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第40話 近未来都市での宝探し(3)

 私達が援護に行くと、混戦状態だった。


「【反転(呪)】【破滅の旋律】」


  2つの呪いスキルを同時に発動する。敵に呪いがかかった。私は後ろから存在感を消しながらバフをかける。私的には存在感を消しているつもりなのだ。藁人形とゴスロリのせいで、個性が際立っているが……。


「『防御力デバフのプレゼント』」


 敵の防御力を下げる。


 敵の背後からリクさんとシュウヤの援護が見えた。リクさんはよく分からない鳥系の魔物に、シュウヤさんはドラゴンに乗っていた。ドラゴンがブレスを打つ。ドラゴンのブレスの威力すごいね。ドラゴンかっこいい。


「【アラウンドヒール】」


 味方のHPが減ってきてるな、と思ったので、回復スキルを使う。よく考えたら、このチーム回復職は私しかいない。やることが多いです。



「回復が効かない! なんで?」


 敵のチームはやっぱり回復が呪いダメージに変換されたことに慌てている。回復出来ないっていうのは致命的だもんね。


「後衛職から狙え!」


「向こうのリーダーのアサシンには気を付けろ!」


 あちこちで色んな指示が飛んで、ごった返していた。



 向こうは後衛職の私を狙おうと果敢にも攻めてくる。中々無謀なことをするね。ルージュちゃんが爆弾で威嚇する。ナイスだよ、ルージュちゃん。


 私は前に出ないように、後ろの方で、回復スキルやバフ系のスキルを打つ。11対18と人数的には不利だったけど、敵は罠にかかったりしてるし、レベル的にはこっちが有利なので、徐々に敵の勢いは削がれていた。


 私はここら辺で、新しいスキルを試してみることにする。7人の敵は、HP25%を切っていたから、発動条件を満たしている。


「【カルタフィルスの呪い】」


  このスキルは、20%の確率で、残りHPが最大HPの25%以下の敵のHPを0にする。


 この呪いの範囲内に入った7人の敵のうち、HPを0に出来たのは2人だけだった。まあ上々の出来ではないだろうか。



 私達は1人も死んでいないが、向こうは5人死んでいる。このまま押せばいけるだろう。



 私達の方ではビーストのサクヤさんとルーコさんが猛威を奮っていた。ビーストが獣化するところ初めてみたよ。


 サクヤさんは凛々しいライオン姿に、ルーコさんはすばしっこい兎姿になって、敵に飛び掛る。兎けっこう大きいね。触ったらもふもふで気持ちよさそう。



 私は近衛職に、重点的に回復スキルを使う。


「【アラウンドヒール】」


 あともう一息。


 敵は反転のせいで、回復スキルを使えないから、長期戦になると向こうが不利だ。どんどんHP差をつけて、向こうの敵を倒していく。プリーストが倒れそうな味方にもう一度回復を使ったが、呪いダメージに変換された。


 敵は1人、また1人と倒されていく。敵は撤退しようとしていたけど、背後にいるリクさんとシュウヤさんがそれを許さない。


 やがて敵は全滅した。



 敵はあそこにいたメンバーが全員だったようだ。近未来ポイントを253獲得した。私達の合計近未来ポイントは1126となった。近未来ポイント1000達成報酬なるものが貰えた。装飾品とアイテムとガチャチケットとマルだ。



「やったな! こっちの被害はなしだし、いいスタートだぜ」


 リクさんの声がすると思ったら、リクさんは鳥のような魔物から降りて、建物の中に入ってきた。



「そうだね。これからどうする? この建物は見尽くしたし、他の建物を攻めたいよね?」


 私は他の建物を攻めたい。ここの近未来ポイントは取り尽くしたし。他の建物は他のプレイヤーがまだ来てないなら探索したらいいし、他のプレイヤーがいたら倒して奪えばいい。


 私達はけっこう快勝していたので、自分達で探すより、ポイントを持っているチームから奪った方がいいのでは? なんて鬼畜なことを考えていた。


「この建物に篭って、敵が攻めてきたところを叩くのもありだとおもうけど、どうかな?」


 トネリさんの案は私の中ではなしだ。敵が攻めてくる保証はないし。


「あたしも攻めたい! ここにいてもしゃーない気がするし」


「なら他の建物を攻めようぜ。俺達が空からどの建物がいいか見てくるから、休んでてくれ」


 リクさんはシュウヤさんの肩を叩きながら言う。空から2人に偵察してもらった方がいいね。


「じゃあお願い!」


 私は2人に改めてお願いをする。


 私達はというと、2階の外が見えるスペースで、戦闘での疲れを癒すことにした。


 またすぐに次の戦闘がありそうなので、たっぷり休む。


 しばらく雑談をしながらゆったりしていると、リクさんからチャットが来た。


 次に狙う建物が決まったらしい。次に狙うのは、この街で1番高い建物。この街で1番高いのは、おそらくスカイツリーをモデルにしたであろうタワー。


 いっぱい近未来ポイントの宝箱もありそうだし、色んなチームを集まっていそうだ。


 私達は外へ出て、リクさんとシュウヤさんと合流する。


「偵察はどうだったの?」


 私の疑問に、リクさんが鳥のような魔物から降りて、答える。


「あのスカイツリーみたいな建物にけっこう人がいたぜ。ポイントがいっぱいありそうだから、そこを狙いたい」


「でも大丈夫なんですか? 敵がいるなら、入り口には罠があるかもしれませんよ」


 茶々さんの言う通りだ。私達もさっき罠を仕掛けて、敵を撃退したわけだし。正面突破は危険かも。


「大丈夫だ。俺のドラゴンとリクのワイバーンに乗って、窓から侵入するぜ」


 シュウヤさんはドラゴンの顔を撫でながら言う。ドラゴンは俺に任せろ、とでも言うような顔を浮かべる。自信ありげな表情を浮かべたドラゴンも可愛い。


「何人乗れるの?」


 私は疑問を口にする。1回で全員は無理だよね……。


「頑張れば俺のドラゴンは3人乗れるぜ。リクのワイバーンも3人いけるよな?  2回に分ける必要がありそうだぜ」



「2回で行けるなら、その方法で良さそうだね」


  2回で行けるなら、ドラゴンなりワイバーンなりに乗って行ってよさそうだ。1回乗ってみたかったし。窓から侵入ってちょっとわくわくするかも!


 私達はリクさんの案内に従って、スカイツリーもどきへと向かう。建物から狙撃されたりするのが怖いので、なるべく建物の死角になっている道を歩く。そんな風に移動していたので、時間がかかってしまった。


「ならまず初めは俺が行くぜ。誰か2人乗ってくれ」


 シュウヤさんのドラゴンにはハヤトさんとサクヤさんが乗り込む。シュウヤさんが案内してくれるらしい。


 これ窓から入ってもばれないかな? と思って聞いたら人のいない階と場所から入るらしい。



 そしてリクさんのワイバーンには、ルーコさんとトネリさんとソラトさんが乗り込む。リクさんは最後に行くらしい。いつも運転してるリクさんがいなくて大丈夫なの? と思ったが、少しくらいの距離なら、飼い主がいなくても大丈夫だそうだ。


  1回偵察した2人は、最初のグループと最後のグループに分けた方がいいもんね。


 私達は物陰に身を隠しながら、最初のグループを見送る。


「アナちゃん達はワイバーンとドラゴンどっちに乗りたい?」


「私はドラゴンかな!」


 笑顔で答えるルージュちゃん。ワイバーンの飼い主のリクさんはガクッとなっていた。


「私もドラゴン!」


 私もドラゴンに乗りたい。ドラゴンってロマンがあるじゃん。大体の人はドラゴンとワイバーンどっちに乗るか聞かれたら、ドラゴンって答えると思う。ワイバーンもかっこいいけど、ドラゴンには適わないよ。


「なら拙者はワイバーンに乗りましょうかね」


 茶々さんがリクさんを気遣うように言うと、リクさんは嬉しそうにしていた。


 しばらくすると、ドラゴンとワイバーンが帰ってきた。


 私とルージュちゃんはドラゴンに、リクさんとマロンちゃんと茶々さんはワイバーンに乗り込む。


「お願いね! ドラゴンさん!」


 私はそう言って、ドラゴンの上に乗る。ドラゴンは「任せろ!」とでも言うような得意げな顔をしていた。振り落とされないようにしっかり掴まないとね。


 私とルージュちゃんが乗ると、ドラゴンは空を飛ぶ。


 下を見ると、地面が遠い。高い! 景色が綺麗だなあ、なんて思ったりした。


 ゆっくりと空を移動して、窓の傍に行くと、皆が待っていたので、慎重にドラゴンから降りる。よいしょと。


 後からリクさん達もやって来て、ワイバーンから降りて、窓を閉める。私達は誰にもバレずにスカイツリーもどきに侵入出来たようだ。


 さて、どうやって、この建物にいる他のチームを倒すかだね。

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