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職業【遊び人】猫に会う

 第二階層の森付近でレッカと二人で歩いていた。


「ありがと、あとはパズルだけだね」

「パズル?」


 武器作成に必要な素材は集まったのでレッカは地べたに座ると素材を操っていく。

 青いオーラを纏って、素材を空中で踊らせる。


「すごいね。こういうのを見てると生産職も面白そうだと思うよ」

「なにそれ、普段は思ってないみたいじゃん」

「そ、そんなことないよ! 普段からすごいって思ってるよ! ただ普段戦ってる人とこしか見てないから、ギャップを感じたんだよ」

「ふふん、普通生産職は戦わないからね! 戦う錬金術師、かっこいいでしょ?」


 そう言って微笑む。

 素材をじっくり見ていると、今までレッカと集めてきた素材が集まっているようだと理解できた。



 スキル取得

【鑑定】



「あ、スキル取得した」

「え、今!? どういうスキル?」

「『鑑定』だって、不思議なスキル」

「おぉ! それ超大事なスキルだよ! 生産職の第一歩!!」


 レッカが言うには、それは生産職には必須のスキルだそうだ。もちろんレッカも持っていた。

『鑑定』を使えばアイテムや素材の詳細が知れる。他にも生き物に使えば体力やステータスを把握することが出来るし、武器に使えばどのような効果を持っているかも分かる。


「『鑑定』で調べて、『合成』でアイテムを合わせて、失敗したら経験になって、上手く行ったら更に合成! こうしてアイテムを作っていくの」

「おぉ、面白いね!! 僕もなにか作ってみたいなぁ」

「難しいよ? それに私の役割とらないでね」


 ジト目でそう言われてカリナは思わず吹き出した。

 ドッペルゲンガーの錬金術師なんて役割、取ろうと思ってもできない。


「レッカはレッカだ、僕なんかが真似できる人じゃないよ」

「そ、そうなんだ」


 そう言うとレッカは頬を染めて呟いた。

 カリナは鑑定を使って辺りを見渡した。そして息を飲む。


「レッカ!! 来てる!!!」

「ふふん、分かってる!」


 レッカは素早く立ち上がると、腕をクロスさせてダメージを受ける。

 辺りの木々が風を受けて鳴く。


「おかしいな、あんたに剣を素手で受ける力はないと聞いていたが」

「鍛えたんだよ!」


 カリナは立ち上がると、剣を握る。その右手には鉄の腕輪がはめられていた。

 これは戦闘前にレッカに買って付けれるようにしてもらったものだ。体力が五十上がる代物だ。

 男は画面を触る、聞くところによると援軍の要請だ。


「見つけたぞ、第二階層だ」

「ほんとにこんな見た目なんだ」


 低い声が聞こえたと思ったが、襲いかかってきた人の見た目は女性。

 黒を基調に白のデザインが入ったメイド服。可愛いヘッドドレスから覗く猫耳。

 二股の尻尾が揺れて、彼が猫又であることを理解した。

 手元にはロングソード、鋼鉄で作られたそれはカリナの腕であれば真っ二つであろう。


「レッカ、ありがとう」

「どういたしまして、二人に連絡した?」

「したよ、座標送ったからすぐに来れる」

「上々だね」


 レッカは棒を片手剣のように振る。

 その棒は服を切り裂き、男はたまらず剣で受ける。


「何だその棒は」

「クォータースタッフって言ってね、打撃用の武器なんだ」

「にしては“切れ味”がいいな」

「研いでるんだよ」


 カリナはスタッフを見せつける。

 そして、相手を静かに睨みつけた。


「『ニーナ』さん……で合ってる?」

「あぁ、正解だ。知ってるのか」

「当然」


 ニーナと呼ばれた男。顔は美しい女性であった。

 ここへ来てカリナのことを知っているということは、


「サリアさん絡みってことでいい?」

「私とカリナの関係と同じようなものかな」

「強い絆で繋がれてるってことね」


 剣を大ぶりで振ると、ニーナは避けた。


「受けないの……?」

「俺に状態異常が効くか探ってるな?」

「僕のスキルはすでに周知済みということで、合ってる」

「いや、どうかな。俺はあいつのくだらない話は聞かないようにしてんだ。カリナ様カリナ様ってうるせぇからな」


 カリナは剣による攻撃を仕掛ける。

 ニーナは対抗するようにロングソードで受ける。余裕そうな表情だがなにを隠しているか分からない。慎重に攻撃を仕掛けていると、レッカが背後から攻撃に参加してきた。

 しかしレッカはまだ後ろでスタッフを見せつけるように持っている。


「これが噂の『複製』か」


 ニーナは地面を蹴って大きく避けた。

 カリナはダガーを複製するとそれをニーナに飛ばす。


「【猫騙し】」


 ニーナの姿が消えた。思い出す、事前に教えられていた情報を。


「【念動】」

「くっ!」


 背後にいるはずのニーナを掴む。『猫騙し』の効果はすでに聞いていた、相手の背後に回る技だと。

 ニーナは念動を無理やりこじ開けると、後ろへと下がる。


「やっと手の内を見せてきたな」

「そっちこそ。まだ隠してるんでしょ? 聞いてるよ」

「どうせあんたかサリアが来ると思ってたんだよ! もうすでに周知済み」

「まぁいい、増援が来た」


 そう煽った二人であったが、彼の背後に集うプレイヤーの数を見て肝を冷やした。

 その数は十を軽く超えている。獣人と亜人が中心に集まっている。


「あの緑の髪のほうが『固有級』を四つ、いや五つ持ってる。もう一人はドッペルゲンガーだ。遠慮せず奪っていけ」


 直後に魔法が連発される。あらゆる属性の弾やレーザーだ。

 カリナは後ろに下がる。そしてレッカが前に出ると、スタッフを斜めに構えてそれらを全て受けた。


「っ!!」


 自然と後ろへと後ずさるが、ダメージは軽度で済んだ。レッカは小さく笑うと、スタッフを回す。


「おかしい、あの赤髪、硬すぎるな……」

「猫又! そんなもんなの? こっちから仕掛けちゃうよ!」


 そう言うとレッカは突っ走っていく。戦闘は始まったばかりであった。


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