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第39話 近未来都市での宝探し(2)

 茶々さんの言った通り、他の人が近付いてくると、足音がはっきりと聞こえた。敵は何人だろう。複数人いるよね。私は耳を澄ます。4人くらい?


 正解は5人だった。私達の前に他のプレイヤーが現れた。この5人は私達に気付かなかったようで、慌てて武器を構える。


 が、遅い。茶々さんは先手必勝とばかりに攻撃を仕掛ける。ルージュちゃんも手にスタンバイしていた爆弾を投げつける。マロンちゃんは銃を乱射する。


「プリースト(聖術士)とアーチャー(弓術士)とヴィザード(魔術師)とファイター(格闘家)とパラディン(守護者)がいるよ! レベルは皆20代後半!」


 私は鑑定した大まかな内容を伝える。スキルとか称号は1つ1つ伝えている余裕がないので、職業とかレベルだけでもと思ったのだ。


「【反転(呪)】【破滅の旋律】」


 私は2つのスキルを発動した。これでそれなりにHPは削れるはず。その後は、私はMPを温存したかったので、通常魔法攻撃で援助したり、デバフやバフを少しかける程度に留めた。


 にしてもバランスの取れたパーティだね。前衛も後衛もいるし。物理職と魔法職もいい感じに分散している。


 敵のHPがけっこう減っていくと、プリーストの少女が回復スキルを使う。しかし回復効果は呪い効果に変換された。敵は呪いダメージを喰らう。


「どうして?」


 プリーストの少女は信じられないという顔を浮かべる。


「回復はやめとけ! なんか仕掛けてる!」


 リーダーと思われるパラディンの青年が指示を出していた。このまま回復スキルを使い続けてくれたら楽だったんだけど。そんな馬鹿じゃないか。


 知性のない魔物は回復スキルを使い続けてくれるから楽なんだけどね。


 私は茶々さん達のHPが少し減ってきたので、回復スキルを発動する。


「【アラウンドヒール】」



 その後は通常魔法攻撃を連打する。敵は後衛の私に近付こうとしてくるが、ルージュちゃんが爪で、阻止してくれた。ありがとう、ルージュちゃん。


 私は皆の援護をする。やがて敵のHPは5人とも0になった。そして近未来ポイントを25落とした。リーダーを倒したから、あの人達のチームの持つ半分の近未来ポイントを入手出来たらしい。


「もしかしたら、あの人達のチームメイトがこの建物にいるかも。一応皆にも知らせておこっか」


 そう言って、私はチャットを打つ。連絡をすると、すぐに「了解」というチャットがきた。


 さっきの敵は人数が5人と、私達より多かったけど、回復を封じたし、レベルが低かったから楽に勝てたね。


 でも一応気を付けないと。まだあのチームのメンバーがこの辺りにいるかもしれないし。向こうはチームメンバーが殺られたことに気付いている。


「今度こそ上の階に行きましょう!」


「そうね」


 私達は今度こそ地下2階に向かった。



 地下2階の扉を開いて、地下2階の廊下を進む。いくつか部屋を覗いて見たけど、地下2階もあまり地下3階と変わらない。



 私達は地下2階を入念に探索する。地下2階の部屋は全て見尽くしたけど、何もなかった。



「何もなかったですね」


 茶々さんはがっくしと肩を落とす。


「気を取り直して、地下1階を探そ!」


 ルージュちゃんは、残念そうにしている茶々さんを、明るい声で元気付けるように言う。


「そうだね」


 私達は次に地下1階に行く。地下1階も他の階と造りはあんまり変わらない。私達は順番に部屋を探索していく。


 倉庫っぼい部屋に入ると、宝箱が置かれていた。色は緑。1番レア度が低いやつじゃん。


 マロンちゃんが宝箱を開いた。宝箱はアイテムと1近未来ポイントを落として、消滅した。ポイントはしょぼいけど、ゲット出来ただけよしとするか。


 私はスマホを開いて、私達のチームのポイント合計を確認する。ポイントは702ポイントに増えていた。


 どうやら私達がさっき倒したチームの残りメンバーをルーコさん達が倒してくれたらしい。そのお陰かポイントが増えていた。


「1番レア度が低いと、1しかポイントが入らないのね」


「まあゲットしただけおっけーだよ」


「さっきのチームのメンバーの残党、倒したみたいだね。ポイントが増えてる」


 私はスマホの画面を皆に見せる。ルージュちゃん達は私のスマホを覗き込む。


「本当だ。増えてる!」


「他の部屋も確認しよ! 後ちょっとだよね?」


「そうですね」


 私達は残りの部屋も確認するが、宝箱はもうなかった。地下には合計2つの宝箱があったね。


 これからどうしよう。地下は3階しかないのであっという間に探索が終わってしまった。


「他の見てない階の探索を手伝いますか?」


「そうだね。15階あたりから見てこ!」


 私はエレベーターを操作しながら、そう言った。このビルは40階建てになっていて、リクさん達が屋上から、ルーコさん達が1階から見ていっている。私達は中間の辺りの15階から上っていく感じで、探索しようと思う。


 しばらく待っていると、エレベーターがきた。乗り込んで、15階ボタンを押す。すると一気にエレベーターが上へ上がる。窓の外から景色が見えた。中々にいい眺望だと思う。



  15階に着くと、私達は部屋を散策する。見た感じ15階は地下の階より、部屋が少なそう? あっという間に見終わった。私達は15階から24階くらいまでを探索した。


 ここで66近未来ポイントゲットした。今のチームの獲得ポイントは873ポイントとなった。


 私達はビルを探索し尽くしたので、2階に集まって、情報交換をしながら休憩を取る。


 すると、窓の外を警戒していた茶々さんがすっと立ち上がる。


「敵がこのビルに来るかもしれません」


「え?」


 私はびっくりして、変な声が出てしまった。咳払いをして誤魔化して、茶々さんの話に耳を傾ける。


「窓の外に何人か人が集まっています。あの人達はこのビルを指差して、何か話していますし、このビルに来そうです」


 私は窓の外を覗き見たくなったが、大勢で覗き込むと、私達の存在が向こうにバレるかもしれないので、今は抑える。


「それなら、罠でもはっとこうか? それで撃退しよう」


 トネリさんはやる気のようだ。罠を貼りたそうにしている。そんなに罠を仕掛けたいの……?


 まあ撃退するのは賛成だけどね。近未来ポイントを持ってるかもしれないし。


「とりあえずアナさんは窓の外にいる人達を鑑定出来ますか? 拙者が見た感じ15人以上はいました」


「おっけー。見てくるよ」


 私はこそっと移動して、窓の外にいる人達を鑑定する。


 レベルは20~40くらい。人数は20人。職業のバランスはけっこう取れているが、見た感じアサシン(暗殺者)のような近接物理職が多い。PVPが得意な職業が多い。厄介そうだな。


 スキルはそこまで厄介そうなのはない。警戒するとすれば、リーダーのアサシンの持つURの【漆黒のナイフ】だ。このスキルを使うと、いくつかのナイフを手で持たなくても、操作して攻撃出来るらしい。



 私は職業とレベルや厄介そうなスキルの情報を皆に伝える。こういう時に鑑定って便利。敵の情報は筒抜けだもんね。



「僕は罠を仕掛けてくるよ。誰か手伝ってくれない?」


「なら拙者が行きます。というか皆で行って攻撃の準備をしましょう。何人かはここに残って、敵に動きがあったら知らせてください」


 茶々さんは指示を出す。なら鑑定持ちでリーダーの私は一応ここに残ろうかな。


「じゃあ私残るよ」


「なら私も」


 ルージュちゃんも一緒に残ってくれるらしい。私とルージュちゃんがここに残ることになった。


「俺とシュウヤは上から攻撃出来るかもしれないから、空へ行くぜ!」


 リクさんとシュウヤさんは自身の魔物に乗って、空へ行くらしい。残りは皆1階で戦闘準備をしたり、罠を仕掛けたりだ。


 役割を決めると、さっそく皆は移動を始めた。


 私達は向こうにバレないように、窓の外を見る。今のところは何か話してるみたいで動きはない。


 しばらく見ていると、もう3人ほどが合流した。そしてこのビルの入り口に来る。私とルージュちゃんは頷きあって、チャットで連絡する。


 プリーストがいるし、私も援護に行った方が良さそうだね。

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