その135 ドンピシャリ。肉片はプレイヤー
拷問部屋に閉じ込められた黒猫は考える。
これでは牢屋の中にいた時と変わらぬのじゃ。
辺りを見回すとこの前掃除した拷問部屋はまた血肉で汚れていた。無論内蔵の様なものもあっちこっちに転がっている。
暗く汚く気持ちが悪い。
黒猫は近くに落ちてある肉片を手に取る。
人間の身体のどの部位かはまったく分からないそれを見ながら黒猫はコノルの事を考える。
のじゃぁ……コノルに会いたいのぉ……せめて話せればのぉ……
しかし自分でメニューを開けない黒猫はメッセージを送る事は出来ない。
参ったのじゃ。
そんな事を呑気に考えている時、ふと、手に持っている肉片が気に掛る。
「……」
何か大事な事が閃きそう。
そして考える事2時間
……消えぬならこれも他プレイヤー扱いになるのでは?
黒猫は他人の力を借りて漸く自分のメニューを開ける。ならばこの肉片を媒介に自分のメニューを開ける可能性があるのでは?と思い付く。
普通ならただのオブジェクト扱い。
しかしこれはブラックギルドが何らかの方法で編み出した肉片や内蔵が残るバグ。
万が一の可能性に掛けて黒猫は、コノルから教わった事を必死に思い出しながらメニューを開いてみると、
ドンピシャり。メニューが開けた。