その138 わたしゃは大丈夫じゃ!助けて!
コノルは急いで黒猫からのメッセージを開く。
「猫さん!」
ピッピッピ!
『久し振りコノルー!私は元気!ここは森!心配しないで!助けて!』
…………何コレ?怪文書か?……いや待って!森って何!?いいい意味わからん!
コノルは直ぐに返信する。
ピピピピピ!!
『意味わからんわ!それより面会謝絶の監獄にいるんじゃないの!?今何処にいるの猫さん!というかどうやってメニュー開いたの!』
弾丸の様に現れる疑問を一気に送信する。
どういう事!?何で猫さん外にいるの!?面会謝絶の牢にぶち込まれた筈でしょ!?って言うか、外にいるって言う事は……今までの盗難ってやっぱり!
再び焦り出すコノル。黒猫が関係してそうな案件はやはり一筋縄にはいかないと再度身を持って思い知る。
しかし、やはり状況を把握しないと何が起こっているのか分からない。本人の口、もといメッセージから知るしかないので、コノルは黒猫からの返事を待つばかり。
すると黒猫から返信が。
『心配しないで!私は外!大丈夫だから!助けて!』
やはり怪文書。なんならさっきのメッセージと何が違うのか探す方が難しい。早い話、何も分からない尚継続。
答えになってねぇー!心配過ぎるぅー!執拗に助け求めてる癖に!大丈夫な訳ないでしょおおがっ!!
黒猫の助けを求める一文が異様にコノル不安を煽る。
両手を使ってメッセージを打ち込み、再び爆速で返信するコノル。
『なんで外にいるのよ!?というか場所を言え!あと大丈夫なのか大丈夫じゃないのか分かんないから!』
せめて居場所を言ってくれたら直ぐに向かうなり出来るけど、猫さんにそんな機転は利かない。期待するだけ無駄だ。だけど流石に猫さんでも何も言わないなんて事はしない筈。何かしら情報を伝えてくるだろうから、そこから推理して猫さんを迎えに行こう!
コノルは黒猫からの返信を待つ間、今さっき届いたメッセージを見直す。
ふむふむ。猫さんは今森にいて、助けを求めてて、メッセージを送れる環境にいる。っていう事は一緒に誰かいる可能性があるわね。けど送ってくる内容からその誰かはメッセージを見てない。こんな所かな?森フィールドは範囲が広すぎる。でも猫さんの手持ちで高層界に行く事は出来ない。せいぜい10界……いや、同行者がいるならこの考えは捨てないと。兎に角次の情報さえあれば猫さんの居場所を絞れるかも。
コノルは的確に情報を分析し整理する。そして次に得られる情報を待つ。
すると黒猫からメッセージが飛んでくる。
『待ってます』
一言。情報無し。まさかの想像の下を難なく潜り抜けてきた。
「……」
開いた口が塞がらない。こちらのメッセージを全て無視した返事。
その返信にコノルは
「…………あんのバカねこがあああああ!!」
ブチギレ。声を荒らげた。