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第41話 近未来都市での宝探し(4)

「全員ついたな! ワイバーンの上から見た感じ、敵の集団が真ん中の展望台にいるぜ。それから下の方で争っているやつらもいるが、先に真ん中の展望台にいるやつらを狙いたいぜ」


「展望台か。あそこは全面ガラス張りだし、位置を工夫すれば、向こうに気付かれないように鑑定出来るかも」


 鑑定で、相手のステータスを知っておきたい。敵の情報があるだけで、大分こちらが有利になる。



 私は移動すると、窓から敵の姿が見えた。けれど遠くて、鑑定してもあまり見えない。


「うーん、良く見えない」


「双眼鏡あるけど、いる?」


「え、あるの? 欲しい」


「ちょっと待ってね」


 ルージュちゃんは何やらスマホの画面を弄る。あ、トレーダーショップに売ってるのかな?


 トレーダーショップは何でも売ってるよね、本当に。


「はい、どうぞ」


「ありがと」


 ルージュちゃんから双眼鏡を受け取ると、敵チームを鑑定する。


 今固まっている敵チームのメンバーは12人。まだ他にもいるかもしれないけど。リーダーはプリーストの少年。レベルは20~45と幅がある。


 強いスキルはプリーストの少年の持つ回復系のスキルと、ウィザードの持つロイサソリの毒スキルだ。


 毒スキルは厄介そうだね。ロイサソリの毒消しをいくつか常備しといた方が良さそう。ちなみにだが、毒にも色々種類があって、毒によって、必要な毒消しも異なる。


 鑑定し終えると、鑑定で得た情報を皆に伝える。そしたらルージュちゃんがロイサソリの毒消しを購入して、皆に持たせてくれた。これで毒対策はばっちりだね。




「なら攻めるか! 俺らはまた空から攻撃するぜ」


 シュウヤさんはそう言って、ドラゴンへとまたがる。狭い空間じゃドラゴンの力を存分に奮えないもんね。


 リクさんもまた空から攻めるらしい。シュウヤさんの後に続いていく。


 残ったメンバーは階段で降りて、正面から行く。向こうにトラッパーはいなかったので、罠の警戒はそこまでしなくていいだろう。




「ねぇねぇ、僕にいい案があるんだよね」


 トネリさんが黒い笑みを浮かべて言った。なんか怖い。にしてもいい案ってなんだろう。


 トネリさんの案を聞いた私達はそれを実行することにする。



 私達はさっそく敵の本拠地がある展望台の入り口にやって来ていた。展望台の入り口は2つ。そこを抑えて、私達は一斉に爆弾を投げる。


 爆弾は敵の近くで爆発する。すると様子を見ようと、近接職がやってくるが、地雷を踏む。入り口には罠があり、私達に近付くには、罠を通る必要がある。それがトネリさんの案だった。けっこうえげつないこと考えるね……?




 この戦闘の結果はというと、快勝だった。シュウヤさん達は窓を開けて、そこから攻撃していたので、敵は空からも、2つの入り口からも攻撃され、入り口には罠。さらに私の反転で回復効果が呪い効果に変わるという鬼畜ぶりだった。


 敵はステータス的には、毒使いが1番強かったみたいだけど、私達は予め敵の持つ毒スキルの毒消しを持っていたので、全く私達には効かなかったのもある。


 戦闘は楽勝だったけど、すごい音だったから、下の階の敵に気付かれたかもしれない。


 何はともあれ、近未来ポイント1028をゲット出来た。このチームはかなりポイントを持ってたね。私達の合計ポイントは2154となった。やったね。



  2000ポイント達成ボーナスなるものも貰った。後で皆で分けようね。


 次は下の階の争っている敵を狙う? 争っているなら、争いが終わった後、漁夫の利を狙いたい。かなり卑怯だけど。


 いや、私達はさっきから私達卑怯なことしかしてないよね……。まあこれはゲームだし、勝てばいいんだよ、うん。



「多分さっきので気付かれたよな。俺のワイバーンのブレスとかすごい音だったし。警戒されてるのは承知で攻めるか?」


「うーん、下の階の敵が争いあって、疲れているところを狙いたいね」


 トネリさんも卑怯な戦略を考えていた。やっぱり漁夫の利を狙いたいよね!



「とりあえず今から攻めるのじゃダメなのか? また空からドラゴンに乗って、攻撃するぜ!」


「うーん、下の階の敵がどうなっているかだけど」


 私はそう言いながら、窓の外を覗き込む。出来たら下の敵の情報だけでも入手しときたい。でもここからじゃ双眼鏡をっても見えなそう。


「ならアナさんにはシュウヤのドラゴンに乗って、偵察してきてもらおうよ。その間に僕らはさっきと同じ感じで、スタンバイして、情報が手に入ったら攻め込むってことでどうかな?」


 最終的にはトネリさんのこの案を採用することになった。


 私はシュウヤさんの後ろに乗り込む。相変わらず、すごい高さだ。


 ドラゴンが下の階に近付くと、敵の姿が見えた。2つのチームはさっきまで争っていたっぽいけど、もう決着が着いたらしい。これはいいタイミングかも。


 とりあえず鑑定して、敵の情報と正確な位置を伝える。このチームはけっこう厄介そうだな。レベルが30~50くらい。人数は15人。今まで対峙してきた敵の中で1番高い。それにURのスキルを複数持っている人もいる。


 向こうはこちらの方を見ていた。多分私達に気付いて警戒してるな。


 しばらくすると、チャットに返信が来た。今から攻め込むらしい。


 攻め込むなら敵が弱ってそうな今だよね。


 私達も突撃の準備をする。


「行くぜ、アナちゃん。しっかり掴まってくれよ!」


 私は慌てて、前に座っていたシュウヤさんにしがみつく。ドラゴンは急降下して、窓に体当たりする。すごい勢いだ。体当たりした衝撃て、窓が開いた。


 そしてドラゴンやワイバーンが攻撃する。


「【反転(呪)】【破滅の旋律】」


 私は2つの呪いスキルを発動する。なんとか建物の中にいる敵にスキルが届いた。敵は全員呪い状態になった。これで回復スキルは使えない。


「『呪い精霊召喚』」


 私は呪いの精霊を召喚した。呪いの精霊は【呪い】スキルや通常魔法攻撃で、敵を引き付けてくれる。


「『闇精霊の導き』」


 闇精霊を召喚するスキルも発動する。これで陽動くらいにはなるといいんだけど。


 向こう側の皆も攻撃をしている。遠くの敵には爆弾を投げ、近付く敵は罠を踏んで、その隙に茶々さんやビーストのサクヤさんやルーコさんに殺られていた。


 そんな時、敵の1人のウィザードがこっちに向けて、魔法のスキルを打ってきた。ぶつかる! と思ったら、ドラゴンにぶつかり、その衝撃で、私は体は宙を舞う。


「アナちゃん!」



 シュウヤさんの慌てた声がする。


 落ちる。そう思ったけれど、私の体は呪い精霊が抱えてくれたらしい。呪い精霊の腕の中にいた。


「ありがとう、精霊さん」


 精霊さんに抱えられて、私は外を飛んでいた。けれど、精霊さん一人で私を抱えるのは難しいらしい。ゆっくりと降下していく。


 シュウヤさんとリクさんはウィザードの相手をしているから、拾って貰うのは難しそう。ゆっくり下に着地して、下から入るしかないかなあ。



「精霊さん、私を抱えて、下までいける?」


 精霊さんはコクリと頷く。そしてゆっくりと、下へ連れていってくれた。


 私は地面に着地すると、精霊さんと向き合う。


「精霊さんありがとう。もう少し着いてきてね」


 とりあえずスカイツリーの中に入る。階は分かっているから、エレベーターや階段を探す。


 少し歩くと、エレベーターはあった。一応エレベーターは動いているみたいだけど、戦闘してる階にそのままいくのは不味いよね。


 戦闘してる階の少し前の階で降りますか。そう思って、エレベーターに乗り込む。


 エレベーターに乗り込むと、目的の階のボタンを押そうとした。しかし、エレベーターが勝手に閉まり、動き出す。


 え? 何これ。


 エレベーターはすごいスピードで急上昇する。え、怖いんだけど。


 私は壁にもたれ掛かって、エレベーターが止まるのを待つ。エレベーターは最上階の展望台よりも、もっと上の階で止まり、ドアが開く。展望台の上にも階があったんだ。


 展望台の上にあるのはいくつかの機械とロボットが置かれた部屋。何だろう、ここは。私は部屋の中に足を踏み入れる。


 すると、ロボットが動きだした。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] >遠く敵には爆弾を投げ、 遠く敵→遠くの敵 >先に真ん中の展望台のやつらをそこを狙いたいぜ 展望台のやつらをそこを→展望台にいるやつらを の方がわかりやすいかと [一言] …罠かエレ…
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