その179 様子がおかしい
「えっとー、何の事です?私分からないわ。レウガルちゃん可愛いい」
取り敢えずしらばっくれる。
「嘘下手か。にしても俺が知らないなんて然う然うないぞ?って事はだ。囲ってる奴がいるって事だ。嘘がド下手なお前は論外として、情報を完全に遮断する有能な奴……まぁNNだな。タイミング的にもそうとしか考えられない。あのいかにも裏がありそうなギルドメンバー全員の存在を今の今まで隠してたんだ。牢獄にいる黒猫なんかの情報を隠すなんて訳ないだろうな」
レウガルは1人で考え込むと腑に落ちた様な顔で納得していた。
「NN?」
「何で疑問形なんだよ。お前んとこのギルマスだろうが」
「私ギルマスに会った事ないんだよね」
「何でだよ。ネタか?普通会うだろ。アイツ自分のギルメンにまで情報遮断してんのか?」
「レウガルちゃん会った事あるの?」
「会ったもなにも、今ブラックギルド狩りしてるのは、そのNNの指導が大きいからな」
「ブラックギルド狩り……一虎さんも言ってたなぁ。物騒ね〜まったく。レウガルちゃんはそんな危険な事したらダメよ?」
「オカンか。上から目線やめろ。年上だつってんだろ。それにダメもなにも、ギルド会議で参加しろ言われたら参加しない訳にはいかないからな?あとお前んとこのギルマスのせいだから」
「世知辛い世の中ね」
「完全に他人事だな。まぁその通りなんだけどな。っと、ちょっと待て。何か明るくないか?」
「月明かりじゃない?私達の出会いを祝福してくれてるのよ。きっと」
「目玉と脳みそ腐ってんのか?妙に空が赤いだろうが。しかもギルド会議場から発せられてる光っぽいぞ。こりゃ何かあるな」
「なんだろ?キャンプファイヤー?」
「そんな愉快なもんだったらいいがな。まっ、行けば分かるだろ。取り敢えず胸騒ぎがする。急ぐぞ」
「分かった」
コノル達は歩みを早める。