おまけ 新生活
今まで読んでくださってありがとうございました‼
春、私はお昼ご飯を食べながらボーと考え事をしていた。
「松本さん!見てください、私教育係になったんです。」
そこに現れたのは可愛い笑顔の百合ちゃんと………
「やあ、鈴音ちゃん朝ぶりだね。」
「え?知り合い?」
「は、葉月君!何で?!」
私は思いっきり立ち上がった。
「就職したって言ったでしょう?」
私はビックリ過ぎて何を言ったら良いのか解らなかった。
それなのにはしゃいだ葉月君は私に抱きついた。
それをみた百合ちゃんは見たことない程の怒った顔をすると言った。
「三浦君!知り合いでも相手には立場ってものがあるんだから離れて‼松本さんに迷惑かけるやつは、いくらイケメンでも許さないから‼イケメンは絶対正義だと思ってるけど、松本さんに迷惑かけるのは許さないから‼」
百合ちゃんが、か、格好いい!
そんな百合ちゃんをビックリしたように見ていた葉月はゆっくりと耳に触るとニコッと笑った。
「はい!堺先輩がそう言うなら‼あ、そんな事より堺先輩!週末うちでバーベキューやるんですけど来てくれませんか?鈴音ちゃんも来るし!ね!鈴音ちゃん‼」
え?何で?
そんな話聞いてない。
いや、違う。
葉月君は顔に惑わされないで叱りつけた百合ちゃんを気に入ってしまったのだ。
「鈴音ちゃん、来るよね?」
「………はい。」
あの、葉月君が気に入る女は滅多にいない。
なら、手伝わないと………
「百合ちゃん、私は百合ちゃんの事、妹のように思ってるんだよ………だ、だからバーベキューおいで!あ、大矢さん居るし!百合ちゃん大矢さん好きだよね?」
私の言葉に葉月君が驚いた。
「だ、大兄?堺先輩駄目だよ‼大兄は×3だし今新しい彼女居るからね!」
「え?新しい彼女居るの?」
私は思いっきりビックリした。
懲りない男だ。
「ほら、大兄は女居ないと生きていけない人だから。」
「何なの三浦家の人間は極端すぎ!葉月君とたして2で割れば良いのに。」
その時通りがかりの若社長が私を抱き締める葉月にいった。
「葉月、あんまり鈴ちゃんにベタベタすんなよ。鈴ちゃんは俺のだからな。」
「大丈夫だよ!鈴音ちゃんと僕は兄弟みたいなもんだし!優兄さんと結婚してくれれば遠いけど親戚になるし!僕は優兄さん応援してるから‼」
勝手なことを言わないでくれ!
私は百合ちゃんに向かって言った。
「葉月君の飼育方法は後で紙に書いてプレゼントするから、末長くよろしくお願いします。」
「え?教育係って意味ですよね?」
「………顔以外はかなり面倒臭い男だけど、末長くよろしくお願いします‼」
「松本さん?」
私は百合ちゃんから視線を反らした。
「これからよろしくね!百合ちゃん先輩‼」
困惑する百合ちゃんを見ながら若社長に狙われる私を萌恵も似たような気持ちで見つめていたのだろうって何となく納得してしまったのは当然だ。
百合ちゃん、気持ちは解るが諦めてくれ‼
こうして、葉月君は新生活と同時に春がやって来たのだった。
これにて終了です‼
紺野君と若社長のバトルを書き忘れてごめんなさい。




