表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
92/149

第87話 終わりの呪い

 アラト達と有意義な交流会を開いた次の日、私達はスレイさんの店に、お願いした装飾品の引き取りに来ていた。


 今朝連絡が来たんだよね。出来たからいつでも取りにこいって。丁度予定もなかったので、引き取りにいくことにした。


  1週間くらいかかるって言ってたけど、連絡が来たのが、スレイさんの店を訪問してから6日後の今日だ。スレイさんは中々に仕事が早いらしい。性能が楽しみである。



 私達はスレイさんに今から行くと、連絡を入れると、すぐに向かう。暇人だと思われるかな? とかどうでもいいことを考えていた。



 いや、本当は全くの暇ってわけじゃないんだよ。人魚姫のクエスト行く? というような話も出てたしね。ただ、それはいつでも出来ることだし、スレイさんの方を優先しただけだ。



 私達は慎重に、スレイさんの店まで移動する。大金を持って移動するって怖いよね。普段はまあホテルとかルージュちゃんの店に貴重品は置いたりしている。


 ルージュちゃんの店も、ホテルも警備はバッチリだし。安いホテルとか店だと、たまに盗みに入られたりするけど、私達はいいホテルに泊まってるから。


 まあ高いホテルも、盗みに入れなくはないのだが、成功率はかなり低い。ほぼ盗めないといっていいだろう。



 スリに気を付けながら、そして装飾品への期待に胸を躍らせながら、私達はスレイさんの店に辿り着いた。私達はお金を守り抜いたよ、ふう。


 相変わらず街はしーんとしていたので、スリはしにくそうだったけど。スリって人混みでするものなんでしょ?



 私達は前回と同じようにスレイさんの店に入る。確かここがドアだよね? 私は見た目が壁なので、不安になりつつも、壁に触れると、それがドアだと分かった。



 ドアを開け、入るとスレイさんが笑顔で迎えてくれた。


「いらっしゃいませ。装飾品の出来栄えをお見せしましょう。こんなに、高性能な装飾品を、作れたのは初めてです」


 スレイさんは興奮しながらも、私達に席を進め、私達が座ると、完成した装飾品の品を見せてくれた。


「すごい、綺麗……」


 私の口から思わずそんな言葉が漏れる。リボン型の髪飾りで、真ん中にあしらわれた宝石を怪しく美しく輝いていた。


 他の3人の装飾品も美しかった。それぞれモチーフは違うけど、なんかお揃い感が出ていいね。装飾品の雰囲気がどことなく似ていた。


 次はレア度だが、なんとSCR!  SCRの装飾品を作れるなんてすごい。てかSCRってすごいレアなんだよ。そのSCRの装飾品が手に入るなんてめちゃめちゃ嬉しい。


 いい装飾品っていうかSCRの装飾品を作るには、魔法石と職人さんの腕両方が揃わないといけない。魔法石の性能がすごすぎたとしても、職人さんの腕がないと作れないし、スレイさんの腕は本物なんだろう。


 本当に晴人さんはいい職人さんを紹介してくれたよ。スレイさんと晴人さんに心の中で感謝をし、性能を確認していく。


SCR【終わりの呪い】

自身の時間制の呪いスキルの効果時間が30秒増える。

そして、呪い無効化スキルや称号、装備を持つ敵に、呪いダメージを与えるスキルを使うと、呪いスキルは効かないが、1000の固定ダメージを与える。敵が呪いを解除するアイテムを使うと、呪いは解除されるが、1000の固定ダメージを与えられる。

さらに、自身の呪いコモンスキルの数に応じて、魔法防御力が上がる。呪いのスキル1つにつき、1000上がる。




 さらにこれを装備すると、MP+1000のステータス補正が付く。SCRはステータス補正も性能も最高だ。



 え、なにこのチートっぷり。装飾品が強すぎて語彙力なくなるんだけど。


 【古の呪術師】と合わせると、1分間時間制の呪いスキルの効果時間が長くなる。つまり【呪い】の効果時間が2分間になるわけだね。


 呪いが効かない相手にも呪いスキルを使うと、1000の固定ダメージでしょ。クールタイムはあるけど、クールタイムが切れた頃に、また同じスキルを使えば、また1000ダメージ。


 いや、ちょっと待てよ。これ反転と合わせて使えば強くない? 敵に反転スキルを使うと、呪い無効化を持たない敵は、回復分だけダメージを受けるし、呪い無効化を持つ敵は1000ダメージ受ける……。


 やっぱりSCRはすごい。装飾品といいスキルといい。というかこの【終わりの呪い】強すぎる。私はすごくこの装飾品を気に入った。


  SCRが2つになった嬉しさもあった。今までSCRはスキルだけだったけど、装飾品も手に入れたから、私かなりのバランスブレイカーなのでは。



 私はさっそく装飾品を装備した。うん、ゴスロリにも靴にもあってていい感じ!


 他のみんなのもかなりの高性能だったらしい。静かに興奮した様子で、それぞれが装飾品を見つめていた。装飾品の鑑賞が終わると、皆装飾品を装備する。


「どうでしょう。性能は」


「すごくいいです! 私が求めていた以上の物が出来ました。本当にありがとうございました」


 私がそう言うと、スレイさんは嬉しそうに笑う。


「それは嬉しい言葉です。それに私も楽しめましたよ、こんなにいい素材を使って、装飾品を作るのを。おかげで職業レベルもかなり上がりましたし。また装飾品を作って欲しい時はいらして下さい」


「その時はまたお願いします」


 他の3人も口々にお礼を言い、代金を支払う。私達は気持ちの良い気分で、店を後にした。




「いい装飾品が手に入りましたね!」


「本当にそれね!これで、呪いの幅がまた広がったよーー」


 呪い無効化系のスキルを持つ敵に、攻撃出来るようになったのが、やっぱり大きい。


「私も! もっと強い爆弾を投げられる!」


「さっそく腕試しをしたくなるわね。経験値の森で、レベルも上がったし、装飾品も手に入れたもの」



 私達がそんな風にはしゃぎながら歩いていると、前から来る人がこちらを見ているのに気付いた。


 なんだろう。私は気になってそっちを見ると、視線があった。その瞬間、その人は爆弾を自分の体に巻き始めた。


 これはやばい、それを察した私は3人の手を引き、その場を離れようとしたが、その前に爆弾を巻き付けた男が叫び声を上げる。



「おい! この街にいるやつら、聞け! 動くな! 動いたら俺は自爆するぞ!!! ひゃははははは」



 その男は興奮した声で、喚きたて始めた。誰もがその男の方を見る。私達も例に漏れず、その男を見ていた。鑑定すると、この男が死神の使いの一員であり、爆弾系のスキルを多く持っていることが分かった。レベルは112と、私よりは20くらい低い。職業はガンナーだ。




「あの人、この前の自爆魔ですよ。オークションで騒ぎを起こした人です」


「そう言えば、そんなこと言ってたね?」


 私と茶々さんがひそひそ話をしていると、自爆魔がこちらを睨みつけてきた。



「黙れ! 殺すぞ!!!」



 私達は睨まれたので一応黙る。どうしようかね。4vs1なら間違いなく、私達でこの自爆魔を倒せると思う。けど、それをすると、死神の使いと敵対しちゃいそうで面倒臭い。PKギルドと関わりたくなんてないし、大人しく目立たずやり過ごすのが無難かな。


 走り去りたいけど、それをするとかえって目立ちそう。この場の人達は身動きが取らないでいた。


 そんなことを考えていた時、自爆魔が何かのチケットを手に取り、そのチケットを上に掲げる。すると、そのチケットは光り始めた。


 そして、私がチケットを鑑定すると、そのチケットはクエストチケットで、近くにいたプレイヤー全てに、強制的にチケットクエストを受けさせるチケットであることが分かる。


「全員しね!!!」


 最後に聞こえたのは自爆魔のその声で、気が付くと、私はよく分からないクエストに飲み込まれ、チケットクエストを受注していた。


ーーチケットクエスト「業火の地獄」を受注しました。


 私は浮遊感とともに、チケットクエストの空間に飛ばされる。そして、私の目の前には大量の鬼が現れていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ