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177/231

その177 あー、はいはいはいはいはい……


――コノルが黒猫を見付ける少し前の行動――


レウガルの助っ人と合流して、別の界に助っ人が行くのを見送った後、コノルは依頼主達と見回りをしていた。


だが、依頼主達は執拗なくらい公共ギルドのメンバーがレウガルとの関係について聞いてくるので、コノルはウンザリしながら会話をしていた。


普段なら相手にしない所だが、失礼な事を言った手前無下には出来ない。


「レウガルさんは何が好きなんでしょうか?勿論お金以外で」


「……鴨の……モンゴル煮……ですかね」


知らんので適当に答えるコノル。なんだ鴨のモンゴル煮って?


答えた自分ですら意味の分からない料理の回答に、ふむふむと小さく頷きながらメモを取る公共ギルドの面々。一生役に立たないメモである。


「レウガルさんの顔の広さはどんだけ広いんでしょうか?」


「うーん……宇宙……かな?」


「「「「おおおお!」」」」


何が、おおおお!なのか。


一生役に立たないメモ帳が出来上がっていく。


はぁ……こんな下らない事答えてる暇はないのに……というかコイツら真面目に捜してる?ないよね?捜してないよね?私しか見てないもん。いや、私じゃないか。レウガルちゃんしか見てないもん。なんなの?


もうそろそろ堪忍袋の緒がキレそうなコノル。もう失言に対するお釣りは返せたレベルでウンザリしていた。


「あの、ちゃんと周りを見ないと、不審者見逃しちゃいますよ?」


「何?不審者?」

「コノルさん!我々はレウガルさんの弱点をみつけたんですよ!」

「それ以外何を探せと?」

「そうですともそうですとも」


「…………」


コイツら!!くっ!いや落ち着け!!見つけないといけないのは私だから、逆に捜す気がないのはチャンスと思えば……はぁ……。


あまりにバカバカしく感じてきて、肩の力を抜いて脱力するコノル。


こんな問答もかれこれ数時間。そりゃ疲れるのも当たり前だ。


盗みを働くプレイヤー。恐らく黒猫だろう人物の保護が目的のコノル。だが、捜すメンバーがこれじゃ、見つかる者も見つからない。


何時間も歩き詰めで、まとも捜すのがコノルだけで、他の場所ではレウガルの呼んだ助っ人が黒猫を捜しており、黒猫が捕まるのも時間の問題。


……万事休すか……いや……まだ望みはある筈。


ここでコノルはある提案をする。


「あの……」


「はい何でしょうか?レウガルさんの交友関係を教えてくれるのですか?」


「いや、そうじゃなく、いい加減にしろ。あ、じゃなくて、一旦ギルド会議場に戻りませんか?その、他の探索者達も集めて進捗の確認をしたくて」


もう失言に対して何も感じてないコノル。謝りもしない。


「ああ、そうですね。切り上げる意味でも時間的に丁度いいかもしれませんし」


そんなコノルの失言を華麗にスルーして帰ろうとする公共ギルドの面々。


切り上げる気かいな。やっぱり真面目に仕事する気無かったな?まぁ今はいいや。そんな事よりあの時レウガルちゃんのメンバーアドレス聞いててよかった。あんまり答えられないって言ってたけど、今回は大丈夫でしょ。初のレウガルちゃんへの愛のメッセージ。気合い入れないと。


早速メッセージを打つ。


『時間も時間だからこの辺で見回りを切り上げるね(ハート)一旦ギルド会議場に集合する様に助っ人の皆さんに言っといて(ハート)(ニッコリマーク)愛しのレウガルちゃんへ(ハート)(チュッ)、コノルより(ハート)(ハート)(ハート)』


完璧ね。


オヤジ構文。引かれる事請け合いの文章を書いてコノルはメッセージを飛ばす。初のレウガルへのメッセージがこれとは残念で仕方なかった。


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