その145 漸く拷問部屋から出れるのじゃ
「舐めた口聞く相手を間違えんな。よりによってゲバラさんにそんな口聞くなんざ、また死にてぇのかてめぇはよ。二度とすんな。分かったか」
「分からんのじゃ。頭の上の足を退けるのじゃ」
「……」グリ……
「痛いのじゃがああああ!?」
射場ザキは黒猫の頭を踏み付けながら更に踏み付ける力を強くする。
痛みに涙目になる黒猫。
「まぁ、こんな奴がスパイな訳ないわな。ゲバラさんの言う通りって訳だ」
「なんじゃ?あやつが何か言っとったのかの?許さんのじゃ!ぶち殺してやるのじゃ!」
「お前そればっかだな。てめぇなんか1秒で返り討ちだっつーの。つか、舐めた口聞くなって言ったばっかだよな?」グリグリ……
「痛いのじゃがああああああ!?」
「お前はゲバラさんを目の敵にすんじゃなくて感謝するべきなんだぞ。わざわざお前の潔白を証明しにきたんだからな。まぁ大規模作戦の説明の次いでだったが」
「なんじゃ大規模作戦って?感謝するべき?正気かの?わたしゃあやつに殺されたのじゃが?」
「復活させてもらったのもゲバラさんだろが」
「知らんのじゃ。ぶち殺すのじゃ」
「……」ゴリ……
「い゛た゛い゛の゛じゃか゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?」
頭に穴が開いたと勘違いするかの如き痛みを一頻り味わった後、黒猫は射場ザキに連れられて拷問部屋からの監禁から解放されたのであった。