
するとひょこひょこと、ココがやってきて、その男を少しに睨む。
「私はレン様の物なので、私達がペアになるって決まってるんです。レン様行きましょう」
「おし、行くか」
ココの理屈がちょっとよくわからなかったが、
まぁそういう事にしておこう。
悪いな、と手を立てジェスチャーで謝る。
グッジョブを返してきたので、怒ってはいないと思う……多分。
でもココとペアになれて良かった。
他の人とペアになってしまったら、コミュ障っぷりが発揮してしまう。
それぐらい、学校っていうのにトラウマを持っているのだ。
「面白い!」
「期待できそう!」
「やるやんこいつ」
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