プロローグ
「はぁ...また怒られちった。」
今日も会社の上司に怒られた、くそッ!反論しようとしても無駄、反論をしてしまったら俺の評価がガクッと下落して左遷やらクビやら...あの上司だからこそありえるのだ厳しすぎるんだよあの昭和じいさん...とほほ....
牛乳を右手に、左手にはブリーフケースを持ちながら夜の中華街を通る。haha...光が眩しいぜ...
美味しそうな店が並んでいる。どれもよだれが出るほどにな。だが、金がない。外食するほどの金を今持っていないのだ。くそぉ...いつか絶対出世して、あのへなちょこ上司より上の立場になってやる。ま、平社員の俺がなれる訳ないか。
1度でもいいから大金が欲しい。豪遊できるほどの金が欲しい。マイホームを買って、あわよくばいい感じの女性と結婚して幸せな家庭を築きたい。この身長でいい感じの女性と結婚できるとは思えんがな。
また自虐。
どうにも、自虐をするのが癖なようだ。
中学校の頃から毎日牛乳何十本本飲んでも未だに身長は伸びんし、頭も賢くないし、強いて言うならゲームが少しできる程度。
俺の長所があまりない。
何故か?努力をしてなかったからだろう。
小さい頃から塾やら習い事やら、行ってはサボって無理やりやらされても拒絶するかのように反抗していた。ま、その行いが今に繋がって自分を苦しめているのだ。
やればできる
そんな魔法の言葉を何度も聞いてきた。
呆れるぜ、そんな魔法の言葉がまるで通用しなかった。両親はやっと呆れて俺のことを諦めてくれた。
ま、その頃の俺は狂喜乱舞していたようだ。今の俺にとっちゃ、馬鹿馬鹿しかった。あの時、頑張ればよかったな、努力すればよかったな。そんな後悔が俺に降り注ぐ。
過去に戻れれば、とかずっと思ってる。周りはすくすくと成長して俺より上の存在となっていた。社長になってたり、将来の夢を叶えていたり、未知なる挑戦をしていたりと俺とは大違い。
人通りが少なくなってきた。さっきまでの賑やかさが少なくなってきた。遠くから踏切の音が聞こえたりと、光も次第に街灯や家の微かな光ぐらいになってきた。
俺の住んでいるところはアパートだ。家賃が安いからという理由で古いアパートに住むことになった。住めればいいんだ。衣食住が揃ってなければ最低限の生活が出来ん。
そんなことを脳内で思いながら歩いていくと後ろから足音が聞こえてくる。
なんだ?こんな夜中に人か、珍しいもんだな。それだったら俺もそうなるか。絶滅危惧種として、是非とも保護されたい。
だが、俺の歩幅に合わせてるような気がする。ストーカーか?まさか、人気アイドルが密かに好きな人をストーカーするという漫画的展開になっているのではないか?!
まさか、俺の推しアイドルが俺のことが好きすぎるあまり、俺のことをさっきからつきまとっていたのではないか?それだったら最高じゃないか?こんな千載一遇の展開を逃してはいかん。今は気づいてないフリをするのが懸命か。
漫画みたいなことを妄想しまくりながら歩いていた俺であった。
普通に考えれてないヤバいやつだ。
足音が大きくなってきた、俺の方に近づいてきている。ヤバい、どうする。変な妄想をしまくるせいで危機的状況に陥ってしまった。俺の妄想通りに行けば、このまま彼女(妄想)は俺のことを抱きつくはずだ。
うひょー!最高じゃねえか!
だが、そんなバカみたいな展開は起きるはずもなく、現実とはそんな甘くはない。
グサッ
「は?」
背中に鋭い衝撃が走った。何が起きたのか理解できず、俺はその場に立ち尽くした。
痛い、痛い痛い....焼きつくような痛みが全身に走る。刺された....?いやなんで俺が刺される。誰にも恨まれるようなことはしてないはずだ。
顔をぶるぶる震えながらチラッと後ろを見ると、男だった。だが、こんなやつ見覚えもない。尚更なんで俺が刺されたのかが分からない。クソ、俺の人生これで終いなのか?
顔を見るに若い。20歳半ばだろうか。そう思いながら俺の体が倒れてしまう。俺の体が言うことを聞かない。やばい、これは死ぬ。
けど、これでいいのかもしれない。俺は今に至るまで、ギリギリな生活を送っていた。まともな給料が入らないし、上司には毎日怒られるし、恋はできないし、将来の夢も叶えれないし....最悪な日々を送っていた。
それなら、もうこれで終わってもいいかもしれない。haha、来世は幸せになれるかな...いや来世あるのかな...
さっきの野郎はもう居ない。逃げたのだろうか。ま、それが懸命だろう。いずれ捕まるかもしれんがな。捕まった時の顔を見てやりたいよ。
目が朦朧としてきた。感覚も無くなってきたし、本当に死ぬんだなと思った。悪いことはしてなかったし、天国には行けるだろう...
俺の死因、刺殺か。もっとマシな死に方をしたかったよ。例えば、女性に囲まれながら、ぐふふ。
そう思いながら目は閉じ、暗闇に包まれる。
初めて書いた小説です。
興味があったのでやってみうかな、と思って始めさせていただきました。




