表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
188/231

その188 彼の為の管理者

 ――黒猫が拷問部屋へと連れて行かれた同時刻――


 教えるつもりですか?なりません。知らないからこそあのバランスを保てているのです。勝手な事をしないでもらいたい。


「教えない事には、彼女を拉致する形で連れて行く事になります。力尽くは私も本意ではありません㤅」


 ここは海の真ん中。


 嵐吹き荒れ、周りは荒波で水渋きが飛び交う中、その海のど真ん中にテーブルと椅子が宙に浮いていた。


 不自然極まりない光景。そんな場所でNNと、水で形取られた人型の塊となっている㤅が椅子に座りテーブルを挟んで話し合っていた。


「それに、彼女は薄々勘づいています。隠す必要はないかと」


 関係を壊す必要はない。何度も言わせないで下さい。『教える』『教えない』どちらを取るにしても、リスクしかない。ならばリスクの大きい方を避けるべき。


「大きなリスク?どちらも同程度のリスクだと思いますが」


 自責の念ですよ。理解出来ませんか?


「……私はその場面を知りませんから」


 なら尚更余計な事はしないで下さい。彼を怒らせるとどうなるか、ラインを超えた彼等の過去の事例で分かるでしょう?


「ええ。しかし、大半はよくある噂の独り歩きでは?」


 全て本当ですよ。それから彼は貴方の正体を知れば容赦なく消しに掛かります。失敗は死だと思っていて下さい。そして、貴方への協力はこれで最後。覚えておいて下さい。私は貴方に今回だけ手を貸すだけで味方ではないという事。あくまで私は彼の……たった1人の理解者……そう



 観測者……いえ、管理者の1人なのですから



「……管理者とは、良く言いますね。1人しか見ていない癖に……ですが……その気持ちが分からないからこそ私は、出来損ないだと……そう言われるのでしょうね」



 波は世界を海の中へと沈めて飲み込み、暗闇へと誘った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ