その187 襲撃後の集まり
あれから数日経ってギルド【シャドーフェイス】では、ギルド内で作戦後の話し合いをしていた。
何故数日も経ってから終わった事の話をしているのか。それはギルド会議場襲撃後、万が一尾行されて、それにより拠点を知られるリスクを潰す為、時間を置いて集合する事が本来の作戦に組み込まれていたからだ。
まぁ黒猫は速攻で森の中にあるギルドルームに戻っていった訳だが。いつもなら案内無しには辿り着けないくせにこういう時だけ運がいい。
そんな【シャドーフェイス】では、今ブルーハートがライト達を見逃した棄世に対し追求していた。
「てめぇ。【殺し屋棄世】が敵を見逃すなんざ何の冗談だ?まだ英雄様が生きてんぞ?どういう訳か説明しろ」
「ふ、ひひ……な、何が……ま、不味い?……ざ、雑魚……の……ひ、1人……ふ、2人……こ、殺し……そ、損ねた……だ、だけで……わ、喚くな……よ……ふひひ」
「俺の情報があの情報屋にリークされたんだぞ?しかも英雄様にだ。チッ、次会った時手こずるだろうがよ。どう落とし前つけんだサブマスよぉ?」
「し、知るか……て、手こ……ずる……のは……じ、自分が……よ、弱い……せい……だ、だろ?……わ、私の……せ、せいに……す、するなよ……雑魚……ふひひ」
「……なんだと?てめぇ……言わせておけば……」
「や、やる……の……か?……こ、ここじゃ……わ、私……の……ほ、方が……つ、強い……き、来たきゃ……こ、来い……よ……ば、バラバラに……し、して……や、やる……よ……くひひひひ……」
2人は殺気を放ちながら睨み合う。
「落ち着きましょうよ2人共。今回はあのバカが原因でもあるんですから」
その間に、射場ザキが黒猫を指差しながら仲裁に入る。
「のじゃ?うむ」ムシャムシャ!
指を差された黒猫はというと……間抜けな顔をしながらギルドルームにある果物を必死に貪っていた。
「こいつ……お前には色々言いてぇ事がある。食うの止めろ。聞け。まず最初に……何真っ先にギルドルームに戻ってんだ?てめぇは俺達に殺されてぇのか?それから盗みを働けるのを何でギルドマスターの俺にずっと黙ってた?捻り潰すぞ。勝手に火を付けて俺の作戦を無駄にしやがって。言われた事一つまともに出来ねぇのか?おかげでアイテムが丸々無駄になったじゃねーか。持って帰ってきたアイテムもゴミしかねーし。チッ、言ってたら殺意が湧いてきたぜ。他に隠してる事があるなら言え。最後忠告だ」
「無いのじゃ」
「そうか。拷問部屋にぶち込んだけリョウケン。俺直々に拷問してやる」
「あいよ」
「何故じゃあああああ!?」
黒猫は首筋を掴まれながらリョウケンに引き摺られて拷問部屋へと連れていかれた。