表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
89/149

第84話 物々交換

 エリアボスに近付くと、エリアボスはこちらに気付いたようだ。こちらを威圧するように見つめていた。その立ち振る舞いは堂々としており、私達を圧倒する。


 エリアボスは石と氷で出来たような体をしており、とても硬そうだ。


ストーンアイスLv120

スキル 氷の雨 怪力 氷山投げ

称号 氷の大地のエリアボス


「氷の雨を降らしてくるよ。後怪力と、氷を投げる氷山投げってスキルを持ってる。気を付けて」


 氷の雨は厄介そうね。広範囲攻撃だし。


「[花紅柳緑]」


 茶々さんは物凄い速さで、ストーンアイスに迫る。ストーンアイスは推されていた。


「[爆裂ウィンク]」


 それにルージュちゃんの爆弾が炸裂する。


「[物点予測]」


 マロンちゃんは正確に、ストーンアイスを射抜く。ダメージは小さいが確実に何発も当てていた。



「【反転(呪)】[カース召喚]」


 私もユニークスキルを発動する。カースちゃんは私の指示通り、ストーンアイスに近づき、ストーンアイスの体に触れようとした。


 ストーンアイスは見た目のごつい胴体の割にすばっしこく、カースちゃんから逃れた。しかし、カースちゃんは諦めない。今度はさっきより素早い速さで、ストーンアイスに迫り、体を掴む。


 ストーンアイスは逃れようとしたが、逃れられずに大人しくなる。私は一瞬諦めたかと思った。



 しかし諦めたのではないようだ。空から氷の雨が降ってくる。ストーンアイスの氷の雨だ。どうしよう、今からじゃ避けきれない。


 私には全ての攻撃を半分にする女神の微笑みという装飾品があるし、最悪全部くらっても回復すれば……。そんなことを考えていた時、カースちゃんが戻ってきて、私たちの上に覆い被さるように、攻撃から守ってくれた。


 カースちゃんのお陰で、私達全員は無傷だ。ありがとう、カースちゃん。


「カースちゃん、大丈夫?」


 カースちゃんには無数の氷の破片が刺さっていた。回復した方がいいのかな? でもカースちゃんにHPという概念はない。


 私は迷った末、回復しようとしたが、カースちゃんは大丈夫だというように、手を振って静止する。


 カースちゃんは刺さった氷の破片を、体を振って払い落とし、敵へと突撃していく。


 なんてパワフルな子なの……。


 私はカースちゃんに感動しながらも、援護をする。


「【破滅の旋律】【呪い】」


 敵のストーンアイスは呪い状態になる。そして、ルージュちゃんの爆弾、茶々さんの刀、マロンちゃんの銃に推されていた。そこにカースちゃんの呪いがヒットし、HPを削りきった。そして、ストーンアイスは消滅した。


 ストーンアイスを討伐すると、私はカース召喚を解いた。そろそろ反転の効果が切れる頃だし。


 エリアボスのストーンアイスはかなりの経験値を持っていた。私のレベルは119になったよ。やったね。ドロップ品も美味しいし、ウハウハです。


ーーエリアボス「ストーンアイス」を討伐しました。



 ルージュちゃんは115、茶々さんは110、マロンちゃんは109とかなり今回のでレベリングが出来た。



「ストーンアイス倒せたね! やったあ。レベル115いったし、うれしー」


「私も呪い殺せて楽しかった。カースちゃん最高!」


「これから引き返しますか。今日中に氷の大地は出たいですね」


「そうね。今日中に氷の大地を出て、明日で吹雪の森を抜けたいわ」


「行きよりは晴れてるし、土地勘もあるし、道にも慣れたから、時間はかからないと思うけど。吹雪の森を一日で抜けれるかは微妙なところだね」


 私は吹雪の森を思い出しながら言った。吹雪の森から氷の大地は2日掛けてきたんだっけ。まあ色々寄り道はしたけど。吹雪にあったり、エリアボスを倒したり、洞窟のクイズにチャレンジしたりとか。



 私達は氷の大地を引き返し、帰路に着く。これ以上ここにいても仕方ないし。私達は近寄ってくる魔物を蹴散らしながら進む。


 私達の足は早足だ。皆疲労が溜まっているし、早くホテルの柔らかいベッドに横になりたいのだろう。



 そんな風に歩いていると、日が暮れる前に、氷の大地を抜けることが出来た。吹雪の森の手頃な洞穴で、夜を越し、次の日も帰還に向けて歩く。



 私達が吹雪の森を歩いていた時のこと。人が遠目に見えた。プレイヤーとはたまにすれ違うのだけど、何だかどこかであったような……。


 私がそんなことを考えていると、人影が近付いてくる。ちらりとその人を見ると、その人がゼロの集いのリーダー、ゼノンであることが分かった。


 私は驚いて、思わず声に出しそうになったものの、寸前のところで抑える。



 私に気付かないで。城で1回あったけど、あの時は少し宝物庫であっただけだし、覚えてないか。覚えてないよね……?


 覚えてたら困る。なんかやばそうな人だし、アラトはゼノンの申し出を断ってたし……。


 私は祈るように下を向いて歩く。他の3人はゼノンと面識がないから、特に気にしてなさそうだけど。


「あれ、君、城であったよね?」


 声を掛けられた……。よく覚えてたね、私のこと。私が諦めて顔を上げると、ゼノンは私の方を見つめていた。


 でも良かった。ゼノンは笑顔だった。機嫌良さそうだし、そんなに怒っている気はしない。


「城であったね、久しぶり……」



 私は引きつった笑顔を浮かべながら答える。


「あの時ぶりだね、君達はレベリングでもしてるの?」


「あ、うん。レベリング終わって帰るとこ」


「そうなんだ、僕はこれから氷の大地のエリアボスを倒しに行くところ。全てのエリアボスを倒したくてね」


 これからエリアボスを倒しに行くなら、私が倒したエリアボスは復活しているだろう。



「私達もさっき倒してきたよ」


「ところでさ、城では聞きそびれたんだけど、城の宝物庫で、水属性か魔剣士向けの魔法石手に入れなかった? もしあったら1つ売って欲しいと思ってね。大金は出せないからレアアイテムと交換してくれると助かるんだけど」


 ゼノンの方からそんな取り引きを持ちかけられるとは思わなかったので、正直驚いた。


「あ、水属性の魔法石ならあったはず。魔剣士じゃなくて、魔道士向けだけど」


 確認してみると、水属性の魔法石はけっこうある。というか魔法石をかなり手に入れたからね。




「交換をお願い出来るかな?手持ちのレアアイテムは、4枚あるクエストチケットだと、経験値の森のクエストチケット(special)とか、人魚姫のストーリークエストチケットとか、竹取物語のクエストチケットとかがレアなのかな。後はSSR以上確定のガチャチケットとか、他にも魔法職向けのガチャチケットはあるけど。何か欲しいものとかある?」


「ストーリークエストチケット!  1回やってみたかったんだよね。人魚姫の4枚と交換お願い出来る?」


 ストーリークエストは、ストーリー型のクエストで、自分が物語の世界に入ったような気持ちで、プレイ出来るのである。


 ストーリーと戦闘がセットになった感じだ。ストーリークエストチケットはレアアイテムで、中々手に入らないんだよね。


 ストーリークエストチケットは入手難易度は高くわ報酬で珍しいものが手に入るのは本当らしいが、めちゃめちゃ高性能なものではないらしいので、積極的に手に入れようという人はあまりいない。


 それもあって、中々出回らないんだよね。


「人魚姫だけじゃ、釣り合わないよ。魔法石の価値が高すぎるし」


「それなら経験値の森のクエストチケット(special)もお願い」


「その2つのチケット4枚ずつで本当にいいの?」


「うん」


 本当にいいのかと聞くゼノンに私は頷く。


 魔法石の価値はすごく高いので、私達の物々交換は釣り合っていない。


 けれど、基本ゲームの素材とかとったもん勝ちではあるとはいえ、私達で根こそぎ貰っちゃってごめん? って気持ちは少しあるし、有名なプレイヤーと仲良くしとけばいいことがあるかもしれないので、これで交換することにした。


 私達はお互いのアイテムを取り出し、交換する。


「ありがとう、いい交換ができたよ」


 ゼノンは爽やかに微笑む。


「こちらこそ!」


 私達は物々交換を終えると、お互いスッキリした顔でその場を去った。


 ゼノンは最初城を壊し始めた時はやばいやつかと思ったけど、話してみるとそんなにやばいやつじゃないかもしれない。というか普通に常識人だったね……?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ