その146 大規模作戦の全容
蹴られまくった頭の部分を擦りながら黒猫はギルドルームの端に座っていた。
その黒猫の視線の先には、お洒落な長机を囲って【シャドーフェイス】の面々と他のブラックギルドのメンバーが顔を揃えて座っており、とある作戦について会議をしている。
「実行は明日。臓物をインストールして拷問に掛ける為の拉致する奴は給仕の奴等数人でいい。後は遭遇次第全員殺せ。これは見せしめだ。下手打って逆に狩り殺されるな」
「ライトやillegalとかの手練に遭遇したら?」
「大人数で囲って消せ。無理なら撤退すりゃいい。今回は秘密裏って訳じゃなく俺達の存在をアピールするのが目的だからな。メインの爆弾は用意してる。あとは設置して起爆すりゃいい。本店からの簡単な仕事だ」
「ゲバラさん達は参加するのですか?」
「何聞いてたんだ?する訳ないだろ。本店からの仕事って言っただろ。本店の連中が出来ない事を俺達暗殺ギルドが請け負ってんだ。いつも通りサポートも無い。下手すりゃトカゲの尻尾切りだ。そこんとこ忘れんな。まぁ【シャドーフェイス】じゃない奴等には難しいと思うがな」
「わ、私達【シャドーフェイス】は……こ、殺し……う、請け負う……あ、後は……窃盗なり……なんなり……し、したら……いい……あ、足は……引っ張る……な」
「「「…………」」」
ブルーハートと棄世がそう言うと、射場ザキや羽崎が笑う。
一方【シャドーフェイス】以外の招集されたメンバーはその嫌味に、無言で鋭い眼差をしながら睨み返す。
そのギスギスした雰囲気の中で出てくる言動から鑑みるにブルーハートと棄世を筆頭として、これから大きな作戦が開始されるようだった。
その作戦とは
ギルド会議場を潰す事だった。