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追放された魔法使いの巻き込まれ旅  作者: ゆ。
1章 商業都市フレンティア
35/55

ながいよる (リリーside)

「ルーク………」


こんばんは。おひさしぶりです。

リリーです。


きょうは、おじさんにルークがたくさんけられて、ルークがつらそうで、リリーがたすけてって言ったら、クレアさんが来てくれて、ほっとして、ねちゃいました。


ちょっとまえにおいしゃさんが来てくれて、まほうをつかってくれました。

ルークは『すごくいたい』から『ちょっといたい』になったみたいです。


リリーもおねつがひどかったけど、おいしゃさんのおかげで『びねつ』ってねつになったみたい。


おかげでけいびしゃから、こじいんにもどってこれました。



今はちょっと体がおもいけど、ルークの手をにぎってる。


………ほんとうは、ねてると、こわいゆめを見ちゃうから、ルークのそばにいる。




ルークはおいしゃさんのあとも、ずっとくるしそうにしてる。



どうしてぜんぶ治さないの?ってきいたら、じぶんで治す力がへっちゃうから、治るのをおてつだいするだけなんだよって、おしえてくれた。



ルークがくるしそうにしてるのはいやだけど、今いたいのと、たたかってるってことだから、リリーはがんばれって、おもうことしかできない。


はやく、目をさましてほしいなぁ。


リリーがルークを見てたら、げんかんのほうから声がした。


リリーたちがこじいんにもどったときは、もうお月さまがしずみはじめてた。

でもまだまっくらだから、まよなかに人が来たみたい。



ルークを見てたいけど、げんかんも気になる。



ルークのことをちらちら見て、リリーはげんかんを見にいくことにしました。



まえにシスターとルークがはなしてるのを、かくれて見てたところまでいって、げんかんをのぞいてみた。


シスターがはなしてるのは……ぎんいろのかみのけのおねえさん。

あっ、もしかして!


「クレアさん!」


リリーが声を出しちゃって、ふたりともリリーのことに気づいちゃった。

リリーが手で口をおさえたのに、おそかったみたい。


ふたりともびっくりしてる。

このまえもルークとシスターがびっくりしてたな。


クレアさんのところまでいって、リリーがくっついたら、クレアさんがもっとかたまっちゃった。

クレアさん、おはなしするのもにがてで、くっつくのもにがて?


リリーがクレアさんのかおを見ようとおもってたら、シスターがリリーとクレアさんをはなした。



「リリー?どうしてまだ起きてるの?熱があるから寝てないとダメでしょう?」

「ごめんなさい……。でも、こわいゆめを見ちゃうからねたくないの!

それでねてなくて、えっと、ルークのこと見てて、そしたら音がしたから、きちゃって、えっと」



シスターはおこるとこわい。

だから、ねれないりゆうをシスターに言わないとって、ひっしにはなしてたら、シスターがリリーのことをぎゅってしてくれた。


どうしたのかなってシスターを見たら、シスターはリリーにずっとあやまってた。


なんでリリーにあやまるの?

ねれないリリーがわるい子なのに。

シスターはあやまらなくていいのに。


シスターのうでの中で、あわあわしてるリリーを見て、クレアさんがわらった。



クレアさんはリリーと目を合わせるために、ゆかにひざをついた。


「眠れないなら、私と一緒に寝ようか」

「………クレアさんと?」


びっくりしてききかえしちゃった。

クレアさんはくっくのがにがてみたいだから、いっしょにねたら、石みたいになっちゃいそうだもん。

でも、いっしょにねてみたいな……。


リリーのおもってることをクレアさんは気づいたみたいにわらって、うなずいた。


「そう、私と。リリーちゃんが怖い夢を見たら、私が楽しい夢してあげる。

だから、私が怖い夢を見たときは、リリーちゃんが楽しい夢にしてほしい」


クレアさんはリリーの手をにぎっておねがいしてきた。


そっか。リリーはこのまえ、クレアさんがくるしそうにねてるのを見たことがある。

あれは今のリリーとおなじだったんだ!


リリーもクレアさんも、いっしょにねたら、たのしいゆめになるなら、クレアさんのためにリリーがそばにいないと!


でも………。



リリーがもじもじしてるのを見て、クレアさんがしんぱいしてくれた。

ちゃんといわないと……。



「あのね、リリーはクレアさんともねたいし、ルークともねたいの。

今ね、ルークはたたかってるんだよ!だからリリーが手をにぎって、ルークのことおうえんしてるの!

そしたら、ルークもくるしくなくなるとおもって……」


「………うん、そうだね。ルークさんも怖い夢と戦っているなら、一緒に寝たいね」



リリーがそこまでいったら、クレアさんはやさしくわらって、リリーの手をぎゅってした。

クレアさんもルークのことをおうえんしてくれるって。


それじゃあ、ルークはもっとくるしくなくなるかな?


リリーは嬉しくなってクレアさんにくっついた。

クレアさんはまたかたまっちゃった。













「ねるまでおはなししたい!」



シスターがさんにんでねれる、ひろいへやをあけてくれた。

今はルークをまんなかにして、リリーとクレアさんでルークをはさんでる。


ねようとおもったけど、目がまだおきてるよーって言ったから、目がもうねたいよーって言うまでクレアさんとおはなしすることにした。



クレアさんのことをたくさんおしえてもらった。



リリーより8才年上だけど、まだ子どもなこと。

ローブがだいすきなこと。

いろんなまほうを、すぐに出せること。

さむい北に2年くらい、イソウロウしてたこと。

おともだちとひさしぶりに会うために、たびをはじめたこと。

たびのとちゅうで知り合った人のこと。

おともだちと会うためにむかってる、西の方にはこわい人がたくさんいること。


明日、フレンティアをさよならすること。



たくさん、たくさんおしえてくれたけど、さいしょのほうしかおぼえてない。

どんどんねむくなって、クレアさんのはなしがこもりうたの代わりになっちゃった。

もっとききたかったのに、ねちゃうなんてもったいないなぁ………。







リリーがねたのは、お月さまがしずんで、たいようがおはようってするあたりだった。

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