表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
136/231

その136 メッセージを飛ばす

「……」


 口を開けて唖然とする黒猫。


 自分がやった事に驚愕しているが、黒猫はその事実を飲み込むと徐々にテンションを上げていく。


「のじゃ……のじゃ、のじゃ!のじゃあああ!やったのじゃ!やれば出来るではないかわたしゃは!」


 コノルと久々に会話が出来る。それが嬉しくて心が踊る。


 何の話をしよう?食べ物の話でもしようか?いつも通りの何気無い会話でもしようか?それともこれまでの苦労を話そうか?何を話すにしてもウキウキワクワクが止まらない黒猫。


 弾む気持ちを抑えつつ黒猫はメッセージの内容を考える。


 メッセージはそうじゃな……


 黒猫は肉片を媒介にして出てきた自分のメニュー画面を操作してコノルにメッセージを飛ばす。


『久し振りコノルー!私は元気!ここは森!心配しないで!助けて!』


 完璧なのじゃ。送信なのじゃ!


 黒猫は取り敢えず頭に思い浮かぶ言葉を書いてコノルにメッセージを飛ばす。怪文書の完成だ。返事が気になる所である。


 すると10秒もしない内にメッセージが返ってくる。


『意味わからんわ!それより面会謝絶の監獄にいるんじゃないの!?今何処にいるの猫さん!というかどうやってメニュー開いたの!』


 コノルの焦りようが手に取るように分かる。


 うむ。心配させてしまったのじゃ。もっと詳しく説明するかの。


『心配しないで!私は外!大丈夫だから!助けて!』


 黒猫はまた中途半端な情報をコノルに向かって発信する。怪文書なお継続。


 場所も教えてヘルプも出したのじゃ。これでコノルと会えるのじゃ。


 しかし黒猫本人はこれで完璧だと思っている模様。


 直ぐに返事が返ってくる。


『なんで外にいるのよ!?というか場所を言え!あと大丈夫なのか大丈夫じゃないのか分かんないから!』


 コノルが黒猫のメッセージにキレている光景が目に浮かぶ。


 これ以上はマズイのじゃ。仕方ないのじゃ。会って直ぐに怒られたくないからの。


『待ってます』


 送信。ブチギレ確定。


 またもや光の速度で返事が。


『話を聞け!待ってますじゃないのよ!何処にいて今何してんのよあんたは!』


 うむ。


 黒猫はそっとメニューを閉じた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ