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その114 NNの思惑と伝説の再訪

 

 広い西洋風の建物の廊下で、白い鎧を身に纏う人物と、白い顎髭が特徴的な白髪の人物が肩を並べて歩いていた。


「……君達の目的は何なんだ?ギルド会議に乱入してまでこのゲームの世界平和を望むって訳ではないだろう」


「フフ、生きやすい世界。前にもそう言ったでしょうillegal」


 illegalとNNは歩きながら会話をしていた。


 腹を探り合うような会話をしながら、NNはillegalの質問に対して、まるで兜の中で微笑しているかと感じる様な声色で返す。


 この日、【夢完進】がギルド会議に乱入してから1週間程経っていた。今や夢完進はギルド会議に参加必須のギルドとなっている。


 だが、【夢完進】が参入した事により界の攻略は止まっている。何故かと言うと、それはNNが発案したブラックギルド狩りという別の重大案件が関係しており、攻略に割く人員が少なくなっているからだ。


 とはいえ、一応最新界のフィールドを掃除&調査は成されているため、止まっているのはボス攻略だけなので大きな問題はない。


 多少攻略が遅れてもブラックギルドの問題を先に片付ける方が重要だと判断されたのだ。それほどブラックギルドの問題が攻略に悪影響を及ぼす程深刻化しているという事。


「ブラックギルドのアジトの摘発と排除は君達のお陰で順調だ。感謝する。だが解せない。彼女に伝えていないとは。彼女は今回の作戦の根幹を担っていると聞いたが?」


「彼女とはコノルの事でしょうか?それとも……」


「無論黒猫君だ」


「ああ、流石耳が早いですね。ええ、心配なさらずとも大丈夫ですよ。話をしなくても彼はああ見えてやる時はやってくれます。あと訂正させていただきますが……」


 NNは少し間を空けて続きを話す。


「今回の作戦の根幹を担っているのは()()()ですよ。黒猫ではありません。それでも重要な立ち位置ではありますが」


……あくまでスケープゴートにする気か。


illegalはNNがコノルを利用するなら、何かの身代わりにするのだろうと考え、表情には出さないが不快感を内心に孕む。


「ふむ。なら言い方を変えよう。ブラックギルド狩りを名目にして裏で君達は一体何を始めている?」


「仲間にも伝えてないので、その辺をあまり詳しく伝える訳にはいきませんが……そうですね。デモンストレーションとでも言っておきましょう」


「デモンストレーション?何の?」


「……フフフフ」


 NNは怪しく笑い、その問いに答える。




「この世界で【sword & magic fantasy online】での伝説の再訪……ですよ」


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