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その186 冒頭の場面パート2

「え?謝礼金?あー、いやー、助けて貰っておいてなんですが、それは……金銭目的はいやらしいと言うか……ちょっと……風評が良ろしくないかと」


 そのコノルの言葉に助けられた一般人Bは助けられておいて失礼な目をコノルに向ける。


 コノルの意地汚さに引いてる様子だ。


「ドン引くなりなんなり勝手にして下さい。良い悪いは私が決めます。お金は貰います。こちらもボランティアのつもりは無いので。では私は放火魔を、もといお金のなる木を追うので失礼します」


 しかしコノルは、レウガルが言いそうな事を言って、一般人Bの言葉をものともせず華麗にスルーし、言われた方へと走って向かう。


 放火犯を見付けるまでに途中で倒れている人達を、まるで駅の改札を通るかの様に蘇生しながら、コノルは考え事に耽る。


 うーん……レウガルちゃんが言ってたけど、放火犯が強い人だったらどうしよう?まぁ、レウガルちゃんとかライトさんが近くにいるし助けにきてもらおう。まだあっちが戦ってて来れなかったら絶望だけど。まっ、何とでもなるなる。今はそんな心配より報酬報酬。


 復活させた人達による、ありがとうの声を手を振りながら軽く流しつつ、コノルは怪しい人物を探していると、目の前にフードを被った如何にも怪しい人物が。


「見つけた!あれだ!」


 コノルは顔を確認する為懐中電灯みたいな物をアイテム欄から取り出してその人物の顔に向けて照らす。


「見つけたわよ!貴方が屋敷に火を放った犯人ね!」


 覚悟しなさい!私と猫さんの養分にしてやるわ!


 意気揚々で捕まえるつもりのコノル。頭の中には2人で豪華なディナーをとる姿が。


 未来は明るい、そう思っていると、フードの人物が動く。


「のじゃ!コノ―――ハッ!」バッ!


 その人物はフードを取り、コノルの方に嬉しそうな顔を向けようとしてきたと思えば、直ぐに顔を隠す。


 しかし、その一瞬でコノルは目の前の人物が誰なのか気が付く。


「え!?猫さん!?なんで!?」


 コノルの驚く顔を見ながら、黒猫は悲しそうな顔でその場からポータルを使って消えた。


「え!?ちょ!?まっ!待ってえええええ!?猫さああああん!?まさか!?嘘お!?何でこうなるのよおおおおお!!」


 膝から崩れ落ちるコノル。


 黒猫の前科に放火が付け足された瞬間である。


 未来は明るいどころか一向に明けないのだった。

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