超・事件3
連続更新56日目!
夜
実業団の勧誘が来た事を葛葉と陽太郎に話す。
義久には男2人が帰った後に話している。
「え、お婆ちゃんは実業団に入る予定あるの?あるんだとしたら実業団を作るって話は無くなる?」
「安心しなさい。私が実業団に入るのは暫くないから。葛葉達の為に実業団を作る話を優先するに決まってるわ。
まぁ、それとは別に勧誘して来た人から貰った名刺よ」
手渡すと葛葉と陽太郎は2人で覗き込んだ。
「これ結構有名な実業団じゃん……」
「中距離、長距離の両ブロックではオリンピックに出るような選手はいないけど全体的に堅実で平均タイムはかなり良い印象だよ。年明けの駅伝とかここ10年はずっと5位以内に入ってるし一昨年は準優勝したね。
対して短距離は中長距離に比べて全くと言って良い程良い所がない。少し前に……8年前だったかな?1人オリンピックを目指してた人がいたけど怪我とかで引退しちゃってから完全に短距離は廃れた感じ」
「その話を聞く限り私に所属して貰って短距離ブロックで活躍、宣伝して貰う事で人を呼びたい算段かしら?
だとしたらその名刺を渡して来たのは相当本気だと分かるわね」
「「どうして?」」
「これを渡された時に言われた事をそのまま伝えるわ。「何かご相談があればここに連絡をして下さい。最大限に譲歩させて頂きます」……曖昧なのはあまり好かないから直接聞いたの「貴方達が進路に困ったら頼っていいか?」って。そしたら迷わず頷いたのよ?
少しでも貴女達2人を獲りたいという思いはあったはずだとしてもこの条件は破格だと思うわ」
「「確かにね」」
「ちょっ……と待ってどう言う事?」
義久と葛葉の2人は直ぐに理解出来ていたが陽太郎は少し理解が追いついていないのか首を傾げていた。
「簡単に言うと「進路に困ったら頼れ、面倒を見る」って事なの。こんなの望めば無条件で実業団に入れるキップを手に入れたようなものだよ。お婆ちゃんも言ってる通り破格だよ」
「…………そんなん良いの?」
「結局就職も会社の匙加減だからね。別に良いんじゃない?」
絞り出すように陽太郎が聞くが義久が雑に答えた。
色々と言いたい顔をしたいる陽太郎を取り敢えず無視して話を続ける。
「たった1人の人物を所属させたいが為にここまでするって事は何かありそうだよね。
例えば廃部……とか?」
「それは…………確かに嫌だし何とか回避したいかも」
「私は用事が終わったら所属する事自体やぶさかではないの。
ただ所属するに当たっての問題を幾つか説明するわ」
まず1つ目と人差し指を出して言う。
「最低でも実業団を作ってそこに葛葉が所属するまでは動かない。葛葉がこの会社の実業団に行きたいと言うのなら話は少し変わってくる」
2つ目
「凛花の件がほぼ解決したとはいえまだ少し不透明だから少しだけでも警戒はしておきたい」
「3つ目は私という一般的には妖怪と言われる元神を世間に晒す時期の調整。
これは◯ouTubeでとあるグループが真剣に妖怪の存在を証明しようとしている事を知ってね。もし証明出来た暁には元神として堂々と世間に出ようと決めたの。もう昔のように蹂躙するだけで済む世界では無くなってしまったから現代に真の意味で適応しようと考えたの。あとは趣味」
「「「え?」」」
「世間に姿を晒す事に関しては体育祭でやらかしているから中々に頓挫しかけている状態よ」
ま、気にしてないけれどね?
付け加えた言葉は聞こえておらず
駄目じゃん、と孫3人の心が1つになる。
しかし原因の一部に葛葉が大いに関係している事に気付いた義久と陽太郎はバッ!っと葛葉の方を見た。
「……………………」
そこには汗をダラダラと流しながら必死に顔を逸らしているやらかしの元凶である葛葉がいた。
どう言い訳しても駄目なので必死に目を瞑り顔を合わせまいと逸らしている。
「頓挫の原因姉ちゃんやん」
「くっ!」
「まぁまぁ!落ち着け陽太郎。葛葉もお婆ちゃんを自慢する口実が欲しかっただけなんだからさ!
やらかしはまぁまぁ大きいけど純粋な心から来てる物だから─────」
「じゃあ純粋なやらかしやん」
「予定が狂った程度で怒りはせん!計画は頓挫しかけているが台無しになった訳じゃないから良いんじゃ!!陽太郎もくだらん事で喧嘩をするな!」
滅多に怒らない狐雪が怒った事で3人はびっくりしており陽太郎は露骨に気まずそうになる。
「妾は子供達や孫達が喧嘩をしている姿より仲良くしている姿が見たい。だから不必要な喧嘩はしてくれるな!」
葛葉が体育祭以降あまり顔には出していないが気にしていた事知っていたから私はこの弄り方は駄目だと思い叱った。
僅かに涙目になった陽太郎は葛葉をチラチラと見て「ごめん」と謝る。
正直顔を見て謝って欲しかったが義久に見られて謝るのは流石に恥ずかしいが勝つようだった。
ただ謝った事実と本心は確かなのでここで流れを切り不問とする。
「ちょっと話が逸れたけど4つ目は私は陸上部の部員として所属するのは今すぐでも良いけれど会社にまで所属する気はない事にあるの。
まだ確定した訳じゃないけどあちらの目的は今は日本選手権にも出る事が叶わない選手しかいない短距離ブロックを復興させ尚且つブランドとなるような人を集めスポンサーを勝ち取る事。
突如綺羅星の如く現れた私はあちらからすれば喉から手が出るほど欲しい人材でしょうね。確保すれば出来るだけ手元に置いておきたいと考えるのが自然よ。取材とかもあるだろうしね」
手元にあったお茶で喉を潤すと話を続ける。
「だからこそ私はそれを嫌うの。
私の所属するだけなら良い、だけど居場所や練習場所まで縛られるとなるともの凄く気分が悪いわ。 練習場所と生活空間も縛られたら陽太郎の世話を放り出す事になるわ。拝や神楽達だけに任せて私は遊び呆ける何て自分で許す訳がない。
4つ目の条件をクリアするとしたら企業は完全に私をサポートするだけに止める事と練習場所の不干渉ねこれは大事よ」
珍しく孫に怒る氷鉋狐雪
理由さえあれば親と子、兄弟姉妹、男と女で殴り合いをしても許す、好きに殴り合え派
ただし理由がしょうもなかったり片方が明らかに悪かったり決着が長引いたりすると狐雪が参戦し両サイドをボコボコにした上で一晩家から締め出す。
安眠妨害は家族でも許し難い大黒柱
ここまで読んで下さりありがとうございます!!
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